※本サイトはプロモーションを含んでいます。
ここでは「お察し」という言葉の意味や「お察しします」という表現の正しい使い方、いい換えられる類語や例文を紹介していきます。
また以下では似た意味の「お心遣い」について解説しています、この記事と合わせて上手に使い分けられるようになりましょう。
感謝の言葉「お心遣い」の使い方と類義語「お気遣い」との違いとは?
「お察し」の意味とはなにか?
実用日本語表現辞典では、「お察し」の意味を以下の様に解説しています。
「お察し」:「明示されるまでもなく推測して、了解することを意味する表現」
つまり、相手の気持を推測したり、自分の気持を推測してもらいたいときに使う語句です。また、相手の気持に同情するニュアンスも含まれているでしょう。
「察する」は、日本的独特の表現
「察する」という言葉は、とても日本的です。英語では、「guess」や「imagine」などの単語はありますが、「推測」や「想像」するという意味合いです。気持の状態のよし悪しには関係なく、あくまでも動詞としての意味しかありません。
「お気持をお察しします」という日本語を英訳する場合は、「I know how you feel」だけでは不十分です。「I know how terrible you feel」のように状況によって形容詞を追加しないと的確な表現にはなりません。
「お察し」と「ご察し」どちらが正しい?
「お察し」の「お」を漢字にすると、丁寧な表現の「御」がつきます。本来であれば「御」は、音読みの単語につけた時には漢語に付属するので「ご」、訓読みの単語なら和語になるので「お」と読むというルールがあります。
ですから、「御察し」は「ご察し」と読むのが正しいといえます。
しかし、今では「お察し」が一般的に使われているので、「ご察し」ではなく「お察し」を使うのが無難でしょう。
「察する文化」ともいわれるように、「お察し」には、曖昧な日本独特の意味合いが込められています。この曖昧さを理解しないと、間違った使い方をしてしまうので注意が必要です。
「お察し」は相手の苦労や不幸をいたわる意味に使う
「お察し」の表現で使われるのが、「心中お察しします」や「ご心労お察しします」です。
この場合、「心中」は、「心労」と同じように、心配事や精神的にダメージを受けている状態のことです。相手に身内の不幸や仕事上での苦労などがあった場合に使うのが一般的です。
また以下では相手をいたわる場面の注意点について解説しています、この記事と合わせて上手に相手を思いやれるようになりましょう。
お大事に・お大事にしてくださいのビジネスシーンでの使い方・例文集
ビジネスでのお見舞いメールのポイント3つと上司などへの文例5選
「思いやり」とは何か、思いやりのない人の特徴や改善方法を解説
「慈悲深い」人の特徴と「慈悲深い」人から見習うべきポイント
目上の方に使う際は注意する
手紙などの冒頭に使える表現ですが、相手が微妙な精神状態のときなので、相手の性格や状況を考慮して使うようにしましょう。特に目上の人には注意を払うことが大切です。「お前に私の気持がわかるのか!」と怒りを買ってしまう場合もあります。
相手から直接状況を聞いた場合などに使う言葉で、第三者から話を聞いたからといって使うのは失礼にあたります。注意しましょう。
また、親しい間柄では畏まりすぎてしまうので、「ご心労が絶えませんね」程度の表現の方がよいでしょう。
「お察しください」という場合は、「自分の悪い状況を推測してください」という意味になり、相手に理解を求める表現になります。
「お察し」を使った例文
以下では、「お察し」を使った例文をご紹介します。
「お察し」の類語は?
「お察し」の類語に、「賢察」と「拝察」があります。
「賢察」は、「どうかお察し下さい」と同じ意味の敬語表現です。「ご賢察ください」のように「ご」をつけるのが一般的です。「拝察」は、「情報に基づいて推測する」ことで、自分をへりくだった敬語表現です。
「お察し」や「賢察」は、相手の気持を推測したり、自分の気持を推測してもらう場合に使いますが、「拝察」は、自分が推測する場合に使います。
「賢察」の使い方
「賢察」は、「ご賢察ください」と使い、「どうかお察しください」という意味です。
親しい人には、「お察しください」でも構いませんが、目上の人や上司に、自分の窮状などを理解してもらいたい場合には、「賢察」を使います。
また、仕事上などで、丁重にお断りする場合などにもよく使われる表現です。
「賢察」と似たような表現で「ご高配」があります。「ご高配」は、「ご配慮」の意味で、目上の人や上司に配慮していただいた時に「ご高配を賜り」と使います。
「ご賢察」も「ご高配」もかなり畏まった表現です。相手によっては「軽くみられている」と感じることもあるので使い方には注意してください。「ご賢察」は、自分が特別に敬いたい人に使うのがよいでしょう。また、高名な学者や有識者に対して意見などを求める際にもオススメです。
「賢察」の例文
「拝察」の使い方
「拝察」は、「拝察する」や「拝察します」というように使います。相手の気持を推察する場合や相手の状況を推察する場合に使うへりくだった敬語表現ですから、「ご多忙のこととご拝察します」と、「ご」をつけるのは間違いです。
「拝」自体に敬意が含まれているので、過剰な敬語になってしまいます。
「拝察」の同義語は、「思う」「考える」「察する」「推測」「推量」です。また、「拝察」のようにへりくだった表現には、「恐察」がありますが、「君上のご心中も恐察たてまつり候」など、時代がかった表現に使われる言葉なので、現代ではあまり使うことはありません。
へりくだった表現としては「拝察する」を使うのが一般的です。「拝察」は、かなり畏まった表現なので、役所の文書や式典などの公式文書に使われることが多くなっています。
「拝察」の例文
「お察し」の英語表現
先に紹介したように、「お察し」は日本語独特の表現なので、英語表現にするにはシーンに合わせて表現を変えるのがいいでしょう。
ビジネスメールなどでもよく使う表現、「心中お察しします」は、”I understand how you feel.”が一般的に使われる表現といえます。
不幸に対して同情のニュアンスを含んで「お察しします」というときには、”I deeply sympathize with you in your grief”など”sympathize with”(人に同情する、気の毒に思う)を使うこともできるでしょう。”My thoughts are with you.”もよく使われる表現のひとつです。
「お察し」の意味や類語についてのまとめ
- 「お察し」は、使い方次第では相手に対して失礼になる場合もあるので、相手との関係や相手の事情をよく見極めて使うことが大切です。
- また、「賢察」や「拝察」のように最上級の表現は、ビジネス文書などにおいて効果的な場合もあります。きちんと使い方を理解して正しく使ってください。