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会社に勤めている人のことを会社員、正社員、社員、労働者、従業員、等と呼びます。それぞれの呼び方によって定められている範囲が異なります。
これらの違いをしっかりと理解し、言葉を使い分けられるようにしましょう。
今回の記事では、従業員について以下のような点を中心に解説いたします。
・従業員の範囲
・従業員と似た言葉の違い
従業員とは
従業員とは、雇われて業務に従事している人のことを指します。
(大辞林 第3版)
従業員に似た言葉として、サラリーマン、被雇用者なども使われます。一般的には、言葉の意味よりも広い範囲で使われ、会社の業務に従事している人全般をさしている場合が多いです。
従業員の範囲
従業員とひとくくりにしても、雇用形態はさまざまです。基本的には、会社で雇われている労働者のことをさします。
一般的に、正社員、契約社員、パートタイマー(アルバイト・パート)は従業員であるといわれます。そして、業務委託や外注先、会社の役員などは従業員でないと区別されます。
役員の扱い
原則として、役員(取締役、執行役員など)は従業員としてカウントされません。そのため、労働基準法などの法律は適用されません。
この理由は、会社を設立したり経営を任されている人たちに対しても労働者保護の法律を規定するのは違和感があるからです。共同経営する場合には、その相手にもこの点についてしっかりと共有しておく必要があります。
また、ハローワークなどで求人票に記載されている従業員数は、役員の数を含む場合と含まない場合があります。これは会社によって表記が異なります。
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出向中の人
出向中でも、出向元との雇用関係が成り立っている場合には、出向元の従業員として数が数えられます。
一方、出向元との雇用関係が解消され、出向先で雇用されている場合、出向先の従業員としてカウントします。
これは、従業員数基準における従業員の原則によるものです。評価をする会社との雇用契約に基づき使用される個人で、賃金が支払われる人のことを従業員と呼びます。この基準に基づき、出向者の人は、出向元との雇用関係の有無でどちらの従業員か判断されます。
参照:国税庁 従業員の範囲
人材派遣会社より派遣されている人
人材派遣会社から派遣されている労働者は、基本的には派遣元の会社の従業員としてカウントされます。
この原則に基づくと、派遣会社に登録している人は、実際に労働者派遣として稼働している人よりも多いため、従業員の数に誤差が生じてしまいます。そのため、同じ従業員といっても、以下のように区別をします。
上記の1の場合、その個人は、派遣元事業者の「継続勤務従業員」以外の従業員、2の場合は「継続勤務従業員」として区別されます。
参照:国税庁 従業員の範囲
従業員の労働保険適用範囲
会社に従業員がいれば、雇用する側が知っておかなければならないのが保険関係の法律です。労働に関する保険をまとめて労働保険と呼びます。労働保険の中には労災保険と雇用保険があります。
労災保険
労働者災害補償保険のことを一般に労災保険と呼びます。労働者が勤務中に業務上の事由や通勤によって負傷したり、病気に見舞われたりした場合に行われる保険給付のことです。
雇用する側は一人でも労働者を雇った場合、労働時間に関わらず必ず加入しなければならない保険です。例えば、短期間、臨時の労働者を雇った場合にも、その契約期間内は労災保険を適用させなければなりません。
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雇用保険
雇用保険は労働者が失業した場合や雇用の継続が困難な場合に、労働者の最低限の生活をサポートし、再就職を促進するために給付される保険です。
この保険はすべての従業員に適用されるわけではなく、パートタイマーの場合、一定条件があります。31日以上の連続雇用の可能性がある人や、一週間の所定労働時間が20時間以上であることなどです。
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会社員、社員、労働者、職員等の違い
仕事をしている人の呼び名には様々なものがあります。それぞれの違いを再確認しましょう。
会社員
基本的には、会社員と社員は同義語です。職業欄には「会社員」と書きます。
ある会社に所属し、雇用されて給料もらっている人をさします。(公務員は別扱いです。)
社員
社員は、その会社に所属している労働者のことで会社員や従業員とほとんど同じ意味で使われます。
特に、正規雇用者である正社員のことを指す場合が多いです。正式な文書では、会社員や従業員という言葉が使われ、社員という言葉はあまり使われません。
社員という言葉が使われるのは主に会話の中です。自分の会社で働いている部下のことを指して、「うちの社員は〜」と言うことがあります。これは自分の会社で働いている、特に正規雇用された人たちのことを指しています。
「社員」という言い方はあくまで俗称なので、契約書や正規の公文書には記すことができません。
そして、社員にはもう一つの意味があります。法律用語上での「社員」は会社の出資者(株主)をさしています。これは、もともとの社員の意味だからです。本来は、社団の構成員や株式会社における株主など出資者のことを「社員」と呼んでいました。
今では、従業員の意味での「社員」という使われ方が一般的ですが、本来の意味も知っておくとよいでしょう。
労働者
労働者は一般に働く人のことをさしますが、福利厚生や保健の面では労働基準法に従うため、労働者の定義が書かれています。
この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業または事務所(以下「授業」と言う)に使用されるもので、賃金を支払われる者をいう。
働いていても、労働者に属さない人たちもいます。会社の役員や親族、家政婦などです。
職員
公務員全般は職員と呼ばれます。また、株式会社以外の法人(宗教法人、社団法人など)や地方公共団体で働いている人のことを指します。英語ではstaffと呼ばれます。
団体に属して、労働し、賃金をもらっている点から、従業員と同義語として用いられる場合もあります。
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他の「員」
会社員、社員、職員など働く人には「員」をつけて呼ぶことが多いです。他の「員」もありますので、ご紹介いたします。
銀行に所属している人のことを、社員ではなく、行員と呼びます。
会社ではなく、役所などの組織に属する交通局、水道局、統計局などの「局」がつく組織で働いている人のことを、局員と呼びます。また、他の「局」、郵便局や放送局(テレビ局、ラジオ局など)に属する人も同様に、局員と呼びます。 これらの局員も主に正規雇用の人をさしています。
所は、専門的な分野の仕事をする場所や機関を指します。法律事務所、司法書士事務所、研究所などに所属している人などは、所員と呼ばれます。
所員と同じ読み方ですが、漢字が異なる署員は、強制的な執行権限を持つ組織を表しています。警察署がまず思い浮かぶでしょう。他にも消防署、税務署など、国の機関が多いです。
これは馴染みのある呼び方で、商売を担う場所で働いている人のことを店員と呼びます。
従業員のまとめ
- 従業員とは雇われて業務に従事している人のことである
- 正社員、契約社員、パートタイマーなどは従業員に含まれるが役員は除く
- 出向中の人や派遣労働者の場合、扱いが異なる