「労働」とは何かを理解する 労働基準法の意味や労働者の定義を解説

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働くことは、難しい言葉でいうと「労働」になります。これから労働する人もいれば、毎日何気なく労働している人もいるでしょう。
また、働いている形態などによっては、自分が労働者なのかわからない人もいるでしょう。

この記事では、労働とは、労働者とは何か、労働基準法の意味、労働基準法における労働者とはなどを解説します。労働を理解して、ビジネスでも活かせます。

労働とは何か

労働とは、言葉の単純な意味としては、「からだを使って働くこと」です。古い時代には「労動」と書かれていたこともあります。

しかし、ビジネスシーンなどで使われる一般的な労働の意味では、ただからだを使って働くだけではなく「賃金や報酬などを得るために働く」ことをさしている場合が多いでしょう。

また、経済用語の労働は、「人間が道具などの手段を使って、労働の対象となる天然資源や原材料に対して、または利用して働き、生活に必要な価値のあるものや金銭などを生みだす活動」のことをさしています。

労働は人間独持の行動

労働は、人間独特の行動とされています。「前もって構想したものを実現していくこと」や「自然のものから価値あるものを作りあげていく過程」は、他の動物にはできないことでしょう。

それゆえに、人間は労働により肉体的・精神的能力を発達させ、自分自身を成長させているともいわれています。

また、労働による自分自身の成長により、他者の成長や発達を促すこともあるでしょう。

労働の類語

一般的には、勤労、就労、仕事などが類語になるでしょう。

勤労は、国民の3大義務のひとつでもあります。同じ労働でも、肉体労働を含むものはその大変さから「労役」ともいわれます。

また、ある目的のために働いているなら、作業、労務、役務などともいい換えることができるでしょう。

労働者とは対価を得て生活をしている人

労働者とは、単に働いている人ではなく、自分の労働力を他人に提供し、対価を得て生活をしている人のことをさしています。
場合によっては、肉体労働者を略して労働者ということもあるでしょう。

さまざまな法律の中でも「労働者」が定義されています。

企業内などのビジネスシーンでよく耳にする労働者は、「労働基準法、もしくは労働組合法、労働契約法などで定められているもの」をさしていることが多いでしょう。

労働基準法の意味

就活や転職活動でも関係してくる労働に関する法律のひとつが「労働基準法」です。

労働基準法は、労働時間や賃金、休日などについて、最低限の条件を定めている法律です。

労働は、人間のアイデンティティの確立に深くかかわりがあるとされています。それゆえに、長時間労働など非人間的な働き方を強いられて、人間らしい生活や健康を奪われないようにするなどの意味もあります。

労働基準法は労働者を守るための法律ですが、単に労働している人ではなく、労働基準法で定めるところの「労働者」でなくては適用になりません。

「労働者」でないなら、雇用では契約で仕事をしていると考えられ、それぞれの契約形態により、契約を守るための法律は違ってくるでしょう。

例えば、残業すれば残業代が支払われることは労働基準法に定められています。
それゆえに、「労働者ではないので、残業代は支払わない」といわれたら、労働者には当たらない可能性があるということです。

労働基準法における労働者とは

労働基準法における労働者は、第九条に定義されています。

“職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。”とされています。
この労働者の定義に当てはまるかどうかは、労働者性の問題ともいわれます。

引用:労働基準法

労働基準法での労働者の定義のポイントは、「使用される者」というところでしょう。
「使用されている者」とは、賃金を支払う側と労働を提供する側が合意の上で、雇用契約を結び、労働条件通知書が交付されている状態をいいます。

ちなみに、雇用契約は書面または口頭で契約できるもので、民法に定められています。対して、労働条件通知書は書面でなくてはならず、労働基準法で定められています。

一般的には、使用されている者は、正社員(正規社員)と非正規社員に分けられると思われています。

しかし、この分け方は法律上にはない分類です。よって、労働基準法では以下のように定められていることになります。

すべての使用されている人=正規社員・非正規社員=労働者

労働基準法で労働者にあたらない人としては、以下のような人がいるでしょう。

・自宅を作業場にして業務を企業から受けている家内労働者
・企業と同じ立場で仕事を受ける、請負とも呼ばれる業務委託者 など

また、以下のようにも分けられます。

労働基準法でいう労働者
「雇用契約」「労働契約」をしており、労働に対する対価は「給与・給料・賃金」などといわれることがほとんどです。
労働者以外の人
「委任契約」「委託契約」「請負契約」などをしていることが多く、「報酬・委託料・請負代金」などとして代金が支払われます。


労働者以外の人に対しては、あくまでも代金であり、「労働に対する対価=賃金」ではないともいえます。

また、労働者以外の人は使用されているのではないので、契約先の指揮命令下に入るわけではありません。基本的には、契約先と対等な立場になるでしょう。

労働に関するまとめ

  • 労働とは、言葉の意味としては“からだを使って働くこと”、また一般的な意味では“賃金や報酬などを得るために働くこと”をさしている場合が多いでしょう。
  • 労働者とは、一般的な意味では、自分の労働力を他人に提供し、対価を得て生活をしている人のことをさしています。さまざまな法律で、それぞれ労働者が定義されています。
  • 労働基準法は、労働時間や賃金、休日などについて、最低限の条件を定めている法律です。労働基準法は労働者を守るための法律ですが、労働基準法で定めるところの労働者でなくては適用になりません。
  • 労働基準法における労働者は、第九条で “職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。”とされています。