「みなし公務員」を知っていますか?転職活動をする中で「みなし公務員」ということばを見聞きしたことはあっても、どんなものなのか詳しくわかっている人は少ないのではないでしょうか。
そこで今回は、「みなし公務員とはそもそもなに?」「どんな種類があるの?」「給料や福利厚生は?」「副業できないってホント?」といった疑問にお答えします。

みなし公務員とは


みなし公務員とは、民間企業に所属しており、公務員ではないけれども公共性、公益性の高い仕事に就いている人です。

公務員ではないのに「公務員」とついていることに疑問を感じるかも知れませんが、一般的な企業にくらべてとても公共性が高く、それぞれの企業の規定では「公務に従事する職員」とうたわれています。

したがって、みなし公務員は、公務員と同じように公務員法に規定されている一部については守らなくてはいけないとされています。

例えば、郵便法の第74条には次のように記載があります。

第74条(法令により公務に従事する職員とみなす者)
郵便認証司、内容証明の業務に従事する者及び特別送達の業務に従事する者は、刑法 (明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

これに準じ、日本郵便の職員はみなし公務員として扱われることになります。

みなし公務員と準公務員の違い

「みなし公務員」は「準公務員」と呼ばれることもあります。呼び名が違うだけで、「みなし公務員」と「準公務員」は同じものを指しています。

言葉の意味で考えれば、「みなす」は「性質を異にする事物について、法律上これを同一視する」こと、「準ずる」は「ならう。なぞらえる。同等の扱いをする」ことです。ですので、「みなし公務員」「準公務員」のどちらも「公務員と同等とみなす」という意味になります。

みなし公務員に公務員試験はある?

公務員になるには、「国家公務員試験」または「地方公務員試験」を受けて合格しなければなりません。では、みなし公務員になるのに公務員試験の合格は必要なのでしょうか。

みなし公務員は、公務員の呼び名はついていても公務員ではなく民間企業の従業員です。したがって、みなし公務員になるのに公務員試験を受ける必要はありません。それぞれの企業の採用試験に合格すればよいということになりますので、一般の企業へ就職する場合と流れは変わりません。

みなし公務員の種類一覧


みなし公務員とは、民間企業に所属しながらも公共性の高い仕事に就いていて、公務員の規定が一部適用される人をいいます。
では、具体的にはどんな職業の人がみなし公務員とされているのでしょうか。主なものを紹介します。

日本郵便の職員
日本郵便は2007年に民営化されるまでは国営で働く人は公務員でしたが、民営化以降は民間企業となり、職員はみなし公務員として扱われます。
日本銀行役職員
日本銀行は日本銀行法に基づく許可法人で、役職員はみなし公務員とされています。
国立大学職員
国立とつくので職員は公務員だと思う人もいるかも知れませんが、2004年に法人化され国立大学法人となりました。国立大学で働く職員はみなし公務員です。
日本年金機構の役職員
日本年金機構は、公的年金制度の運営を国から任されている組織で、非常に公共性の高い仕事です。役職員はみなし公務員です。
公共インフラ系の職員
電気・ガス・水道・通信など、公共インフラに関わる職業も、公共性の高さからこの仕事に就いている人はみなし公務員とされます。
自動車教習所の技能検定員
少し意外なところでは自動車教習所の技能検定員もみなし公務員です。

このほかに、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の役職員、日本弁護士連合会の会長などもみなし公務員です。

みなし公務員の給料・福利厚生


ここでは、みなし公務員の給料や福利厚生はどうなっているのかを説明していきます。

みなし公務員の給料はどれくらい?

