調剤薬局事務は大変?仕事内容は?|資格や給料についても!

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この記事では「調剤薬局事務」について解説いたします。

漠然としたイメージは持っていても、実際の仕事内容やなりかたなどについてはよく分かっていないという人も多いかもしれません。

そこで今回は「調剤薬局事務」への就職に有利な資格や向いている人、勤務体系や休日なども交えてピックアップしました。

それでは一つずつ確認していきましょう。

調剤薬局事務とは


「調剤薬局事務」とはその名前の通り、調剤薬局で事務を行う仕事、あるいはその仕事に従事する人です。

調剤薬局とは医師が発行した処方箋をもとに薬剤師が薬を調剤し、患者に対してその薬と適正使用に関する情報を提供する薬局のことを指します。

この調剤薬局において「調剤薬局事務」は来局する患者の受付や会計、処方箋のチェックやレセプトの作成、お薬手帳の発行などを行うのが仕事です。

高齢化社会の問題を抱える日本において「薬の処方」と「薬の調剤」をそれぞれ医師と薬剤師が分担して行う「医薬分業」が推進されており、調剤薬局は日本社会にとって欠かせない存在だといえます。

調剤薬局事務の仕事内容

「調剤薬局事務」の仕事内容は、調剤薬局における事務作業全般です。

まずは受付での来局した患者から処方箋や保険証、お薬手帳などを受け取り、それらの内容に問題がないか確認します。

薬代を計算して患者に請求し、領収書を発行する会計業務も仕事の一つです。

これらの対面での対応だけではなく、電話での問い合わせにも対応しなければなりません。

また「レセプト」の作成も必要です。

レセプトとは、市町村や健康保険組合などの保険者に提出する「診療報酬明細書」のことで、レセプトの作成は調剤薬局事務が行っています。

日本では「国民皆保険制度」により加入者は医療費の1~3割の負担で診察を受けられますが、残りの費用を負担するのは市町村や健康保険組合などの保険者です。

残り7〜9割の医療費分は保険者に対して別途請求する必要があり、レセプトはその請求時に必要になります。

その他にも場合によっては、薬剤師のサポートを行うこともあるかもしれません。

例えば薬剤師の指導のもとで薬の調剤を行ったり、薬剤などの管理・発注などを任されたりするケースもあります。

「調剤薬局事務」と「医療事務」の違い

「医療事務」と「調剤薬局事務」は同じ事務職ですが、業務内容は異なります。

医療事務は病院やクリニックなどの医療機関で働く事務職を指し、デスクワーク以外にも患者や医療スタッフと関わる業務の多いというのが特徴です。

医療事務が働く場所は病院やクリニックなどの診療所、検診や人間ドックを行う検診センターや健康保険組合などもあります。

したがって「調剤薬局事務」とは仕事内容や働く場所などに違いがあるといえるでしょう。

調剤薬局事務になるには

千載一遇
いざ「調剤薬局事務」になりたいと思っても、そのなりかたがよく分からないという人もいるかもしれません。

そこでこの項目では、「調剤薬局事務」のなりかたについてまとめました。

高校や大学を卒業後に就職活動

高校や大学を卒業後に就職活動し、採用に受かれば「調剤薬局事務」になることができます。

応募時に薬に関する深い知識を持っている必要はないため、就職後の研修や日々の業務のなかで少しずつ知識を身につければ問題ありません。

したがって高校や大学などを卒業後、各調剤薬局で出される求人に応募して採用されれば「調剤薬局事務」になることができます。

必要となる学歴については調剤薬局によって異なりますが、高卒者でも応募できる求人が少なからず見受けられます。

ただし「調剤薬局事務」は医療事務に比べると求人数が少なく、また女性の人気が高いことから倍率は比較的高めです。

また応募者の中に経験者がいた場合、未経験者は書類選考の時点で落とされてしまう可能性があります。

必須の資格や学歴はない

「調剤薬局事務」は未経験でも目指せる職業であり、必須の資格や学歴はありません。

ただし「調剤薬局事務」に携わるにあたって有利になる可能性がある資格はあります。

選考通過の確率を上げるためには後述する「調剤事務実務士」「調剤事務管理士」などの資格を取得して、自分の知識や熱意をアピールするのも良いかもしれません。

調剤薬局事務への就職に有利な資格


「調剤薬局事務」への就職に必須な資格はありませんが、有利な資格はあります。

そこで本項目では、「調剤薬局事務」への就職に有利な資格を4つピックアップしました。

調剤事務実務士

「調剤事務実務士」は特定非営利活動法人医療福祉情報実務能力協会が主催する資格試験です。

受験資格に条件はありませんが、試験は年に2回、教育指定校と指定団体でしか行われません。

試験は学科と実技があり、学科は薬学、医療保険制度、点数算定、接遇マナーの知識を問う問題です。

