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著名人のインタビューやスピーチなどで、「感慨深い」という表現を耳にすることがあります。文脈や言葉の響きのニュアンスからなんとなくの雰囲気は読み取っているものの、「感慨深い」の意味について、実はよくわかっていないという人も少なくないでしょう。
この記事では、「感慨深い」とはどういう意味なのか、どういった使い方をするのかなどを解説します。また、類語や英語表現も紹介していきます。
「感慨深い」とは
「感慨深い」の読み方や意味
「感慨深い」は、「かんがいぶかい」と読み、「心に深く感じ、しみじみ思う度合いが大変強い」という意味をあらわします。
「感慨」だけでも心に深くしみじみ感じるさまをあらわしているところに、さらに「深い」をつけて、より強く感慨を覚えていることを表現しています。
感慨深いは二重表現になるのか
「感慨」という言葉に「しみじみと心に深く感じる」という意味がありますので、「感慨深い」というのは、深いが重なった二重表現ではないかと思う人もいるでしょう。しかし「感慨深い」は二重表現にはあたりません。
「感慨」の意味を考えるとき、「心が動き揺さぶられる気持ち」を表す表現としては「しみじみと深く感じる」を用いますが、「感慨」には直接的に「深さ」を示す意味はありません。「感慨深い」は「より深く心を揺さぶられている」という、感慨をより深く感じていることを表す言葉なのです。
「感慨深い」と「感動」の違い
心を動かされることを表現する言葉には「感動」もあります。では「感動」も「感慨深い」も同じシチュエーションで使えるかというとそうとは限りません。
「感動」は、美しいものを見たとき、素晴らしい場面に遭遇したときなど、目の前で起きたことに対しての気持ちの動きを表すのに使うことが多い表現です。「レストランの料理の盛り付けが綺麗すぎて感動した」とか、「桜があまりにも見事に咲いていて感動した」のような場面で多く使われます。
いっぽうで「感慨深い」は、今起きていることに過去のこと、過去から今までのことを結びつけて、しみじみと深く感じたときに使う表現です。過去の苦労があって今に至ったというようなシチュエーションで多く使われます。
例えば、「病気がちだった子が看護師になって活躍しているのを見て感慨深い気持ちになった」とか、「何度も負けそうになった大会だったが優勝できて大変に感慨深い」などです。
また、「感動」は弾むような嬉しい気持ち、「感慨深い」は、情緒的でノスタルジックな気持ちを表す場合が多いでしょう。
- 感動:目の前で起きたことに対しての気持ちの動き
- 感慨深い:過去~今までのことを結びつけて、しみじみと深く感じたとき
「感慨深い」と「考え深い」は全く違う
「感慨深い」と「考え深い」は全く意味が違います。言葉の響きが似ているので、耳で聞いた場合に勘違いしやすいので注意しましょう。
「考え深い」は物事についてしっかりと深く考えを巡らせるさま、思慮深いことです。聞き違えると会話の意味が違ってきてしまうので気を付けないといけません。
「感慨深い」の使い方
「感慨深い」は、過去の経験と合わせて深くしみじみ感じたときに使う表現です。「感慨深い」は悪いことに対して使うことはありません。
過去を思い出して、悪いこともあったけれどよい結果となったことに心を動かさせたときに使うもので、「昔は儲かっていたのに会社が倒産してしまった、感慨深い。」のように使うことはほとんどありません。
また、「感慨深い」は「感慨深げ」という表現で使うこともあります。
「感慨深い」の例文
「感慨深い」を使った例文をいくつか紹介します。
このように、「感慨深い」は卒業式や結婚式、スポーツで功績をあげたときのインタビューやスピーチで使われることの多い表現です。
特に「感慨深い気持ち」という表現は、ビジネスシーンでもよく使われるので覚えておくとよいでしょう。
「感慨深い」の言い換え、類語
「感慨深い」と同じようなシチュエーションで使える言葉を紹介します。
感無量は「感慨無量」が省略された言葉です。感慨の気持ちがはかり知れないことを表しますから、感慨深いとほぼ同じ意味合いを持ちます。
深く感動して忘れない、忘れないほどの深い感動、という意味があります。
深く心に染みて感じる様子をあらわします。
「感慨深い」の英語表現
感慨深いを英語であらわすには、「touching」「moving」を使うとよいでしょう。例文をいくつか紹介します。
長男が成人するを見るのは、とても感慨深い。
今観た映画はとても感慨深かった。
また、感動的な気持ちをあらわすには
It meant so much to me.
という表現もあります。
「感慨深い」についてのまとめ
- 「感慨深い」とは、心に深く感じ、しみじみ思うさまを表す言葉です。
- 「感慨」にも「深い」という意味がありますが、「感慨深い」は二重表現にはなりません。感慨をより深く感じているさまを表します。
- 「感動」と「感慨深い」の違いは、感動が瞬間的なことに心を動かされたことを表現するのに対し、感慨深いは、過去から今までのことを結びつけて、しみじみと深く感じたときに使う表現です。情緒的でノスタルジックな気持ちを表しています。
- 「感慨深い」の類語には「感無量」「感銘を受ける」「郷愁にかられる」「しみじみと感じる」等があります。
- 感慨深いを英語で表現するには、「touching」「moving」を使うとよいでしょう。