毎年、年末調整の時期が近づいてくると生命保険などの控除証明書が送られてきます。
しかしその際、国民健康保険控除において控除証明書が疑問点としてあげられます。

この記事では、国民健康保険控除での控除証明書、国民健康保険控除を受けられる人、状況別での国民健康保険控除について解説します。

国民健康保険控除は、個人事業主や転職中の方など何かと忙しい方が対象になることが多いため、適切に申告して可能な税金の控除を確実に受けるようにしましょう。

以下では国民健康保険について関連する情報を解説しています、この記事と合わせてより深く知識を深めましょう。

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控除とは何か

控除とはある金額から決められた一定の金額を差し引くことをいいます。所得控除は確定申告をする方なら誰でも受けられる控除のことをさします。

場合によっては税金の負担が軽くなる場合もあるため、自分が控除を受けられるかどうか把握しておくようにしましょう。

確定申告で適用される所得控除一覧

確定申告で適用される所得控除は以下の通りとなります。

  • 基礎控除
  • 配偶者控除
  • 配偶者特別控除
  • 扶養控除
  • 障害者控除
  • 寡婦控除、寡夫控除
  • 勤労学生控除
  • 雑損控除
  • 医療費控除
  • 社会保険料控除
  • 生命保険料控除
  • 小規模企業共済等掛金控除
  • 地震保険料控除
  • 寄附金控除

控除証明書とは何か?

控除証明書とは、生命保険、地震保険、国民年金などの支払いを証明する書類です。

年末調整や確定申告で必要になることが多く、生命保険控除、地震保険料控除、社会保険料控除などを行うときに提出する書類です。

国民健康保険に控除証明書はない

国民健康保険控除で控除証明書はありません。

生命保険料控除や地震保険料控除では支払った保険料を証明するために控除証明書の提出が必要です。

国民健康保険控除でも同様に控除証明書が必要だと思っている人は多いですが、実のところ不要です。

確定申告のとき、申告用紙の社会保険料控除の項目にその年に納付した国民健康保険の保険料の合計額を記入するだけで、領収書や控除証明書の添付は必要ありません。

国民健康保険控除を受けられる人

国民健康保険に加入していて保険料を納付すれば、基本的に国民健康保険の控除を受けることができます。

サラリーマンであれば、国民健康保険ではなく、健康保険または協会けんぽ(全国健康保険協会)です。そのため国民健康保険の保険料控除を受けることはできません。

年末調整をしていない人

個人事業主や転職活動中などで、会社が年末調整をしてもらえない人が主な国民健康保険控除の対象です。

かならずどれかの健康保険に加入する必要があるので、このような方が国民健康保険に加入している場合は、控除を受けることが可能です。

このような方は、確定申告で控除を受けることが必要です、毎年2月中旬から3月中旬までが確定申告の期間です。必ず行うようにしましょう。

社会保険料控除と国民健康保険控除の違い

国民健康保険控除は、社会保険料控除の中の1つの控除です。

社会保険料控除には、以下の物があります。

健康保険の保険料
国民年金の保険料
厚生年金の保険料
国民健康保険の保険料
国民健康保険の保険税
後期高齢者医療保険の保険料
介護保険の介護保険料
労働保険料
国民年金基金の掛金
厚生年金基金の掛金
公務員共済の掛金

サラリーマンなどの給与から天引きされる費用については、通常年末調整で企業がこれらの金額を計算してくれます。特段申告の必要はありません。

しかし、個人事業主や退職をして無職になり国民健康保険の保険料を自分で納付した場合は、国民健康保険の保険料を社会保険料控除として確定申告することが必要です。

確定申告をする際に証明書は必要ない

自分で納付額を記入する

確定申告をする場合、生命保険料控除や地震保険料控除では控除証明書、医療費控除では領収書の提出が必要です。しかし国民健康保険控除では、控除証明書や領収書の提出は不要です。

確定申告書の「社会保険料控除」欄に、納付した国民健康保険料の合計額を記入するだけでよいです。記入する金額は、保険料を納付した領収書や銀行口座の明細から確認することが可能です。

また、市区町村に確認するとその年に納付した保険料を照会できます。また、サラリーマンの方は、確定申告ではなく、年末調整で、国民健康保険の保険料を控除することも可能です。

年末調整時に提出する「給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」の「社会保険料控除」欄に記入することでも、控除が受ける事が可能です。

確定申告をしなくても控除が受けられる場合

確定申告をしなくても控除を受けられる場合があります。勤務先の年末調整で社会保険料が控除された場合は確定申告をする必要はありません。

例えば、退職をして無職になってしまい国民健康保険に加入したものの、年内に新しい会社に就職することで年末調整を受けることができます。その際に国民保険に関する必要な書類などを提出することで確定申告をせずに国民保険控除を受けられます。

ふるさと納税 12月までに利用すれば節税につながる!