実技では一般、後期、小児、在宅、特定疾患のうち3つの処方箋から調剤報酬の明細書を作成する問題が出ます。

調剤事務管理士

「調剤事務管理士」は調剤事務の実務に必要となるスキル全般を証明する資格です。

受験資格は特になく、試験は全国の指定会場もしくは在宅で行われます。

試験内容は学科と実技が設けられていて学科試験は法規、調剤報酬の請求事務、薬の基本的な知識について問う択一式の問題です。

一方、実技で出される問題はレセプトの点検と作成に関する内容が出題されます。

調剤報酬請求事務専門士

「調剤報酬請求事務専門士」は一般社団法人専門士検定協会が実施する資格試験で、試験は3級~1級に分かれています。

おもに「調剤薬局での正確なレセプト作成能力」が問われる試験で、保険請求分の金額に関する専門的な知識を身につけられます。

受験資格はとくになく、独学でチャレンジすることも可能です。

医療保険調剤報酬事務士

「医療保険調剤報酬事務士」は医療保険学院が主催する資格で、医療保険学院が毎月1回実施する修了検定試験に合格することで資格を取得できます。

ただし修了試験を受けるためには、医療保険学院が行う医療保険調剤報酬事務士のための通信講座を受け、中間テストにも合格しなければなりません。

修了試験は自宅で受けられ、不合格となった場合でも受講開始後1年以内であれば再受験できます。

試験科目は学科が医療保険制度と保険請求業務の2科目、実技がレセプト業務1科目です。

調剤薬局事務に向いている人


「調剤薬局事務」に向いているのは、几帳面さや慎重さを持って仕事に取り組める人です。

「調剤薬局事務」はレセプトの作成やレジの入金管理など細かい作業が多く、作業の速さだけではなく正確さが求められます。

そのため大雑把な性格の人より、几帳面さや慎重さを持って仕事に取り組める人の方が「調剤薬局事務」には向いているといえるでしょう。

調剤薬局事務の給料・年収


雇用形態や勤務先にも寄りますが、「調剤薬局事務」の平均年収は250万円~300万円程度とされています。

上記は正社員の年収ですが、「調剤薬局事務」はパートやアルバイト、派遣社員などの雇用形態で働く人も少なくありません。

パートやアルバイトの場合は時給800円~1,000円前後、派遣社員の場合は時給1,500~1,800円前後が一般的です。

このように「調剤薬局事務」の年収は、高い給与水準とは言えません。

「調剤薬局事務」の給料がそれほど高くない理由としては、「資格なし・未経験」の人でも働ける仕事だという点が挙げられるでしょう。

調剤薬局事務の勤務体系と休日


「調剤薬局事務」の勤務時間は、勤務先である調剤薬局の営業時間に左右されます。

薬局によって営業時間は様々で、例えば営業時間が「9:00~18:00」の薬局もあれば、「10:00~20:00」といった薬局もあるでしょう。

営業時間に合わせて調剤薬局事務の勤務時間が決まりますが、基本的には一日の実働は平均8時間程度です。

休日は隣接する病院に合わせている薬局がほとんどで、近くの病院が土日も診療を行っている場合は、「調剤薬局事務」も土日出勤が必要になるケースが多いといえます。

調剤薬局事務の将来性


「調剤薬局事務」の将来性は、これから先も十分にあるといえます。

日本では「治療は病院」「薬の処方は調剤薬局」というように、それぞれが分業し専門性を高めることで、医療の質の向上を図ろうとする「医療分業」が国の方針で推進されているのが現状です。

この医薬分業を推進するためには、調剤施設がある薬局などが今後ますます重要になっていくでしょう。

そのため「調剤薬局事務」も必要とされるので、「調剤薬局事務」は今後も安定した需要がある仕事だと考えられています。

まとめ この記事のおさらい

  • 「調剤薬局事務」は調剤薬局で事務を行う仕事、あるいはその仕事に従事する人
  • 「調剤薬局事務」の仕事内容は、調剤薬局における事務作業全般
  • 「調剤薬局事務」と「医療事務」は働く場所や仕事内容が異なる
  • 高校や大学を卒業後に就職活動し、採用に受かれば「調剤薬局事務」になることができる
  • 「調剤薬局事務」になるのに必須の資格や学歴はないが、有利になる資格はある
  • 「調剤薬局事務」への就職に有利な資格としては、「調剤事務実務士」や「調剤事務管理士」などが挙げられる
  • レセプトの作成やレジの入金管理など細かい作業が多いことから、「調剤薬局事務」に向いているのは几帳面さや慎重さを持って仕事に取り組める人
  • 「調剤薬局事務」の平均年収は正社員でも250万円~300万円程度とそれほど高くないが、これは「資格なし・未経験」の人でも働ける仕事だという理由が挙げられる
  • 「調剤薬局事務」の勤務時間は勤務先である調剤薬局の営業時間に左右され、休日は隣接する病院に合わせている薬局がほとんどである
  • 「医療分業」が国の方針で推進されていることから調剤施設がある薬局などが今後ますます重要になっていくので、「調剤薬局事務」の将来性はこれから先も十分にあるといえる