「ご不便をおかけいたしますが」は正しい?使い方と例文集

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ここでは、「不便をかける」という言葉を中心にお詫びの際にかける言葉を紹介いたします。必要な状況や事情を説明した上で、お詫びの言葉や、心のこもったねぎらいの言葉をかけあい、次のステップに進んでいく、良好な人間関係こそ、ビジネスの場で一番重要といっても過言ではないでしょう。

「不便をかける」の意味

ネットの質問コーナーでよく、「不便をかける」という言葉の使い方は、正しいのか否かという質問がなされています。「かける」のは「迷惑」や「苦労」であって、「不便」を「かける」という言い方はあるのだろうか、という疑問です。

まず、「かける」という言葉を漢字にしてみると、「欠ける、駆ける、掛ける、懸ける、架ける、賭ける」とさまざまな「かける」があります。この中で、「不便をかける」にあたる「かける」は、漢字にすると「掛ける」になります。

この「掛ける」もまた、「柱に絵を掛ける」や「座布団に布を掛ける」、「自宅に電話を掛ける」、「議題を会議に掛ける」などいろいろな使われ方をしますが、その中に「他に作用を与える。他に影響を及ぼす」という意味があります。

特に「好ましくないことを相手に及ぼす」という意味合いの「掛ける」が、「不便をかける」の「かける」にあたります。不便という好ましくないことを相手に及ぼす、ことを意味しますので、「不便をかける」は、間違った使い方ではないということになります。

ビジネスシーンでの「不便をかける」の正しい使い方

具体的なビジネスシーンでは次のような使い方があります。

ご不便をおかけして、まことに申し訳ありません。」
「当方の不手際から、○○様にはたいへんご不便をおかけし、ほんとうに申し訳ございません。」
「道路拡張工事のため、しばらくご不便をおかけ申し上げておりましたが、〇月○日より、新しい通路が開通いたします。」
「座席の数も増えましたので、ご来場のみなさまにご不便をおかけすることも少ないかと存じます。」
「この時期にメールが使えないのは、いくぶんかご不便をおかけするかと存じますが、なにとぞ、よろしくお願いいたします。」
「これまで駐車場の数が足りず、何かとご不便をおかけいたしましたが、新しいスペースを確保しましたので、こちらをご利用いただければと存じます。」

「不便をかける」の類語や関連語と例文

また、「不便をかける」の類語やそこから派生する関連語を例文とともに、下記に紹介します。必要に応じて、使い分けるようにしましょう。

迷惑をかける 文字どおり、不便が迷惑なことである場合です。
「この度は、多大なご迷惑をおかけし、まことに申し訳ございません。」
手を煩わす 不便が、相手にとって面倒なことを意味する場合です。
「弊社の連絡不足から、お手を煩わしましたこと、まことに恐縮に存じます。」
負担をかける 本来ならやらなくてもいいことまでやってもらった場合です。
「こちらの業務に関わることまで、ご負担をかけて、重ねて感謝しております。」
骨を折る 相手に迷惑をかけるというよりは、力をお借りする、といったような場合です。
「新しいシステムの構築に際しては、○○様にはお骨折りいただき、たいへん感謝しております。」
世話になる 相手に迷惑をかけたことより、力を借りたことに感謝する意味合いが強い場合です。
「今回のご紹介にあたっては、たいへんお世話になりました。」

その他のよく使うお詫びのフレーズ

「不便をかける」のほかにもお詫びで使うフレーズはいくつかあります。気をつけたいのは、お詫びの文章を書く場合は、ただそのフレーズを使えば済むということではありません。

ビジネスの進行の障害となった事実関係を伝え、こちらに非があった場合は、素直に認めて謝罪し、善後策を説明もしくは提案して、滞った事態を再び進行させます。その一環に、お詫びのフレーズがあるということを心がけましょう。

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シンプルに謝罪するフレーズ

お詫びの文章の基本となります。

「度重なる失礼、たいへん申し訳ありませんでした。」
「お約束の時間に遅れてしまい、たいへん失礼いたしました。」
「ご迷惑をおかけしたお客様には、お詫びの言葉もありません。」
「ご連絡に不手際があり、たいへんご不快の念をおかけしました。」

自身の反省の気持ちを強調したお詫びのフレーズ

「今回の不手際に、なぜもっと早く気づかなかったのかと、自責の念にかられております。」
「みなさまへの配慮が足りなかったと、反省いたしております。」
「同じ過ちを繰り返さぬよう、以後、気をつけたいと存じます。」

相手の感情に同調を示す場合

「お怒りは無理もないことで、弁解の余地もございません。」

自らの責任を明確にし、謝罪する場合

「○○君の件は、上司である私の指導不足が原因であり、面目次第もございません。」
「厳重に注意を払ってきたつもりでしたが、至らぬ点も多々あり、現場リーダーとしての責任を痛感しております。」

まとめ

ここでは「不便をかける」について解説いたしました。
実際に謝罪の場での謝り方や、メールのやり方についてはこちらをご参考にしてください。

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ビジネスにおいては、どんなに注意を払っても、多くの人が関わっているため、不測の事態が起こり、自身の集中力が途切れることもあり、自分がお詫びをしないといけない立場に立つことがあります。

そんな時こそ、事実関係を把握し、自分の側に不手際があった場合は迅速に謝罪し、業務を進行させる必要があります。ビジネスパーソンとしては、冷静に事態を判断し、誠意あるお詫びで苦境を乗り切りましょう。