病院や薬局、ドラッグスストアなどを中心に薬の専門家として働く薬剤師は、自分にあった勤務場所や働き方ができることもあってか、人気のある職業のひとつです。
この記事では、薬剤師の仕事内容や主な勤務場所、薬剤師になるために必要な資格などについて解説します。

薬剤師とは

薬剤師は「薬剤」を取り扱う専門職です。薬剤師法第一条では、薬剤師の任務を次のように定めています。

薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。

薬剤師法の全文

薬剤師の勤務先として最もスタンダードなのは、調剤薬局です。その他の勤務先としては、病院や診療所、製薬会社などがあります。厚生労働省の調査では、薬剤師の施設別の従事者の割合は、次の通りとなっています。

・「薬局の従事者」57.1%
・「医療施設の従事者」19.3%
・「医薬品関係企業の従事者」13.9%

また、男女別の割合は次の通りです。

・「男性」38.8%
・「女性」61.2%

※施設別・男女別ともに平成28年度12月31日現在

薬剤師の仕事内容

薬剤師の仕事内容は、勤務先によって違ってきます。

▼調剤薬局
調剤薬局は、薬剤師の最もスタンダードな勤務先です。薬剤師の半数以上は薬局に勤務しています。
調剤薬局での薬剤師の主な仕事は、医師が処方した処方箋に従って薬を調合すること、患者に薬の飲み方や注意点などを説明することです。他には薬などの医療品の在庫管理の仕事もあります。
最近ではお薬手帳で過去に服用した薬や副作用を記録するなど、一人ひとりに密接したケアが行われています。訪れた患者とコミュニケーションを図り、適切なアドバイスや記録をしていくことも薬剤師の大事な役割です。

▼ドラッグストア
ドラッグストアでは、処方箋がなくても購入できる一般の薬の販売や提案、説明を行います。第一類医薬品は使用上の安全性について薬剤師からの情報提供が義務づけられていますので、ドラッグストアには必ず薬剤師が在籍しています。
ドラッグストアに勤務する場合は、薬の説明のほかに、レジ打ちや品出しなど店員と同様の仕事も担当するのが一般的です。

▼病院・診療所
病院や診療所では、外来や入院患者の薬の調合、服薬指導などを行います。そのほか、注射や点滴の調剤や管理なども行います。

▼その他の勤務先
薬剤師の資格を持っている人が、製薬会社で研究職やMRとして働くケースも多くあります。

訪日外国人の増加により、英語力があると重宝される

薬剤師の仕事は英語力が必須という訳ではありません。しかし、英語力があることにより、活躍の場の選択肢が広がったり、就職に有利になることが考えられます。

英語力を身につけている薬剤師のメリットはいくつかありますが、まず、外国のお客さまの接客に役立つということがあります。近年、在留外国人や観光で日本を訪れる外国人の数は増加傾向にあります。外国人が多く居住する地域の病院や薬局、観光地や空港内のドラッグストアなどでは、英語で応対ができる薬剤師は重宝されます。

もうひとつのメリットとして、薬の最新情報にいち早く触れることができるということがあります。医療の最新情報や学術論文は英語で発表され、日本語に訳されて公開されるまでには時間を要します。英語の文献を直接理解することができるのは強みになります。英語力があることで、外資系の製薬会社のMRとして働くなど活躍の場も広がります。

薬剤師になるには

薬剤師国家試験に合格する

薬剤師になるには、国家試験に合格することが必要です。病院や薬局、ドラッグストアなど、薬剤師にはさまざまな勤務先がありますが、いずれに勤務する場合でも「薬剤師」として働くには必ず薬剤師の国家試験に合格し、薬剤師免許を取得していることが必須です。

国家試験の受験資格を得るには

薬剤師国家試験を受験資格を得るには、次のうちいずれかを満たしている必要があります。

(1)大学の薬学部か薬科大学で6年制の薬剤師養成課程を修了していること

(2)外国の薬学校を卒業しているか、外国で薬剤師免許を受けていること

(3)平成18年度から平成29年度までの間に大学に入学し、4年制の薬学部を卒業した後、大学院で薬学の修士課程または博士課程を修了していること

(2)および(3)は例外的なケースなので、これから薬剤師を目指す人は、大学の薬学部か薬科大学で6年制の薬剤師養成課程を修了している必要があります。
参考までに、かつては薬学部は4年制でした。しかし、制度の改正があり、平成18年からは6年制の過程を修了していることが受験資格となりました。

