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この記事では警察官の階級について解説いたします。
警察官の階級には様々なものがありますが、その役職や仕事内容についてはよく分からないという人が多いかもしれません。
そこで今回は階級一覧や階級の上げ方、英語表現も含めて取り上げました。
この記事の中で一つでも参考になるような情報があれば幸いです。
警察官の階級とは
警察官の階級は、警察法第62条によって規定されています。
また身分としては基本的に警視までが地方公務員、警視正からは国家公務員です。
まずは各都道府県警察に警察官として新任され、全員が巡査からスタートします。
その後昇任していくスピードが個人によって異なりますが、昇任して階級が上がると収入がアップしたり、就くことのできる役職が増えたりするといったことがメリットだといえるでしょう。
階級を表す「階級章」とは
警察官は制服に「階級章」を付けることが義務付けられています。
警察官だけでなく、軍隊や消防のように階級に基づき組織の指揮統制を行う組織や機関では、「階級章」を付けることでその階級が一目で分かるようになるというわけです。
警察官の階級一覧【年齢・年収の目安】
警察官の階級は下から巡査、巡査部長、警部補、警部、警視、警視正、警視長、警視監、警視総監です。
なお警察法の規定にあありませんが、「巡査」と「巡査部長」の間には「巡査長」という階級もあります。
各階級の年齢や年収の目安は、以下の通りです。
- 巡査:年齢は約22歳、年収は約570万円
- 巡査部長:年齢は20代後半、年収は約630万円
- 警部補:年齢は30代前半、年収は約670万円
- 警部:年齢は30代半ば〜、年収は約720万円
- 警視:年齢は40代後半まで、年収は約780円
- 警視正:年齢は50代〜、年収は約1000万円
- 警視長:年齢は50代後半、年収は約1100万円
- 警視監:年齢は50代後半〜、年収は約1200万円
- 警視総監:年齢は50代後半〜、年収は約1500万円
なお上記の年齢や年収は後述する「ノンキャリア」の場合で、「キャリア」はその昇任スピードや待遇が更に恵まれているといわれています。
「キャリア」と「ノンキャリア」で出世格差がある?
警察官には「キャリア」と「ノンキャリア」という区分けがあります。
「キャリア」は警視庁で警察行政の計画や管理といったデスクワークが中心です。
対して「ノンキャリア」は各都道府県警で「キャリア」組が構築した仕組みの実務部隊という違いがあります。
「キャリア」になるには「国家公務員総合職採用試験」に合格し、更に面接を経る必要がある為難易度も高いです。
上記の試験を受けるには大卒以上の学歴が必要ですが、「ノンキャリア」になる為の「警察官採用試験」には大卒程度や高卒程度のような区分はありますが、学歴は条件ではありません。
また「キャリア」は任官時から警部補で、その昇任の仕方や給料体系は「ノンキャリア」よりも良いとされています。
「ノンキャリア」はどれだけ出世しても基本的に警視長までで、これでもかなりのレアケースと言われる程なので「キャリア」と「ノンキャリア」には大きな出世格差があるといえるかもしれません。
警察官の階級ごとの役職や仕事内容
警察官はその階級によって仕事内容が変わります。
どの階級がどのような仕事に従事しているか、それぞれ確認しておきましょう。
①巡査
「巡査」は交番や駐在所に勤務し、巡回や事務作業等が主な役割です。
警察学校を卒業した警察官は、最初の数年間は交番等の勤務にあたります。
一般市民に一番馴染みがあり、接する機会も多いのは「巡査」だといえるでしょう。
②巡査長
「巡査長」は交番や駐在所勤務で「巡査」として働き、また他の「巡査」の指導役割も業務の一環です。
国家公安委員会規則の「巡査長」に関する規則には「大学卒業後2年、または専門学校卒業後4年勤務し指導力を有するもの、または巡査部長昇任試験に合格してもの」の中から選考すると記載されています。
③巡査部長
「巡査部長」は「警部」や「警部補」を補佐したり、「巡査」や「巡査長」の指導監督をしています。
早ければ20代前半であっても、その成績や勤務態度によっては「巡査部長」に昇任することは可能です。
④警部補
「警部補」は警察庁や警察本部の主任あるいは係長クラスの階級です。
警察実務で現場責任者としての役割を担っており、警察官全体の約30%は「警部補」とされています。
⑤警部
「警部」は現場に直接関わることが少なく、現場指揮を統括するのが役割です。
「ノンキャリア」の場合、「警部補」としての実務経験が4年以上あれば昇任試験の受験資格が得られます。
一方「キャリア」の場合は採用直後の研修と交番実務を経て試験なし昇任する為、最年少だと23歳で「警部」になることも可能です。
⑥警視