みなし公務員は公務員とは違うため、給料や福利厚生は所属する企業の規定によって決まります

参考として、国家公務員の給料と、みなし公務員とされる日本銀行、日本郵政の初任給を比較してみました。

国家公務員:大卒総合職 232,849円
日本銀行:大卒総合職 208,710円
日本郵政:大卒総合職(IT技術系) 212,500円~238,000円

参考(2022.2.5現在)
国家公務員の給与
日本銀行採用情報
マイナビ日本郵政募集ページ

このほかに手当やボーナスも各社の規定に沿って支給されます。

みなし公務員の働く企業は公共性が高いだけあって安定しており、倒産などのリスクも低くなっています。生涯を通して安定的な収入を得やすいと考えてよいのではないでしょうか。

みなし公務員の福利厚生の特徴

みなし公務員は、各種手当といったボーナスや賞与が充実している傾向にあります。公共性が高い仕事のため景気やトレンドに業績が大きく左右されることがなく、昇給がない、ボーナスが支払われないといった心配も少ないでしょう。

また、産休、育休、ほか有給休暇などの制度も整っている企業が多いのも安心できるポイントのひとつです。

労働者が労働条件や給料などに不満を持ったとき、労働をストップして雇用側に抗議をするストライキという手段があります。これは労働者の権利として認められているものですが、公務員のストライキは禁止されています。同様に、みなし公務員もストライキをすることはできません

郵便が止まる、電気・ガス・水道などの公共インフラが止まるという事態になれば、国全体に大きな影響を及ぼすためです。それだけ、みなし公務員はそれだけ日本にとって欠かせない職業だということです。ストライキは禁止されていますが、その分、福利厚生は充実しています。

みなし公務員は副業OK?

公務員は副業が禁止されているというのを聞いたことがある人も多いと思いますが、みなし公務員も公務員と同様に、原則として副業を行うことは禁止されています。

パーソル総合研究の2021年の調査によれば、全体の55%の企業で従業員の副業を容認しているという結果が出ています。全体として副業容認の流れが大きくなっていますが、みなし公務員はそうではないことは覚えておきましょう。

ただし、小規模な不動産投資や株式投資は認められているケースも多いですし、作家活動は趣味の一部として許可されることもあります。
大事なのは「これは副業に該当するかな?」と思ったら、始める前に勤務先に確認をとることです。

みなし公務員の接待・贈答は禁止

忘年会 挨拶
公務員は公共性の高い仕事に就いていることから、接待・贈答は規定により禁止されています。みなし公務員も公務員と同様に、接待・贈答に関わることはできません

接待・贈答は、受け取ったみなし公務員側だけでなく、提供した側も罪に問われます。したがって、みなし公務員を相手に、仕事に関わる接待や贈り物をしないように気を付けなくてはなりません。

ちょっとしたプレゼントや手土産を送ったり受け取ったりすることが贈収賄と判断されることもありますから、注意が必要です。

一般企業では取引先の人に食事をごちそうしたり、お中元やお歳暮を贈ることが慣習となっていることも多いでしょう。しかし、みなし公務員がこれらのことを行うのはNGですし、みなし公務員相手に行ってもいけないのです。
もし行った場合は、刑法197条・198条の贈賄罪にあたり、罰せられる可能性があります。

ただし、接待や贈答が禁止されているのは仕事上の付き合いにおいてなので、プライベートの友人として食事をおごったりプレゼントを渡す分には問題にはなりません。

みなし公務員は副業が思うようにできなかったり接待や贈与が禁止されているなど、一般の企業に比べると窮屈に感じることがあるかも知れません。
しかし、公共性の高い仕事に就いている以上は守らなくてはいけないルールです。

厳しい規定がある一方で、業績が安定している、倒産の危険性が低いも、給料や福利厚生が充実しているといった一般企業にはないよい点もあります。また、安定性だけでなく、日本になくてはならない職務に従事しているというやりがいもあります。

まとめ この記事のおさらい

  • みなし公務員は準公務員とも呼ばれ、公務員ではないけれども公共性、公益性の高い仕事に就いている人です。
  • みなし公務員の働く場は民間企業なので、みなし公務員になるのに公務員試験の合格は必要ありません。
  • みなし公務員に該当するのは、「日本郵便の職員」「日本銀行役職員」「国立大学職員」「公共インフラ系の職員」「自動車教習所の技能検定員」などです。
  • みなし公務員は給料や福利厚生が充実している傾向があります。また、倒産や業績悪化のリスクが低く安定しています。
  • みなし公務員は公共性の高い職業のため、副業、接待・贈答、ストライキなどが禁止されています。

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