買い物などで、「恐れ入りますが、○○していただけるでしょうか?」と店員さんにいわれたことはあるでしょう。「恐れ入りますが」は、日常でもよく使われる表現ですがここでは、ビジネスシーンに焦点をおいた、「恐れ入りますが」の意味や使い方について考えてみます。

「恐れ入りますが」は、「クッション言葉」

「緩衝言葉」とは、コミュニケーションを円滑にするための、いわば「クッション」のような役割をする言葉です。

目上の方や上司に対して、「○○して下さい」とお願い事をするのは失礼にあたります。このような時に、「恐れ入りますが、○○をしていただけるでしょうか?」ということができれば、ビジネスマンとしては合格です。

「恐れ入りますが」の意味

「恐れ入ります」の「恐れは」、「あなたを恐れている」という意味から、「あなたにはかなわない」という意味に発展したものです。つまり、相手に対してへりくだった言い方でもあります。この言葉をつけることで、相手の機嫌を損なわずにお願い事を申し出ることが可能になるのです。

「恐れ入りますが」には、「申し訳ない」という意味合いを含んでいます。目上の人やお客様に対して「申し訳ない」という気持を込めて、お願いをする時に使う言葉です。ビジネスでの頼みごとなどには、このクッション言葉は重要になるので、正しい使い方を覚えることが大切です。

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「恐れ入りますが」の使い方

「恐れ入りますが」の使い方には、主に3つの使い方があります。

お願い・依頼する時の「恐れ入りますが」

もっとも一般的な使い方は、お願いや依頼の文章の前に「恐れ入りますが」をつけるでしょう。
「恐れ入りますが、こちらの書類を再度ご確認いただけませんか?」などと使えます。

何かをたずねる時の「恐れ入りますが」

いきなり何かを質問するよりも、「恐れ入りますが」の一言をおくことで丁寧なニュアンスになります。
「恐れ入りますが、お手すきでしょうか?」など聞くことができます。

感謝を伝える「恐れ入ります」

感謝の気持ちで恐縮するほどというニュアンスで、「恐れ入ります」とお礼の言葉とすることもできます。
「お手伝いいただき、ありがとうございます」と同じ意味で「お手伝いいただき、恐れ入ります」などといえます。

「恐れ入りますが」の類義語

「恐れ入りますが」の類義語としては、「すみませんが」や「申し訳ありませんが」があります。「すみませんが」は、日常の会話でも使いますが、ビジネスで使う表現としては軽い印象になります。目上の人やお客様には「恐れ入りますが」や「申し訳ありませんが」を使うのが失礼のない表現になります。

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「申し訳ございません」「申し訳ありません」の違いと正しい使い方

「恐れ入りますが」のかしこまった言い方に、「恐縮ですが」があります。相手によっては、「恐縮ですが」の方がより印象が良く取られる場合もあるので、ビジネス文などでは上手に使い分けることも大切です。
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「申し訳ありませんが」との違い

「恐れ入りますが」と同じようにクッション言葉としてよく使われるのが「申し訳ありませんが」です。似たような言葉なので混同しやすいですが、この2つには大きな違いがあります。

「申し訳ありませんが」は、丁寧に謝罪をいう場合に使う敬語です。「申し訳ありませんが、○○は席を外しております」のように相手に迷惑や不都合がある場合に使います。より丁寧な言い方としては「申し訳ございませんが」がありますが、「申し訳ありません」を使いケースの方が多いようです。

「恐れ入りますが」は、こちらには非がなくて相手に対して何かをお願いする場合に使います。つまり、自分の行動に対しては、「恐れ入りますが」を使うのは誤りです。

また、「申し訳ありませんが」と同じようにお詫びの意味を込めたクッション言葉に、「お手数をおかけしますが」があります。相手に対して行動をお願いする意味が強くなる表現で、ビジネスシーンではよく使用します。「お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします」のように汎用性の広いものなので、覚えておくと便利です。

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感謝の気持なら素直に「ありがとうございます」

クッション言葉でなく文末に「恐れ入ります」をつける場合は、目上の人などに対しての感謝や謝罪の意味合いがあります。「先日は過分なおもてなし、誠に恐れ入ります」のように、感謝を伝えるもので、「恐縮です」に似た表現でもあります。

ビジネス文などで感謝の気持を表すために「恐れ入ります」を使っても誤りではありません。しかし、表現としては堅苦しい部分もあるので、ストレートに感謝の気持を伝えるのなら、「ありがとうございます」の方が、相手にも気持が伝わります。

ビジネス文においても、かしこまった表現よりも素直な気持を伝えた方が効果的な場合もあるので、相手との関係を考えながら上手に使うようにしましょう。

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「恐れ入りますが」の使い方と例文

「恐れ入りますが」は、目上の人やお客様に対してお願いする言葉です。「○○していただけますか?」とクッション言葉をつけずにストレートに表現すると、不快に感じる人もいます。相手の立場を考慮して正しく使うことが大切です。

「恐れ入りますが」の例文

ご多忙中恐れ入りますが、何卒ご出席くださいますようお願い申し上げます。
急なお願い事で恐れ入りますが、ご協力いただければ幸いです。
恐れ入りますが、○○部長のご意見をお伺いしていただけるでしょうか?
恐れ入りますが、使用例を参考にしていただけるでしょうか?
恐れ入りますが、先日の書籍の出版コードをお教えいただけるでしょうか?
お忙しいところ恐れ入りますが、ご検討のほどよろしくお願いいたします。

「恐れ入りますが」の誤用例文

恐れ入りますが、後ほどご連絡をしてもよろしいでしょうか?
恐れ入りますが、正しい使い方は以下の通りです。

「恐れ入りますが」は、相手にお願いする場合に使う表現であるということを忘れないで下さい。

「恐れ入りますが」類語の例文

「恐れ入りますが」のようにクッション言葉を使った「申し訳ありませんが」や「恐縮ですが」、「お手数ですが」の例文をいくつか紹介します。

申し訳ありませんが、○○の件ご確認していただけるでしょうか?
申し訳ありませんが、ご連絡先をお伺いしてよろしいでしょうか?
お手数をおかけしますが、○○の資料をお送りいただけると幸いです。
恐縮ですが、今回の案件は見送りとさせていただきます。
恐縮ですが、ご署名・ご捺印の上、返送願います。
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「恐れ入りますが」の英語表現

「恐れ入りますが」の英語表現は、その後に続く文章でかわってくるでしょう。
その中でも、ビジネスシーンで使いやすい「恐れ入りますが」の英語表現は、「~していただけると大変ありがたい
というニュアンスで、”I would appreciate it if you could…”があります。
また、より恐縮のニュアンスを強調するなら、”I would be very much obliged if you could …”ともいえるでしょう。
会話では、”If it’s not too much to ask, could you…..?”や”I’m sorry to ask you this, but could you….?”などとややカジュアルな表現もするでしょう。

急なお願い事で恐れ入りますが、ご協力いただければ幸いです。
I would appreciate it if you could cooperate with me on this argent matter.

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