この記事では、「書道家」の仕事内容や有名書道家、年収、勤務体系や将来性、勤務場所などについて考察します。

筆と墨を使って独自の文字をつくりだす「書道」。まさに、日本文化を象徴する芸術で、日本国内だけでなく海外からも注目を浴びています。そんな芸術作品を生み出すのが、「書道家」です。

では、この「書道家」とは、具体的にどのような仕事をするのでしょうか?この記事を通して、「書道家」に関する知識を深め、仕事選びの参考にしてください。

書道家とは

渾身
「書道家」とは、書道の技術を身につけ自分で書いた作品を販売したり、書道を教えるプロのことです。

書道の歴史は古く、弥生時代に中国から漢字が伝わり、飛鳥時代や奈良時代になると仏教の伝来とともに「写経」が広く行われるようになりました。さらに、平安時代になるとひらがなが誕生し、やわらかい書風が台頭。書道が芸術として確立されたのです。

その後、書道は武士や貴族の重要な教養として広がり、江戸時代になると庶民も手習いとして筆をとるようになり、多くの書道家が誕生しました。

このように歴史ある書道家ですが、現在は、どのような仕事をしているのでしょうか?

書道家の仕事内容


美しい文字や個性的で芸術的な文字を書く書道家ですが、その仕事の在り方にはさまざまなパターンがあります。

作品を作って販売する

芸術性の高い作品なら、個展を開き販売することも可能です。しかし、全くの無名では人が集まる可能性は少ないでしょう。まずは、展覧会やコンクールなどに出品することから始まります。

特に、コンクールで賞をとれば、知名度は上がります。また、「書家の登竜門」と言われる大きなコンクールで優勝すれば、一躍注目を浴び、作品の価値も大きく値が上がるでしょう。

企業や個人から題字・ロゴなどの依頼を受ける(商業書道家)

広告業界やデザイン業界では、個性的な筆文字を使うことが多くなっています。デジタルにも「筆文字」はありますが、実際に作成した書のようなインパクトはありません。このような仕事を請け負うのも書道家の仕事です。

広告会社やデザイン会社、企業から依頼を受け、ロゴなどを作成します。また、書物などの題字やテレビドラマや映画などのタイトルなどの仕事もあります。最近は、クラウドソーシングなどで企業だけでなく個人から依頼されるケースも多いようです。

書道教室や学校で書道を教える

書道を教えるのも書道家の仕事です。個人の作品づくりをしながら、書道を教えている書道も少なくありません。また、学校で書道を教えている人もいます。この場合、小中学校では国語の教員免許が、高校では書道の教員免許が必要になります。

個人で書道教室を開いて近隣の人々に教えている人もいますが、個人で生徒を集めるのは大変です。一般的には、書道の流派に所属して、師範に認定されて教室を開く方が有利と言われています。また、流派が開催している書道教室の講師として教えることも可能です。

書道家の有名な人

うろ覚え
書道家の中には、テレビや雑誌で紹介されたり、タレントとしても注目を浴びている有名人もいます。その中から代表的な書道家をピックアップして紹介します。

男性の書道家

武田 双雲(たけだそううん)

書道に詳しくない人でも、武田双雲さんの名前は聞いたことがあるはずです。6歳から書道を始め、22歳で師範の資格を取得、大手企業に就職したものの2年半で退社し、書道家として独立しました。

NHKの大河ドラマ「天地人」の題字やバスクリン「日本の名湯」のロゴ、明治神宮前駅の「希望」というパブリックアートなど、インパクトある作品を次々と生み出しています。

東宮 たくみ(とうぐうたくみ)

東宮たくみさんは、5歳から書道を始め東京学芸大学で書道を専門に学びました。テレビ番組の掛け軸の文字や再現VTRに使われる毛筆の文字などを担当。バラエティ番組などにも出演し注目を浴びています。

また、「東宮たくみ書道教室」を銀座に開業。3000人以上の人々が受講しています。

相田 みつを(あいだ みつお)

まさに書道パフォーマンスの先駆者と言えるのが相田みつをさんです。書道家というよりも詩人というイメージが強いですが、実は、30代で毎日書道展において7連続入選を遂げている秀逸な書道家です。

60歳で出版した詩集「にんげんだもの」は大ヒットし、多くの人々に感動を与えました。大正、昭和、平成を生き抜いた「書の詩人」で、今もなお多くの人々に愛されています。

女性の書道家

矢部 澄翔(やべちょうしょう)

書道を舞台芸術に昇華させた「書道パフォーマンス」で有名な矢部澄翔さん。22歳で師範資格を取得後、8年間会社員として過ごした後に書道家として独立しました。東京書作展で2年連続受賞。2009年には、中国で開催された記念展で最高賞を受賞しました。

「伝統☓革新」をテーマに、書道パフォーマンスなどの活動で、国内だけでなく世界中を飛び回っています。

原 愛梨(はらあいり)

書道と絵が融合した独特の書道アートで注目されている原愛梨さん。2歳から書道を始め、8歳の時、史上最年少で文部科学大臣を受賞しました。大学卒業後、銀行に就職しましたが、1年で退職。書道家への道を歩み始めました。

若者に書道の良さを知ってもらいたいという気持ちから、タレントとして活動することを決意し、タレント事務所に所属。歴史上の人物やスポーツ選手、日本昔話、動物、ことわざなどさまざまな素材を扱った書道アートを提供しています。

紫舟(ししゅう)

幼少の頃から日本舞踊や書を学び、小学生で8段を取得した紫舟さん。その作品は日本の伝統文化である「書」を現代アートに昇華させ、世界中で称賛されています。2017年には平成天皇皇后両陛下が、「紫舟展」をご覧になられました。

紫舟の作品は、日本政府関係や企業、テレビや映画など幅広いジャンルに提供されています。また、ニューヨークで開催された和楽器バンドの即興演奏とのコラボは、大きな反響を得ています。

書道家になるには


では、書道家になるには、どうすれば良いのでしょうか?

