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この記事では、「マウント」の意味や使い方、マウントをとる人の特徴などについて考察します。
「あの人、やたらマウントをとりたがるね」という会話を聞いたことはありませんか?マウントはそんなタイプの人に対して使われる言葉ですが、その正しい意味や使い方を知っている方はそう多くないでしょう。
マウントは、社会生活の中で人間関係を知る上でも重要なキーワードです。この記事を通して、「マウント」の意味や使い方、マウントをとる人の特徴などを理解して、社会人としてのスキルアップにつなげてください。
マウントの意味とは
「マウント」とは、自分の優位性を周囲の人々にアピールする行為のことです。学歴や収入、肩書、知識量、体力、見栄えなど自分が他人よりも優れていると自負しているポイントを強調して、相手より優位に立つことが目的です。
会社の部下に対して「こんなこともできないのか!」と見下したり、「このTOEICの点数では、私の足元にも及ばないね」と皮肉を言ったりして、自分の優位性をアピールします。あまり良い意味で使われない言葉ですが、その由来は決して悪い意味ではありません。
マウントの由来
マウントの語源は、英語の「mount」です。英語のmountには「登る」「上がる」「乗る」「取り付ける」「はめ込む」などさまざまな意味があります。マウントが、人の優位に立つ意味で使われるようになったのには、動物社会学的な意味が由来です。
動物の雄が生殖のために雌に乗ることを動物社会学では「マウント」と呼びますが、雌だけでなくオスに対しても相手に自分の優位性を表すために馬乗りになることがあります。このことから、人間に関しても優位性を誇示する行為に使うようになりました。
マウントの使い方
人間関係においてマウントを使う場合は、「マウントをとる」や「マウンティング」という表現を使うことが多くなります。
マウントをとる
地位や収入、学歴だけでなく、ファッションや恋人などさまざまな要素から自分の優位性をひたすら強調して自慢する人に対して「マウントをとる」という表現を使います。
例文
- 彼はなにかと一流大学卒を自慢してマウントをとろうとしてきます。
- 自分の高収入だけでマウントをとろうとする男は嫌悪を嫌ですね。
- イケメンの彼氏ができたあの子は、すぐに顔を比較してマウントをとるクセがあります。
マウンティング
動物が相手に自分の優位性を表すために馬乗りになることを「マウンティング」とも言います。このことから、人が相手に対して優位性を言葉や態度で示す行為をマウンティングと呼ぶようになりました。
例文
- ニホンザルはオス同士の優劣の順位を確認するためにマウンティングをおこないます。
- 前回の合コンは、マウンティング女子ばかりでウンザリしました。
- 一度の成功体験だけでマウンティングする新人君は、陰で笑い者になっています。
マウントをとる人の特徴
では、マウントをとる人にはどのような特徴があるのでしょうか。
マウンティングする人は、しばしば自己中心的で競争心が強く、他人と比較して自分を高めることを好む傾向があります。彼らは自分のステータスや能力を誇示し、他者を見下すことで自尊心を満たそうとします。
マウンティングする心理背景には、自分自身への不安や劣等感が隠れていることが多いと言われています。彼らは他人を見下すことで一時的に自分を安心させ、優越感を得ることが目的です。
また、自分の意見や価値観を強制し、他者を従わせることで支配欲を満たす場合もあります。マウンティングする人は、コミュニケーション能力が低く、相手の気持ちを考慮せずに自分の意見を押し付けることが一般的です。
自己中心的
マウントをとる人は、自尊心が強く自己中心的になりがちです。自分がだれよりも優れていると思っているので、上から目線で傲慢な態度の人が多くなります。自分よりも上になりそうな人がいるとすぐにマウントをとり相手を見下そうとします。
また、柔軟性がなく相手に対して決めつける傾向が強くなります。「君は消極的だ」「営業センスがない」など一方的に相手を否定する発言が多いのも特徴です。
自慢話が多い
マウントをとる人は、自慢話が多くなります。仕事の成功や過去の実績、知識やコレクションなど他人よりも優れていると思えることを自信ありげに話します。また、同じことで自慢する人がいれば、向きになって自分の方が上であることを強調するのも特徴です。
これは、他人から認められたい「承認欲求」が背景にあると考えられます。自分の自慢話をすることで、相手に認められたいのです。
嫉妬心が強い
嫉妬心が強いのもマウントをとる人の特徴です。自分の優位性を強調する反面、内心では自分に対して不安を抱いているのです。自分に自信がなく嫉妬心が強くなり、それを克服するためにマウントをとります。
嫉妬心が強いので自分の思い通りにならなかったり、自分よりも優秀な人材に出会ったりすると逆切れすることがあります。
マウントはなぜ繰り返されてしまうのか
マウンティングは、一度限りではなく、繰り返されることがあります。お互いの地位や能力を示すことで一時的な優越感を得たり、それぞれのマウンティングカテゴリーが相対的な関係にあるため、状況やコンテキストに応じてマウンティングが繰り返されることが考えられています。
マウントをとる人への対処法
マウントを取ってくる人に対処する方法はいくつかあります。
まず、相手の行為に対して冷静に対応し、感情的な反応を避けることが重要です。マウンティングする人は、相手が反応することで自己肯定感を得るため、感情的にならずに落ち着いた態度を保つことが効果的です。
次に、相手の意見や行為に同意しないことを適切に伝えることが大切です。自分の立場や価値観を明確にし、他者を尊重することを強調してコミュニケーションを図ります。また、マウンティングする人が自分の意見を押し付けることがあるため、自分の意見を論理的に説明し、相手に理解させることが効果的です。
