「次第です」の意味と使い方と例文集。「所存」との違いと使い分け方

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「~した次第です」「~のような次第です」という表現は、ビジネスシーンでよく耳にしますが、正しい意味を理解して使用できていない人も少なくありません。

「次第です」は便利な言葉ですが、一方で間違った使用が目立つ言葉でもあります。正しい言葉を使えるビジネスパーソンを目指すために、今回は、「次第です」の意味と正しい使い方、その例文を解説していきます。

「次第」の意味は何か?

「次第」は、「事情・状況・成り行き」とほとんど同じ意味で使われます。

「です」をつけた「次第です」という表現は、基本的に立場が上の人に使います。同僚や目下の人には使いません。

また、「どう思うかは君次第だ」といった場合の「次第」は、「君」という名詞についていることで「その人の気持ちや物事の事情いかんによる」という意味をあらわしています。

他にも、「手当たり次第に」「成り行き次第で」のように、「動作が行われるままに」という意味でもしばしば使用されます。

次第の使い方

ビジネスシーンでは、原因や状況を求められる場面が多々あります。その際に、「~という次第です」「~を行った次第です」のように用いるのが一般的です。これにより、「~という事情です」「~という状況です」をより丁寧にいい表せます。

相手が目上の人間や取引先の場合、「そういう事情です」「そのような成り行きです」と説明が生じたら、「そういう次第です」「そのような次第です」といい換えてみましょう。相手側の印象もだいぶ違うはずです。

メールや報告文書でも同様です。上司宛ての報告メールで、「~したわけです」や「~となってます」などは失礼に当たるので避け、「次第です」る事で文章も引き締まるでしょう。

また以下では言葉の正しい使い方に関する情報を解説しています。ビジネス上でのメールや言葉遣いに不安がある方は、この記事と合わせて相手に失礼のない言葉を遣えるビジネスパーソンを目指しましょう。


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「次第です」を用いた例文

口頭で報告する場合の例文

「今日は電車が事故により遅れ、このように出社が遅れた次第です。申し訳ありません」

上司宛ての報告メールの例文

「先日の打ち合わせにて、先方から前述のようなご相談があった次第です

過剰な使い方に注意

「次第」は定型文としては非常に使いやすい言葉ですが、一方で使用方法によっては堅苦しさやクドさが際立つ場合があります。

「次第」が丁寧語の重複にならないように気を付ける

「次第」の使い方として注意したい点は 、「次第」にさらに丁寧語を重ねて、過剰な敬語になってしまうことです。たとえば、「~と、そのようにした次第でございます」と使用するのは、間違いではありませんが、少し言葉がクドく感じられてしまいます。

「次第です」だけで十分丁寧な物いいです。「ございます」と重ねるのは避けた方がよいでしょう。また、「~の次第と考えております」という表現も使用しがちですが、こちらはまわりクドい上、使用方法としても間違っています。

「次第です」は相手や状況に応じて使い分ける

「次第です」は基本的に立場が上の人に使うものです。仕事の場合、上司、取引先が相手ですが、過剰な使い方には注意が必要です。

「何卒よろしくご検討くださいますよう、衷心(ちゅうしん)よりお願い申し上げる次第です」

上記の例文は、上司への業務メールとしては、悪気がないのはわかりますが、相当堅苦しくへり下りすぎている印象です。場合によっては、相手に嫌味と捉えられかねません。

逆に取引先への謝罪など、より丁寧さが求められる場面では、誠意を伝える気持ちが際立ちます。このように、いつも同じいい回しを使うのではなく、相手や状況によって適切な使い分けが必要です。

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「次第です」の類語

「次第です」という表現が丁寧すぎる場合には、類語で言い換えることができます。

・~という流れです。
・~という経緯です。
・~というわけです。

などが使えるでしょう。

「次第」と「所存」の使い分け方

「次第」に似た「所存」の意味

「次第」と類似した言葉に、「所存」があります。「所存」は、「考え」や「意志」の謙譲語にあたり、自分の意志や考えを表す際に使用します。従って、「所存です」は、「〜するつもりです」・「〜しようと思います」・「〜したいと思っています」という意味です。

「次第」と「所存」の違い

「次第です」が説明・報告であるのに対し、「所存です」はなんらかの意志表明ということです。混同しないように注意しましょう。

「次第です」と「所存です」を比較した例文

正しい使用例

 

「このように弊社は考える次第です
「今日も一日、真面目に仕事に取り組む所存です

よく使われる間違った使用例

 

×「このように弊社は考える所存です
×「今日も一日、真面目に仕事に取り組む次第です

前述したように、「次第と考えております」も間違いです。こちらの意志を相手に丁寧に伝えたい場合は、「次第」は使用せず「所存です」と結ぶのが適切です。

「次第」を使ったビジネスでの例文5選

「次第です」を使った文例をシチュエーション別にご紹介します。

【相手側への説明】
「この度は弊社としても大変申し訳なく思っており、不躾ながらもメールにてご連絡させていただいた次第です」「当社としましてはグローバルな人間を育てるため、英語教育にも積極的に取り組んでいる次第です」
【状況の説明】
「プロジェクトの見直しが必要と判断され、現在、調整させていただいている次第です。今しばらくのご猶予を願います」「取引先との打ち合わせのあと、渋滞につかまってしまい、現在そちらに向かっている次第です」
【要点まとめとして】
「最近、タイムカードの押し忘れが目立ちます。連休明けにて気のゆるみがあると思われます。以上のような次第ですので、みなさん、お気をつけください」

「次第」の英語表現

状況・事情を説明する時に使う「次第です」は、英語では表現しなくても意味が通じるでしょう。

「君次第」という意味では、”depends on you”や”up to you”などが使えます。
・It depends on you.
・It is up to you.

「次第」の意味と使い方のまとめ

「次第」は、ビジネスシーンにおいても使用頻度が高い言葉です。特にメールなどの文書作成時に役立ちます。説明・報告のときに、「~という次第です」という表現を有効に活用しましょう。