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「留意」という言葉について解説。「留意」とは、主に政治や行政、ビジネスなど社会的重要度が高い場面で用いられる言葉です。注意すべきポイントを「留意」で言い換えることで、失礼にならないよう共有する表現です。「注意する」と比べると弱い表現で、「覚えておいてください」程度の近いニュアンスになります。
「留意」の正しい意味や使い方、語源や類義語・対義語、英語表現について幅広い知識を得ることができます。
「留意」の読み方・意味・使い方
「留意」は「りゅうい」と読みます。意味は、ある物事について心にとどめること、注意すべきポイントを心にとどめて気をつけること。一般的には、ルールや規定などに抵触しないように注意を促す目的で使うことが多い言葉です。
「留意」の語源
「留意」は漢字の「留」と「意」を合わせた熟語です。故事成語ではありませんので、語源となる文献や出典などは明らかではありません。そこで漢字の「留」と「意」それぞれの成り立ちについて解説します。
まず「留」は「とどまる」「とめる」を意味する漢字で、音読みは「リュウ」「ル」。訓読みでは「とめる」「とまる」と読みます。ちなみに「る」というひらがなは「留」の草書体が変化したもの。「留意」以外の熟語には「留年」「留置」「書留(かきとめ)」などがあります。
次に「意」という漢字は、「音」の下に「心」を合わせた会意文字で、「音=言葉」を聞いて「心」で理解する、という意味をあらわします。そこから転じて「気持ち」や「考え」を表す文字となりました。
同じ「気を付ける」でも「留意」と「注意」の違い
「留意」と同じく「気をつける」という意味の言葉に「注意」があります。では「留意」と「注意」の意味と用法にはどんな違いがあるのでしょうか。
まず「留意」とは、前述のように注意すべきルールや規定などを「心にとめる」ことを意味する言葉です。
たとえば上司が部下に「留意せよ」というと、「決して忘れるな」「厳重に注意せよ」というような強い指示や命令ではなく、「念のため気をつけるように心がけてください」という程度の比較的軽いニュアンスになります。
一方、「注意」の意味は 「問題を起こさないように警戒すること」「気をつけるように忠告すること」。「留意」よりも警戒レベルがワンランク高く、「じゅうぶん気をつけるように通達する」というニュアンスになります。
また「注意」には「自分自身が注意すること」と「誰かに注意をうながすこと」というふたつの用法があることも「留意」との違いです。たとえず「失敗しないように注意する」といえば、「自分自身が注意する」という意味になります。
そうでない場合は、誤解を避けるため「失敗しないよう部下に注意する」というように注意の対象を目的語として付加するのが基本です。
一方、「留意する」の対象は自分自身となるのが基本。「けがをしないよう部下に留意する」という用法は成立しません。そこで「留意」の対象を部下にする場合は、「失敗しないよう部下に留意させる」または「部下に留意を促す」といった言い回しになります。
「留意」のビジネス上での使い方
ビジネス上で「留意」を使う場合、まず会話では前述の「留意する」の敬語表現として「ご留意くださいますようお願い申し上げます」「ご留意いただきたく存じ上げます」などの言い回しを用いるのが一般的です。
一方、留意をうながされた側は「かしこまりました。留意いたします」「了解しました。留意します」などと返答します。ここで気をつけたいのは「留意」のニュアンスは「注意」ほど強くないことです。
誰かに「留意してください」と言われて、「留意します」と答えるだけでは、「やる気があるのか」と疑われてしまう可能性も。そこで「じゅうぶん留意いたします」「しかと留意しておきます」と留意に意思を強調すれば、相手も安心してくれることでしょう。
「留意点」「留意事項」の意味と例文
近年では商品などの注意書きを「留意点」「留意事項」などと表記するケースが増えています。ある銀行の告知事項には「ご留意いただきたい点」という表現も見られます。この「留意点」や「留意事項」にはどのような意味があるのでしょうか。
まず「留意点」は、「特に気をつけたい点」「心に留めておくべき問題」などの意味で用いられます。先述した「ご留意いただきたい点」は「留意点」をていねいにした呼称です。意味はどちらも「注意点」と同じです。
次に「留意事項」は「心に留めておきくべき事項や規則」のこと。意味は「注意事項」と同じですが、「注意」では語感が強すぎて上意下達的なニュアンスになるため、「留意」という穏やかな表現を使っています。
「留意点」の例文
「留意事項」の例文
「留意」は目上の相手に使ってよい?
「留意する」を目上の相手に使う場合は「ご留意してください」「ご留意ください」というように敬語表現を用いるのが基本です。ただし「ください」の活用形は「くれ」という命令形になるとして、地位の高い相手には使うべきでない、という意見もあります。
文法的には「ご留意してください」や「ご留意ください」が誤用になるとはいえませんが、念のため年配の方や地位の高い方に対しては「ご留意をお願い致します」「ご留意の程お願い申し上げます」「ご留意いただければと存じます」などの表現を選ぶのが良いでしょう。
「留意」の類義語と例文
「留意」と同様の意味を持つ類義語としては、前述した「注意」をはじめ「警戒」「忠言」「配慮」「用心」などをあげることができます。また「気をつける」という意味では「関心」「気配り」「考慮」なども同義語といえるでしょう。
「配慮」の例文
「留意」の対義語と例文
「留意」の対義語には「粗忽」「漫然」「油断」などがあります。「粗忽」は「そこつ」と読み、意味は「軽率なこと」「不注意による失敗」などをあらわします。「油断」は「不注意なこと」。「漫然」は「ぼんやりして何も気にとめていないこと」を意味します。
「漫然」の例文
「留意」の英語表現
留意を英語で表現する場合は「attention」「consideration」「notice」などを用いるのが一般的です。「attention」は「気配り」「注意」「配慮」。「consideration」は「考慮」「検討」「熟慮」。「notice」は「注意」「通知」などの意味を表す言葉です。
まとめ
- 「留意」は「りゅうい」と読み、「ある物事について心にとどめて気をつけること」を意味します。
- 「留意」は「注意」よりも軽いニュアンスで「心にとめる」ことを意味する言葉です。
- 「留意点」「留意事項」は「注意点」「注意事項」と同じ意味の言葉です。
- 「留意」の類義語は「注意」「警戒」「忠言」「配慮」「用心」です。
- 「留意」の英語表現は「attention」「consideration」「notice」などです。