薬剤師は、毎年14,000人位の人が資格試験を受験する人気の高い職業です。医療に関わる仕事ということで待遇が良いイメージがありますが、本当のところはどうなのでしょうか。

この記事では、薬剤師の年収について、男女別、年齢別、都道府県別、ほかの医療系職業との比較など、さまざまな角度から解説していきます。あわせて、薬剤師として年収をアップするための方法も紹介します。

※記事中の給料データは令和2年賃金構造基本統計調査を参考にしています。

薬剤師の平均年収データ


薬剤師の年収を、令和2年賃金構造基本統計調査のデータをもとに解説していきます。

男女別・年齢別の平均年収

薬剤師の給料を、男女別、年齢階層別に集計したものは次の通りです。

年齢を重ねるごとに年収もアップし、40代・50代がピークとなっています。また、男女別に見た場合には、24歳以下を除きすべての年齢層で男性の給料が女性の給料を上回る結果となっています。

男女別年齢別給料
 男性女性
20 ~ 24歳331万円355万円
25 ~ 29歳455.8万円418.5万円
30 ~ 34歳516.5万円474.6万円
35 ~ 39歳610.7万円507.9万円
40 ~ 44歳628.5万円533.1万円
45 ~ 49歳703.2万円580.2万円
50 ~ 54歳695.7万円591.3万円
55 ~ 59歳679.3万円598万円
60 ~ 64歳
629.8万円506.4万円

都道府県別の平均年収

都道府県別の年収の前に、まずは全国平均を見てみましょう。

全国平均の給料565.1万円

次に都道県別の上位、下位を見てみます。

年収の高い都道府県
順位都道府県年収
1位山口県780万円
2位福島県737.4万円
3位宮城県677.9万円
4位長野県
676.8万円
5位青森県661.5万円

年収の低い都道府県
順位都道府県年収
47位沖縄県
461.4万円
46位
大分県
479万円
45位
岡山県
505.4万円
44位東京都508万円
43位
鹿児島県519.5万円

薬剤師の年収を都道府県別に見た場合、一番高い県が780万円、低い県が461.1万円と318.6万円もの差があることが分かりました。

少し意外に感じるのは、東京、大阪といった大都市圏が上位に入っていないことでしょう。東京は43位で508万円、大阪は42位で520.4万円という結果です。

需要が高ければ給料が高くなるのが一般的ですので、大都市に比べて地方で薬剤師を確保することが難しく、それが給料に影響していることが考えられるでしょう。

薬剤師の年収は高い?ほかの仕事との年収比較


薬剤師の給料を年齢別、男女別で見てきましたが、日本の平均と比べた薬剤師の給与水準はどうなのでしょうか。

日本の平均年収との比較

国税庁が2021年9月に発表した情報によると、2020年の平均給与は約433万でした。この金額は2年連続で前年比マイナスとなっています。

薬剤師の平均給料は約565万円で、日本の平均年収と比較すると130万円ほど多いことが分かります。都道府県別で最下位だった沖縄県を比べても、日本の平均年収を上回っています。

医薬品の調剤や第1類医薬品の販売は薬剤師がいないとできないことや、薬剤師の国家資格を受験するには6年制の薬学課程を修めていることが必要であるなどハードルが高いことから、薬剤師の存在が重要視されていることが給料の高さにつながっているのではないでしょうか。

ほかの医療従事者の年収と比較

医療関係の仕事は比較的給料が高めだというイメージがありますが、薬剤師以外の職種の給料はどうなのでしょうか。

薬剤師以外の医療従事者の年収
職業年収
医師1440.3万円
看護師491.8万円
栄養士
373.7万円
ケアマネージャー398.8万円

さすがに医師と比べると半分以下にはなってしまいますが、薬剤師の給料は看護師を上回る高水準です。

また、政府の統計データになかったのですが、薬剤師と同じ薬を扱う仕事の「登録販売者」の年収は、300~400万円程度といわれていますので、こちらと比較をしても高い給料となります。

薬剤師の年収は上がっている?過去5年間の平均年収推移


比較的高い水準の薬剤師の給料ですが、給料の伸び具合も気になるところです。ここ5年の平均給料の推移を見てみましょう。

全国平均の給料の推移
年度年収
2020年565.1万円
2019年543.6万円
2018年543.8万円
2017年514.9万円
2016年533.5万円

薬剤師の平均給料は、ここ5年で約10%上昇しています。日本の平均給料2年連続で前年比マイナスになっていますので、その中で給料が上昇している薬剤師は、需要が高い職種といえるでしょう。

