国民健康保険と社会保険との違い 会社の入退社したときの切り替え手続き

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国民皆保険といって、日本に住んでいる場合は全員が何らかの保険に加入する事が義務付けられています。普段はあまり気にしていない保険ですが、就職や退職を機に保険の切り替え手続きが必要になります。
転職や退職をした場合必ず必要になりますので、手続き忘れが無いようにあらかじめ保険の内容や手続きに必要なものを確認しておきましょう。

国民健康保険とは

国民健康保険とは、主に居住している地方公共団体(市区町村)が運営している保険です。保険料は居住している市区町村に支払う事になります。
主に、国民健康保険に加入するのは次の条件に当てはまらない場合です。

1.勤務先で健康保険に加入している場合。またその扶養家族
2.船員保険に加入している場合。また、その扶養家族
3.国民健康保険組合に加入している場合。また、その世帯家族
4.後期高齢者医療の資格を取得している場合
5.生活保護を受給している場合

上記の条件以外の場合は国民健康保険に加入することになります。

社会保険とは

社会保険と聞くと、会社に所属していると加入できるというイメージを持つ事が多いかもしれませんが、それだけでは不十分です。
社会保険という保険はそもそも存在しません。社会保険とは、健康保険、介護保険、年金保険、雇用保険、労災保険の5つを総称したものです。
介護保険は40歳以上、労災保険は会社が全額負担して加入するため、39歳以下の社会人が給与明細などで目にするのは、健康保険、年金保険、雇用保険の3つとなります。
また、社会保険は、扶養の概念が国民健康保険との大きく異なり、認定範囲内で家族を扶養する事ができ、扶養家族が何人いても保険料は変わりません。
社会保険に加入する条件は以下のようになります。

・会社に勤務している正社員、または正社員の四分の三以上労働をする人。

会社を退職した 国民健康保険への切り替え

会社を退職した場合、退職日の翌日に社会保険の健康保険は喪失となりますので、必ず今まで入っていた保険の切り替え手続きが必要になります。
手続きの方法は主に2つ
・国民健康保険への加入
・社会保険の任意継続

となります。
また、配偶者が会社勤めをしている場合は、配偶者の扶養に入る方法もあります。

国民健康保険に加入する場合は、以下の手続きの方法と必要事項を確認しましょう。

手続きをする場所
居住している市区町村役場・国民健康保険の窓口期限
退職した日から14日以内必要な物
退職日が証明できるもの(資格喪失連絡票など)
身分証明書
印鑑

健康保険の任意継続とは

健康保険の任意継続とは、これまで会社に所属していた社会保険を、退職後も継続できるというものです。
継続には、条件がありますので、退職後も社会保険の継続を希望する場合は必ず確認しておきましょう。

条件
・資格喪失日以前に2か月以上継続して社会保険に加入している
・資格喪失日から20日以内手続きをする場所
協会けんぽの都道府県支部
※手続きは郵送でのやりとりも可能です期限
退職日から20日以内
※20日を過ぎた場合、理由の如何に関わらず手続きが不可となります。

必要書類
健康保険任意継続被保険者資格取得届出所
健康保険被扶養者届(被扶養者が居る場合)

加入期間
最大2年間

喪失資格
・任意継続資格取得から2年経過した場合
・保険料を期限までに納付しなかった場合
・就職などで新たな社会保険に加入した場合
・後期高齢医療資格を取得した場合
・被保険者が死亡した場合

国民健康保険と社会保険の給付内容に違いはありません。
大きな違いは保険料と扶養の概念の有無になります。
任意継続の保険料は退職した時の社会保険の標準報酬月額と居住している都道府県料率をもとに算出され、国民健康保険は居住している市区町村により異なります。
保険を切り替える前にどちらが自分に合った保険かをシミュレーションしてみましょう。

会社に就職した 国民健康保険の脱退手続きのやりかた

転職、就職などで新しい企業に入社した場合、国民健康保険の脱退手続きが必要になります。
会社で加入する社会保険は、会社からの指示で書類の提出をすれば加入できますが、就職するまで加入していた国民健康保険は自動的に脱退できません。
国民健康保険に加入していた場合は、居住している市区町村役場・国民健康保険の窓口に出向き脱退の手続きを行います。

手続きをする場所
居住している市区町村役場・国民健康保険の窓口必要な物
国民健康保険証
新しい社会保険の健康保険証
身分証明書
印鑑

国保脱退手続きの注意点

社会保険に加入する手続きは、会社が行ってくれますが、国民健康保険の脱退手続きは自身で行わなくてはなりません。
万が一脱退手続きを忘れた場合、国民健康保険と社会保険を二重に支払い続けることになります。
国民健康保険の支払いが滞った場合は、保険料未払いの督促状が届く可能性もあります。
万が一国民健康保険と社会保険を二重で加入していた場合も、国民健康保険の手続きを行えばその期間分に支払った保険料は還付されますが、還付されるのは二年前のものまでとなります。
余計な手間や煩雑な手続きを行わない為にも、脱退手続きは早めに行いましょう。

ビジネスにおける督促とは 督促(とくそく)と催促(さいそく)の違い

国民健康保険の切り替えまとめ

外国人であっても1年以上日本に在住している場合は国民健康保険の加入が必須になります。
日本にいる以上、健康保険の加入は必須となりますので、退職や転職のタイミングで忘れる事が無いように必ず手続きをしましょう。

・国民健康保険と社会保険では扶養の扱いが違う
・退職した場合、国民健康保険か社会保険の任意継続を選べる
国民健康保険・・・退職日から14日以内に、居住の市町村役場で手続きを行う
社会保険の任意継続・・・退職日から20日以内に、協会けんぽ都道府県窓口で手続きを行う。
新しい企業に就職した場合・・・市町村役場で国民健康保険の脱退手続きを必ず行う。
・国民健康保険の脱退手続きを行わない場合、社会保険と二重に支払う事になる為注意が必要。