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よく聞く「いずれ」という言葉がありますが、書くときは、「いづれ」でもよいのでしょうか。また、「いずれ」の正しい意味や使い方はどのようなものでしょうか。
ここでは、正しい表記のしかたや意味を確認していきます。
「いづれ」ではなく「いずれ」と書くのが正解
「ず」と「づ」の発音はどちらも同じですが、書くときには「いずれ」と書くのが正解です。
「いづれ」は歴史的仮名遣いです。昔は、「いづれ」が正しかったといわれています。
昭和61年に「現代仮名遣い」について告示が出され、基本的に「ず」に統一することがいわれました。
告示に書かれている例外は以下の2種類です。
同音の連呼によって生じた「づ」
つづみ(皷)・つづら・つづく(続)・つづる(綴)
二語の連合によって生じた「づ」
みかづき(三日月)←三日+月(つき)
たけづつ(竹筒)←竹+筒(つつ)
こづつみ(小包)←小+包(つつみ)
たづな(手綱)←手+綱(つな)
てづくり(手作り)←手+作り(つくり)
はこづめ(箱詰)←箱+詰め(つめ)
にいづま(新妻)←新+妻(つま)
ねばりづよい
うらづける
かたづく
つねづね(常々)
つくづく
つれづれ
もともとは二語の連合だったものの、現代は二語に分解しにくい下のようなものは、「ず」と書くことを本則としているため「づ」と書いても大丈夫です。
せかいじゅう(世界中)
いなずま(稲妻)
ほおずき
さかずき(杯)
うなずく
かしずく
つまずく
ゆうずう(融通)
また、次のような語の中の「ず」は、漢字の音読みでもともと濁っているものであるため「ず」を用いて書きます。
じめん(地面)
ぬのじ(布地)
ずめん(図面)
「いずれ」の意味
「いずれ」の意味は以下の通りです。
「いずれ」には、「どれ」「どちら」「どっち」という意味があります。「いずれの物も名品ぞろいだ。」「合否いずれの場合も通知します。」と使うことが可能です。
他にはいろいろな過程を経たうえで、あまり遠くない将来の結果もあらわします。
「いずれにしても、結局~。」「いずればれる。」などと使うことが出来ます。
後者は「いつか」と意味が近いですが、「いつか」は未来の不定のときをあらわすため、現在からの近さに限定はありません。「いつか」よりは「いずれ」のほうが近い未来をさすため、狭義といえるでしょう。
「いずれ」の類語表現
「いずれ」の類語は以下の通りです。
どれ、どれか、いずれ、どいつ
近日中に、間も無く、もうすぐ、程なく、そのうちに、遅からず
「いずれ」を使った例文
それはいずれにも当てはまらない。
いずれも五十歩百歩だ。
いずれにせよ、今回の不合格は決定した。
いずれにしても行きます。
いずれ故郷に戻るだろう。
いずれ後悔するだろう。
いずれお返事いたします。
またいずれお会いしましょう。
いずれについてのまとめ
- 表記では「いずれ」が正しく、「いづれ」は歴史的仮名遣いでした。
- 意味では「どれ、どちら」という意味と、結果や遠くない未来をあらわす意味がありました。
- 類語や例文も合わせて確認し、「いずれ」の意味や使い方をきちんとおさえましょう。