ふるさと納税という言葉をだれしもが聞いたことがあると思います。しかしその仕組を理解している方は半数にも満たないでしょう。

ふるさと納税とは、地方自治体に寄付をした金額のうち2000円を超える部分が税額控除される制度です。

名前こそ「納税」ですが、厳密には自治体への寄付金額を住民税から差し引くという、寄付控除を活用した制度です。

さらに自治体の多くが、ふるさと納税の返礼として地元の特産品を贈呈することで寄付者にも喜ばれ、地場産業の振興にも一役買うという一石三鳥の効果があります。

また自治体によっては、寄附金の使い道についても、ふるさと納税を利用した人が選択することもできます。

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状況別、国民健康保険控除の仕組み

個人事業主、自営業の場合

個人事業主や自営業であれば、毎年確定申告をします。そのときに国民健康保険控除を申告します。

通常、確定申告の少し前の1月から2月上旬になると、加入している地方自治体から「年間納付額のお知らせ」が送付されてきます。

確定申告をする場合には、ここに記載されている合計金額を確定申告の社会保険料控除欄に記載すればよいです。

転職活動中の場合

転職活動中で会社勤めをしていない場合は国民健康保険に加入します、そのため国民健康保険控除の対象になります

年末までに就職先が決まらず、年末調整をしない場合には、自分で確定申告をする必要があります。

所得が少なく確定申告が不要な場合は、このケースに該当しません。ですが年初に会社勤めをしていて、退職して就職活動を開始した場合は、国民健康保険に加入します。その場合、国民健康保険の控除の申告が可能です。

会社によっては、一定期間、健康保険を任意継続することができます。該当する年に国民健康保険の保険料を納付していなければ対象になりません。

転職をした場合

転職をしてその年に会社勤めをしていない期間がある場合も、国民健康保険控除の対象です。会社勤めしていない期間に支払った国民健康保険の保険料について、控除を受けることが可能です。

前職の源泉徴収票を転職先の会社に提出し、会社で年末調整をしてくれれば、年末調整の書類に支払った国民健康保険の保険料を記入して控除を受けることができます。

年末調整で申告し忘れてしまった場合には、確定申告することで控除を受けることができます。

無職の場合

無職の場合は、国民健康保険に加入されます。ですが通常、所得がないので、国民健康保険の保険料の控除を手続きは不要です。

しかし、無職の場合には、国民健康保険の軽減制度の適用を受けることが可能です。前年の所得金額が33万円以下であれば、保険料の7割が軽減されるなどの措置があります。覚えておくとよいでしょう。

国民健康保険控除の対象期間

国民健康保険控除の対象期間は、1月1日から12月31日までです。厳密にいえば、年末調整のときはその年の1月1日から12月31日で、確定申告のときは、前年の1月1日から12月31日までです。

納付をしていない場合は控除を受けられない可能性がある

国民健康保険控除は、保険料を納付していないと控除を受けられません。年末調整や確定申告での国民健康保険控除の申請は、納付した保険料に関して控除を申請します。

国民健康保険控除を受けるためには、保険料の納付が必要です。

国民健康保険の控除についてのまとめ

  • 国民健康保険に控除証明書は無い
  • 個人事業主や転職中または転職などの会社勤めしていない人など、国民健康保険の保険料を納付した人が対象
    国民健康保険控除は、社会保険料控除の中の1つ
  • 確定申告をする際に控除証明書や領収書は必要ない
  • ふるさと納税を利用すれば節約につながる
    ご自身の控除額を知りたい方はこちら
    ふるなび:控除額の目安
    さとふる:控除額シミュレーション

せっかくの控除制度ですので、確定申告などで国民健康保険控除を忘れずに申告し、可能な還付を漏れなく受けるようにしましょう。