転職すると、「雇用保険被保険者証を提出してください」と総務からいわれることがあります。いきなり言われて理解している人は少ないかもしれません。雇用保険の制度は分かりにくい部分も多いので、この記事で解説いたします。

・雇用保険被保険者証とは
・転職する際に必要な書類
・雇用保険被保険者証をなくした場合の対処法

この記事を読めば、転職しても保険関係で悩むことはなくなります。手続きのときに必要なものを揃えてスムーズに処理してもらいましょう。

雇用保険被保険者証とは

雇用保険に加入した際に発行される証明書を雇用保険被保険者証といいます。

雇用保険に加入しているかどうかは給与明細を確認すればわかります。「雇用保険」という名称の項目があり、給与からいくらか天引きされていれば、雇用保険に加入しているということになります。

雇用保険被保険者証は、雇用形態に関わらず、発行されています。通常、正社員やパートの場合、会社側で保管されており、退職時に本人に手渡されます。ハローワークで雇用保険の失業手当をもらう手続きに必要な書類の一つでもあるのです。

同じ会社に勤めている場合、雇用保険被保険者証を見ることは少ないかもしれません。しかし、転職し、再就職した場合に、再就職先へ提出を求められる場合があります。ただし、これは再就職先の会社で従業員を雇用保険に加入させる際に、被保険者番号が必要で、それを知りたいだけなのです。

雇用保険被保険者証は転職時に提出は必須

転職をしたのち、新しい会社で最初に提出書類の一つとして求められるのが「雇用保険被保険者証」です。どんな目的で、もし提出しなかったらどうなるのか、解説いたします。

雇用保険番号がわかればよい

なぜ、新しい会社で雇用保険被保険者証が必要なのかというと、新たに雇用保険に加入する場合、雇用保険番号が必要だからです。

とはいえ、雇用保険番号を控えていたとしても、証明書がないと手続きはしにくいものです。再発行をしてもらうか、前の会社に問い合わせるかをしなければなりません。

雇用保険番号がわからない場合は雇用保険に入れない

雇用保険被保険者番号は1人につき1つの番号と決まっているため、退職や転職をしても基本的には変わりません。そのため、新会社でも雇用保険被保険者番号を聞かれるのです。

ただし、生涯番号が変わらないというわけではありません。離職期間が長く、仕事を辞めてから7年以上再就職しなかった場合、その番号は無効となります。

基本的にこの番号が分からなければ、雇用保険の手続きのしようがありません。分からない場合は、前の会社に問い合わせたり、ハローワークで確認してもらったりする必要があります。

雇用保険被保険証はコピーでもOKか?

会社の手続きに関しては通常、書類の原本の提出を求められます。

しかし、雇用保険被保険証に関してはコピーでも問題ありません。新しい会社では従業員を雇用保険に加入する手続きをするために、雇用保険番号が必要となります。その番号の確認のために、雇用保険被保険証の提出を求めます。したがって、その番号が証明できるものであれば、原本でなくコピーでも構いません。

雇用保険被保険証から職歴がわかるのか

雇用保険被保険証には前職の勤務地や連絡先などの詳細が書かれています。転職を何度もしている場合、新しい会社でその職歴がわかってしまうのではないかという心配をする人もいます。

結論から言うと、雇用保険被保険証からは職歴はわかりません。直近の企業名は記載があるので、それは仕方ありませんが、それ以前のものはわかりません。もちろん、ハローワーク側は把握できます。しかし、それは外部に漏れることはないので、職歴が担当者に全て分かってしまう、という心配はしなくてよいです。

雇用保険被保険証はパート・アルバイトでもあるか

また、雇用保険は正社員だけではなく、パート・アルバイトでも適用されているのかという点ですが、下記条件に当てはまる場合はパート・アルバイトでも雇用保険の適用範囲となっており、冒頭でも記載した通り雇用形態にかかわらず発行されています。

趣旨

パートタイム労働者については、次の (1) 及び (2) の適用基準のいずれにも該当するときは、雇用保険の被保険者となりますので、事業主は必ず「雇用保険被保険者資格取得届」(以下「資格取得届」といいます。)を事業所の所在地を管轄する公共職業安定所(ハローワーク)に、被保険者となった日の属する月の翌月 10 日までに提出してください。

適用基準
  1. (1)31日以上引き続き雇用されることが見込まれる者であること。具体的には、次のいずれかに該当する場合をいいます。
    • 期間の定めがなく雇用される場合
    • 雇用期間が31日以上である場合
    • 雇用契約に更新規定があり、31日未満での雇止めの明示がない場合
    • 雇用契約に更新規定はないが同様の雇用契約により雇用された労働者が31日以上雇用された実績がある場合 ( 注 )
      [(注)当初の雇入時には31日以上雇用されることが見込まれない場合であってもその後、31日以上雇用されることが見込まれることとなった場合には、その時点から雇用保険が適用されます。]
  2. (2)1週間の所定労働時間が 20 時間以上であること。

厚生労働省ホームページより引用

雇用保険被保険者証と離職票との違い

雇用保険被保険者証は、前述の通り、雇用保険に加入した際に発行される証明書です。国から雇用保険を支給してもらうための書類でもあります。

退職のとき、雇用保険被保険者証と一緒に渡されるのが離職票です。離職票は退職した証です。したがって、離職票自体は次に就職した先の会社に提出する必要はありません。(たまに提示を求められることもあります。)

退職のときに渡される書類は色々あり、退職経験がないとわかりにくいでしょう。雇用保険被保険者証と離職票が一緒の書類である場合もあります。

①雇用保険被保険者離職票1
マークシート式の書類で「資格喪失確認通知書(被保険者通知用)」と書かれているピンク色の用紙です。勤務先の会社から退職時に受け取ります。失業保険の給付を受ける場合に受け取りの金融機関など記入します。

②雇用保険被保険者離職票2
緑色の用紙で左側に労働者の氏名、勤務先、給料の支払い明細、右側に退職理由が書かれています。
給料の支払い明細は失業保険の給付額に、退職理由は失業保険の給付日数に大きく影響します。

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雇用保険被保険者証の保管方法

雇用保険被保険者証が大切な書類であることはわかりましたが、いざ提出を求められたとき、手元にないという場合もあります。

退職した前の企業が保管している

自分のミスで紛失してしまった場合もありますが、それ以外に考えられる保管場所として、前の企業がそのまま預かっているという場合もあります。