薬剤師が年収を上げる方法5選


薬剤師の平均年収は給与所得者の平均を上回り、比較的給料が高い職業であるといえます。しかし、ただ薬剤師としての経験を重ねていくだけでは、なかなか思ったように給料が上がらないこともあるかも知れません。
もっと高い年収を望むのであれば、働き方を考えてみるのも一案といえるでしょう。

その病院内や企業内で昇進する

まずは、現在働いている病院や組織の中で昇進することによって、給料アップを狙う道があります。
昇格の基準はそれぞれだと思いますが、薬の調剤や販売といった作業だけでなく、高い接客スキルを持ち合わせていることや、管理やマネジメントに関わる仕事も広くこなせるようになることが必要でしょう。

「認定薬剤師」や「専門薬剤師」などの資格を取得する

薬剤師の資格にプラスして、上位資格の「認定薬剤師」「専門薬剤師」の資格を取得することも給料アップへつながるでしょう。

資格を取得していることで、より専門性の高い知識を身につけている証になります。医師や看護師と連携した医療チームの一因として欠かせない存在に関わることができれば、昇進昇格の可能性も出てきますから、給料アップも見込めるでしょう。また、給料に資格手当がプラスされることも期待できます。

より条件の良い職場へ転職する

もし、現在の職場で高い給料を望むことが難しそうだと感じるのなら、思い切って条件の良い職場に移ることを考えもいいかも知れません。

一般的に薬剤師の給料は、病院や調剤薬局に勤務している場合よりも、ドラッグストアの方が高めだといわれています。

さらには薬剤師の資格を活かして、製薬会社の研究職やMRを目指す道もあります。その場合は一段と高い収入を得ることも可能になるでしょう。
病院や調剤薬局より仕事の幅が広くなり覚えなくてはならないことも多いですが、可能性を試してみたいなら、転職先として視野に入れても良いのではないでしょうか。

給料アップを狙うなら、地方都市の募集を探してみるのも一案です。薬剤師は大都市よりも地方都市で不足しているといわれます。現状の給料のデータを見てみても、東京や大阪といった大都市は意外に低めになっています。

いずれにしても、条件の良い職場に転職するには自身のスキルを磨いておく必要があります。上位資格の取得もそうですが、英語の文献が読めたり英語で接客できる人は重宝されます。
自分の強みといえるものを作ることがアピール材料となり、より良い条件の職場に転職できるきっかけとなるかも知れません。

正社員以外なら派遣薬剤師もおすすめ

正社員にこだわらないなら、派遣薬剤師として働く道もあります
派遣薬剤師はほかの派遣の仕事と比べて給料が高く、時給3,000円を超える募集も多くみられます。3,000円だと仮定して8時間×月に20日間働くとすると、ひと月で48万円、年収にして578万円にもなります。

場合によっては、派遣薬剤師は正社員よりも高い給料を手にすることができるのができるのです。

ボーナスがない、契約が終了になったら次の職場を探さなければならない、といったマイナス要素はありますが、逆にサービス残業や社内の面倒な人間関係に巻き込まれることもありません。

薬剤師専門の派遣会社もあり、自分で探さなくても条件に合った職場を見つけてくれるのも魅力です。

まとめ この記事のおさらい

  • 薬剤師の平均年収は565.1万円で、日本の平均年収433万円を上回っています。
  • 年収のピークは40~50代で、女性と比較して男性の方が高い傾向があります。
  • 都道府県別の平均年収では1位の山口県が780万円、最下位の沖縄県が461.4万円で、318.6万円の差がありました。
  • 大都市圏では東京は43位、大阪は42位と、地方で年収が高い傾向があります。
  • 薬剤師が年収を上げるには、上位資格を取得して資格手当や昇進を狙う、マネジメントや英語力などスキルを身につけて強みを作る、薬局の仕事にとらわれずにより良い条件の職場に転職するなどの方法があります。
  • 給料アップを狙うなら、地方都市の求人を探したり時給の高い派遣薬剤師として働くのも一案でしょう。

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