最後に、マウンティングする人との距離感を適切に保つことが重要です。無理に接触を避ける必要はありませんが、自分にとってストレスとなる場合は適度な距離感を保ち、他の人間関係にも力を注ぐことが助けとなります。
認めてあげる
マウントをとる人は承認欲求の強いタイプですから認めてあげれば機嫌をそこなうことはありません。職場などで接する機会の多い人には、「素晴らしいですね」などと言って、認めてあげるのも対処法のひとつです。
認めてあげれば余計な波風も立たずに、仕事もスムーズに進むはずです。
指摘する
マウントをとる人のタイプには、意識してマウントをとる人と無意識にマウントをとる人の2つがあります。意識してマウントをとる人の場合は少し難しいですが、無意識でマウントをとっている人には、そのことを指摘するのも効果的です。
「マウントをとらないでくださいよ」と軽く言えば、相手も悪い気持ちにはならないでしょう。また、意識してマウントをとる人に対しては、きびしく怒ることが必要なケースもあります。
聞き流す
毎日自慢話などを聞かされるのはストレスになります。マウントをとる人のために健康を害することが無いように、適当に聞き流すことも必要。張り合いのない態度を繰り返すことで、マウントをとろうとする気持ちが薄らいでいきます。
マウントをとる気持ちがなくなれば、あなたがターゲットになる可能性は少なくなりますね。
マウントをとられやすい人の特徴
マウントをとられやすい人には、ある程度共通する特徴があるものです。そこでこの項目では、マウントをとられやすい人の特徴をご紹介します。
自信がない
まず真っ先に挙げられるのは、「自信がない」です。自信がない人はつい卑屈になってしまったり他人のマウントにもマウントで返したりすることなく聞き入ってしまうため、マウントをとられやすい傾向があります。
そういった人はマウントをとる人からすると話を聞いてもらえる人だと認定されやすいので、他の人よりもマウントをとられる機会が多いかもしれません。
自分の意見を言えない
また「自分の意見を言えない」もマウントをとられやすいといえます。なぜならそういったタイプの人はマウントをとられても、自分の意見を言ってこないからです。
大人しい
その他では「大人しい」も該当するでしょう。気が強い人などはマウントをとられると言い返してくることがありますが、大人しい人はそのようなことがないと思われています。
もし一つでも思い当たるところがあれば、先述の対処法を試みてみると良いかもしれません。
自分もマウンティングしているかも?気づいて内省する方法
マウントを取れれることはもちろんストレスになりますが、自分もやってしまっているかもしれません。自分がマウントを取ってしまっているかどうかに気付く方法は、以下のようなポイントを振り返ってみると良いでしょう。
他人との比較が多くないか?
自分が他人との比較を頻繁に行い、自分のステータスや能力を誇示することが多いかどうかを振り返ります。他人を見下す発言や態度がある場合は、マウントを取っている可能性があります。
他人の反応をチェックする
自分の言動に対して、他人が不快そうな表情や態度を見せることが多いかどうかをチェックします。周囲の人が自分との会話を避けたり、遠ざかったりする場合も、マウントを取っている可能性があります。
マウント行為は、ある程度固定的な人間関係のなかで行われることが多いため、相手も決定的な拒絶になるような反応を示さず、それとなく避けたりしがちです。相手が拒絶してこないから大丈夫ということではない点に注意が必要です。
押し付けるコミュニケーションスタイルになっていないか
自分が一方的に意見を押し付けることが多いか、相手の意見や感情を尊重しているかを振り返ります。他人の意見を無視したり、否定したりすることが多い場合、マウントを取っていることが考えられます。
各分野におけるマウントの意味
マウントには、人間関係に使う意味以外に、各分野で異なる意味があります。
カメラ用語のマウント
カメラ用語の「マウント」は、「レンズマウント」の略語で、一眼レフカメラなどの本体に交換レンズを取り付ける部分のことです。メーカーごとにマウントの規格が異なるので、専用のマウントを選ばなければなりません。
但し、マウントアダプターというものを使用すれば、メーカーが異なるカメラでもレンズ交換が可能になります。
IT用語のマウント
IT業界では、コンピュータに接続した外部記憶機器や周辺機器をOSに認識させてアクセス可能な状態にすることをマウントと呼びます。「ハードディスクをマウントする」などと言うのが一般的です。
また、機器をOSから切り離して取り外せる状態にすることを「アンマウント」と呼びます。
格闘技のマウントポジション
格闘技の世界では、相手を床に押し付けて馬乗りになった体勢のことを「マウントポジション」と呼びます。マウントポジションになれば圧倒的に有利で相手をボコボコして、勝利できる可能性が大きくなります。
日本において「マウントポジション」や「マウントをとる」という言葉が広く使われるようになったのは、総合格闘技がきっかけだとも言われています。
まとめ この記事のおさらい
- 「マウント」とは、自分の優位性を周囲の人々にアピールする行為のこと。
- 動物が自分の優位性を表すために馬乗りになる行為がマウントの由来と言われています。
- マウントには「マウントをとる」や「マウンティング」などの使い方があります。
- マウントをとる人の特徴には「自慢話が多い」「自己中心的」「嫉妬心が強い」などが。
- マウントをとる人に対しては「認めてあげる」「指摘する」「聞き流す」などの対処法が効果的です。
- カメラのレンズを取り付ける「マウント」やパソコンの周辺機器などをOSに認識させる「マウント」、格闘技の有利な体勢である「マウントポジション」など分野によって異なった意味が。