いずれかの流派に所属し、書道の腕を磨く

日本の伝統文化である書道には、江戸時代からさまざまな流派がありました。多くの書道教室もいずれかの流派に所属しています。ですから、書道家になるにはいずれかの流派に所属して、自分の腕を磨くことから始まります。

流派によって、筆の運び方や文字の配置など表現方法が異なるので、自分が表現したいものに近い流派を選ぶことも大切です。

それぞれの流派で交付される「師範」の資格を目指す

流派で学び、流派の段位を取得していきます。その最高位が「師範」になります。師範に認定されれば、その流派の看板を背負って書道教室を開くことも可能になります。ですから、まずは、師範を目差して技術を磨いていくことが大切です。

「流派」に所属すると言いましたが、現在は、流派を超えた「会派」が主流になっています。「日本書道教育学会」や「全日本書道連盟」など、約10の会派があり、それぞれ独自の師範認定試験を実施しています。

基本的には、流派が所属する会派の認定試験を受けるようになっています。

書道家に学歴は関係ない

書道家に必要なのは、あくまでも書の技能です。資格や学歴などは必要ありません。但し、書道に関する知識は必要になるので、しっかりと学ばなければ、師範にはなれません。書道家として教室を開くのには学歴は関係ありませんが、学校で書道を教える場合は異なります。

小中学校では、国語の教員免許が、高校では書道の教員免許が必要になることを忘れないでください。

書道家の給料・年収


書道家の給料や年収は、フリーランスや勤務先などによって大きな違いがあります。世界的にも注目されている書道家や多くの教室を経営している人気の書道家なら、1000万円以上の年収は可能ですが、そのような人はほんの一握りです。

書道家の平均年収は、200万円~250万円が相場のようで、一般的な職業よりも少なくなります。個人で書道教室を開いている場合は、当然生徒さんの数によって差が出ます。月謝3000円で50人なら15万円。知名度があれば、当然月謝も高くなり、人数も多くなります。

小中学校の書道の先生として勤務する場合は、その学校の規定によります。公立の学校であれば公務員になるので、生活は安定しますね。高校の場合は、常勤か非常勤によって収入も異なります。非常勤の場合は、一コマいくらという条件になるので、アルバイトぐらいと考えた方が良いでしょう。

書道家の勤務体系と休日

やる気が出ない
書道家の勤務体系や休日に関しても、人それぞれです。フリーランスなら、仕事があれば時間も休日も関係ありません。納期のある仕事なら、当然徹夜をしても仕上げなければなりません。

個人の書道教室の場合は、休日や時間は自分で設定することができるので、予定はつくりやすくなります。自分の作品づくりや企業や個人から受注したものの作業に当てるなどプラスアルファの収入のために時間をつくることも可能です。

学校や書道教室に勤務する場合は、それぞれの勤務体系に準じて仕事をおこないます。

書道家の将来性

ハロー効果
昔は、多くの子供たちがそろばん塾や書道教室に通っていましたが、今は学校の授業で習うぐらいで、書道に触れる機会はほとんどなくなっています。少子高齢化の影響もあり、書道教室は年々その数を減少させているのが現実です。

そう現状から判断すると、書道の将来性は暗く感じられますが、海外では日本の書道文化が注目されています。日本の漢字を書いたTシャツは外国人に人気なのはテレビなどでも紹介されていますが、アートとしての書道も人気になっています。

海外の人にとって、書道は日本文化を代表する「書道アート」として認知され、モノクロの独特な書は、魅力的なデザインとして取り入れられているのです。また、その流れは、国内にも出てきました。

デジタルでは表現できない独特の毛筆は、インパクトのある表現として、企業のロゴや商品名、題字などさまざまなジャンルで活用されています。書道家の在り方も時代と共に変化し、新しいタイプの書道家たちが今後も増えていくことでしょう。

書道家が主に勤める場所

アクチュアリー
看護師や会計士のように、書道家は専門職ではないので、特定の職場はありません。主婦の傍ら書道教室を開いたり、フリーでデザインの仕事を請け負ったり、仕事の形態はさまざまです。

勤務する場所としては、小中学校の国語の先生や高校の習字の先生というポジションがあります。また、有名な先生が開催する書道教室の講師という勤め方もありますが、求人は少ないのが現実です。

但し、広告会社やデザイン会社などでは、書道の能力は就職に有利になる可能はあります。また、毛筆で書くことが多い冠婚葬祭関係の会社やアパレル業界にも書道家のニーズは考えられます。

まとめ この記事のおさらい

・「書道家」とは、書道の技術を身につけ自分で書いた作品を販売したり、書道を教えるプロのこと。
・書道家の仕事内容には、「作品を作って販売する」「企業や個人から題字・ロゴなどの依頼を受ける」「書道教室や学校で書道を教える」などがあります。
・有名な書道家には、「武田双雲」「東宮たくみ」「相田みつお」「矢部澄翔」「原愛梨」「紫舟」「涼風花」などがいます。

・書道家になるには、資格や学歴は関係ないが、流派に属し、師範の資格を取得することが大切。
・書道家の平均年収は、200万円~250万円。1000万円を超える人もいる。
・書道家の勤務体系と休日もフリーランスは不規則、所属している人は基準による。
・書道教室は減少していますが、書道アートとしての将来性は期待できます。
・書道家の多くは個人で書道教室などを運営していますが、学校で書道を教えたり、書道の能力を必要としている企業もあります。

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