「警視」は警察本部の管理官や中小規模の警察署の署長です。
「ノンキャリア」は最も早く「警視」になれたとしても45歳前後で、基本的にそれ以上の階級になることはできません。
対して「キャリア」の場合は採用7年で一斉に「警視」になることができます。
⑦警視正
「警視正」は大規模警察署の署長で、「警視正」以上は国家公務員です。
「キャリア」の警察官であれば採用後15年で昇任しますが、「ノンキャリア」の場合は最速でも50歳代の為非常に少数だとされています。
⑧警視長
「警視長」は警察本部の部長で、「キャリア」は22年目以降に成績優秀者から順次昇任します。
「ノンキャリア」として採用された場合でも推薦により昇任する場合がありますが、かなりのレアケースです。
⑨警視監
「警視監」は「警視長」になった人全員が昇任できる階級で、警察官全体で40名程しかいません。
仕事内容は警察庁の次長や局長や審議官、警視庁の部長や副総監、道府県警察本部の本部長いった役職に就き、指揮監督を行うことです。
⑩警視総監
「警視総監」は警視庁のトップで、日本に1名しかいません。
仕事内容は他道府県警察本部長と同じく警察庁長官の指揮監督を受けるとともに、警視庁の事務を統括し所属の警察職員を指揮監督することです。
ただし全国の道府県警察本部長が「警視監」あるいは「警視長」であるのに対し、首都の警察の長として治安維持を指揮する「警視総監」は法的には他道府県警察本部長と同格ながら、特別重要な地位にあります。
警察庁長官を除き最高の階級である「警視総監」は、つまり東京都を管轄する警視庁に1名のみ置かれる階級だということです。
なお「警視総監」の任免は国家公安委員会が東京都公安委員会の同意を得、内閣総理大臣の承認を得て行います。
「刑事」と呼ばれる階級はどれ?
警察ドラマ等で「刑事」という言葉が使われることがありますが、「刑事」は刑事事件を担当する警察官の事です。
「刑事」は具体的には「私服警官」と呼ばれる「巡査」や「巡査長」の階級にある警察官を指し、また「刑事部長」と呼ばれる警察官の階級は「巡査部長」となっています。
警察官が階級を上げる方法
これまでの項目の内容から読み取れるのは、警察官は階級が上がる程その待遇も良くなっていくということです。
それでは実際にどのようにしていけば階級を上げることができるのか、その方法を確認しておきましょう。
①昇任試験に合格する
警察官が階級を上げる一般的な方法は、昇任試験を受けることです。
基本的に大卒の場合は2年間、高卒の場合は4年間の勤続期間を経ると、昇任試験を受ける資格を得ることができます。
試験に合格した後は各地方自治体にある警察学校に入校し、一定期間の研修を受けることによって晴れて昇任することができるというわけです。
昇任試験の内容は憲法や刑法、警察実務や社会常識等の知識を問う筆記試験に加え、拳銃の実技や面接、論文や集団討論もある等多岐にわたります。
合格倍率が100倍を超えることもあるといわれているように、その難易度はかなり高いです。
②選抜・選考を受ける
試験を受ける以外の方法として、「選抜・選考」という制度を経て階級が上がることもあります。
これらの制度は警察官として優秀ではあるけれども、業務が多忙の為昇任試験の勉強に打ち込む時間がないという人を救済する目的で作られました。
一定の勤続年数があり、かつ勤務成績が優れていると上位の階級にふさわしい知識や技能を備えていると認められて昇任することがあります。
警察官の階級の英語表現は?
警察官の階級を英語で表現すると、「policeman」や「police officer」といったものが考えられるでしょう。
また上記の表現を使うと、以下のような例文を作ることができます。
(彼は警察官になった。)
昔は警察官のほとんどが男性だったこともあり、「policeman」という男性的な表現が使われていました。
なお複数形の場合は「policemen」です。
(何が起こったのかを警察官に簡単に話した。)
昨今では女性の警察官が増えてきたこともあり、「police officer」という表現が使われるようになってきました。
もしはっきり性別を区別したい場合、「police officer」の前に「male」や「female」をつけることもあります。
まとめ この記事のおさらい
- 警察官の階級は巡査、巡査部長、警部補、警部、警視、警視正、警視長、警視監、警視総監というものがある。
- 「キャリア」は警視庁で警察行政の計画や管理といったデスクワークが中心なのに対し「ノンキャリア」は各都道府県警で「キャリア」組が構築した仕組みの実務部隊という違いがある。
- 警察官が昇任するには昇任試験に合格する、あるいは選抜・選考を受けるという方法がある。
- 警察官の英語表現は「policeman」や「police officer」といったものが考えられる。