ビジネスマンにとって正しい敬語が使えるかどうかは評価の基準にもなる重要な要素です。日常的に使っている言い回しでも、ビジネスレターでの表現としては相応しくないものも少なくありません。今回は、「ありがとう」等の感謝を伝えるビジネスでのお礼の敬語表現について考えてみます。

4つの「ありがとうございます」

私たちが「ありがとうございます」を敬語表現する場合、大きく以下の4つが考えられます。

・どうもありがとうございます。
・本当にありがとうございます。
・まことにありがとうございます。
・大変ありがとうございます。

「どうもありがとうございます」を日常的に使っている人も多いはずです。中には「どうも」と挨拶代わりに使うことがありますが、「どうも」は敬語としては軽い感じがします。口頭で「どうもありがとうございます」というのは構いませんが、ビジネスレターなどに書く文章としては避けた方が良いでしょう。日常会話にも「どうも」だけでは正しい使い方ではありません。「どうもすみません」「どうも苦手だ」など動詞や形容詞につけて使うのが正しい日本語です。

「まことに」「本当に」「大変」は敬語としては間違ってはいません。ビジネス文書で使う場合には注意した方が良いものもあります。それぞれの違いを知ることが大切です。

「まことに」は漢字は使わないのか?

辞書で「まことに」を調べると「誠に・真に・実に」の3つの漢字が表示されます。「誠にありがとうございます」は、普段みなれた表現ですが、「真にありがとうございます」や「実にありがとうございます」はあまり見かけないでしょう。「真に」も「実に」も間違いではありません。レポートや論文に使用する研究者もいます。

「誠に」は正しい敬語です。ビジネスレターに「誠にありがとうございます」と書くのは問題はありません。

では「まことに」のひらがな表示はどうなのでしょうか?これは諸説色々あります。元来、「誠に」は「誠実」「誠心」などの意味はあり「誠心誠意ありがとうございます」という意味になるので「誠にありがとうございます」という使い方は相応しくないという意見です。
厳密に考えればそうかもしれませんが、多くの例文でも「誠にありがとうございます」が使われています。「誠に」には「心底から」と言う意味合いがあり、「まことに」のひらがな表現では、全てがひらがなになってしますので、くだけた印象になってしまうという理由から使用されています。親しい方の礼状には「ひらがな」、上司や尊敬する人には「漢字」と使い分けても良いでしょう。

「本当にありがとうございます」はアリ?

この表現も日常生活では良く使いますよね。「この度は本当にありがとうございます」とお世話になる方への挨拶に使う常套句と言えるものです。では、「誠にありがとうございます」との違いは何でしょうか?

英語では「本当に」が「really」、「誠に」が「sincerely」になります。つまりreallyの方が日常の会話には使われることばですが、sincerely はあまり使われません。日本語の「誠に」もかなり大きなミスをしてお客様に「誠に申し訳ありません」などと平身低頭して謝罪する時ぐらいにしか使わないでしょう。あくまでもビジネスレターなど文章として心から感謝する場合に「誠にありがとうございます」を使います。

口癖で「本当に」を使ってしまう人もいるはずです。しかし、「本当にありがとうございます」は、ビジネスでは使わない方が無難です。

「大変ありがとうございます」は使えるか?

「大変」は「程度のはげしいさま」をあらわす副詞で、「非常に」「たいそう」などの意味もあります。一般的には、「大変失礼しました」「大変おもしろい」などと使います。

「大変ありがとうござます」は、「非常にありがとうございます」という「ありがとうございます」を強調していますが、「誠に」のように心がこもった言い方にはありません。お世話になった方には、やはり「誠にありがとうございます」という敬語で書いた方が良いでしょう。「大変」も強調の意味だから使っても良いという意見の人もいますが、ビジネスレターとしては、軽い印象を与えてしまいます。

これならビジネスで使える!お礼の例文集

「誠にありがとうございます」以外にも、ビジネスで使える「ありがとうございます」は色々あります。ここでは、状況に合わせた「ありがとうございます」の例文をご紹介します。

仕事などで気を遣ってもらった時
「ご配慮ありがとうございます」
仕事の予定などを変更して協力していただいた時
「ご調整ありがとうございます」
忙しい方に時間を作ってもらった時
「お時間をいただきありがとうございます。」
一般的なことを教えてもらった時
「ご教示ありがとうございます」
指導者から専門的なことを教えてもらった時
「ご教授ありがとうございます」

この他にも「ありがとうございます」につく言葉は数多くあります。また、「ご教授」と「ご教示」のように区別しづらいものは、まずは「お教えいただきありがとうございます」というような表現から入るのも賢い選択です。

また、「ありがとうございます」を使わなくても感謝の気持は伝えられます。

「素晴らしいご提案をいただき感謝申し上げます」
「平素格別なるご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます」
「思いもかけずお褒めの言葉をいただき恐縮です」
「おかげさまで○○の件は無事終了いたしました」

など、様々な表現もあります。状況に応じて使い分けて下さい。

まとめ

日本の敬語には「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」など状況や相手によって様々な使い方があります。日常的な会話ではあまり問題を感じることはないでしょうが、仕事上では上司やビジネスレターなどで敬語を正しく使えるかどうかで個人の評価も変化していきます。ビジネスマンとしてキャリアアップを目指すならば、正しい敬語の使い方は学んでおきたいですね。

ドコイクで学ぶ!ビジネス用語

ビジネス用語・カタカナ語 一覧まとめ

心理統計学から自己分析ができる! Future Finder