6年間薬学部で学ぶとなると、高額な学費がかかります。目安として、私立大学の場合は1,200万円程度かかると考えておく必要があります。国公立の場合は350万円程度ですが、国公立の薬学部は人気があり競争率が高くなります。また、入学試験の難易度も高い傾向があります。

薬剤師国家試験の受験資格は、短大や専門学校、通信教育などでは得ることが出来ず、大学で6年間学ぶことが必須です。高卒や薬学部以外の大学を卒業した人が薬剤師を目指すとなると、6年制の薬学部に入学しなおす必要があります。通信制や夜間大学も存在しないため、社会人から薬剤師を目指す人は、いったん仕事を辞めて6年間大学に通うことになります。自分のライフプランと照らし合わせて、学費の捻出や受験対策など、相当の準備をしたうえでの転職を考える必要があるでしょう。

国家試験の試験内容は

国家試験は年に1回、各都市で実施されており、第105回薬剤師国家試験は、令和2年2月22日(土)・23日(日)に行われます。

試験科目は次の通りです。

科目 問題区分
必須問題 一般問題  
  薬学理論問題 薬学実践問題 出題数計 出題数計
物理・化学・生物 15問 30問 15問(複合問題) 45問 60問
衛生 10問 20問 10問(複合問題) 30問 40問
薬理 15問 15問 10問(複合問題) 25問 40問
薬剤 15問 15問 10問(複合問題) 25問 40問
病態・薬物治療 15問 15問 10問(複合問題) 25問 40問
法規・制度・倫理 10問 10問 10問(複合問題) 20問 30問
実務 10問 20問+65問(複合問題) 85問 95問
出題数計 90問 105問 150問 255問 345問

国家試験の難易度はどれくらいか

薬剤師国家資格の合格基準は次の通りです。

(1)問題の難易を補正して得た総得点について、平均点と標準偏差を用いた相対基準により設定した得点以上であること。
(2)必須問題について、全問題への配点の70%以上で、かつ、構成する各科目の得点がそれぞれ配点の30%以上であること。

第104回薬剤師国家試験の合格率は、全体で70.91%(受験者数:14,376名/合格者数:10,194名)、新卒者で見ると85.50%(受験者数:9,508名/合格者数:8,129名)でした。

合格率で見るとおおよそ80%ですので、難易度が抜群に高いものではないといえます。しかし、国家資格を受けるためには薬学部で6年間学ぶ必要があり、薬学部への入学も容易なものではありません。入学準備から卒業までを含め合わせて考えると、薬剤師の資格を取得するまでの道のりは平易なものではないといってよいのではないでしょうか。

薬剤師の年収

転職サイトdodaの調べによると、薬剤師の平均年収は503万円です。会社員の平均年収と比較すると、高い水準といってよいでしょう。
薬剤師はパートやアルバイトとしての働き方もあります。パート、アルバイトでの薬剤師の求人は多くこの場合の給料も時給1,500円~2,000円程度と、一般的なアルバイトより高く設定されていることがほとんどです。

製薬会社に研究職やMRとして勤務した場合は、さらに高い年収が見込まれます。dodaの調べではMRの平均年収は709万円となっています。

薬は世の中からなくなることがなく、流行や景気に左右されにくいものです。結婚、出産を経ても働きやすく、生涯を通して安定して仕事をすることができるのも薬剤師の魅力でしょう。

薬剤師の勤務体系と休日

薬局やドラッグストアに勤務する薬剤師の勤務時間や休日は、店舗の営業時間に準じます。
調剤薬局は日曜日が休みのところが多く、日曜日と平日1日を交代で休むケースが多いでしょう。勤務時間も基本的に薬局か空いている時間なので、局によって違いはありますが、19:00くらいまでのところが多いでしょう。

ドラッグストアは年中無休で夜遅い時間まで営業している店も多いですから、シフト制での勤務になることが多いでしょう。

薬剤師の将来性

これまで長らく薬剤師不足といわれてきましたが、毎年薬剤師の人数は増加しています。厚生労働省の統計では、2010年には217,477人だった薬剤師が、2010年には276,517人、2016年には301,323人に増えています。薬剤師は年齢に関係なく長く働ける職業だということもあり、近い将来飽和状態になるとも予想されています。
しかし、医師や看護師と同様に薬剤師も地方では不足が続いています。就職先として地方を視野にいれるのも一案かもしれません。

これからの薬剤師の仕事は、薬の調合だけにとどまりません。かかりつけの薬剤師として患者一人ひとりに密接したアドバイスができることや、外国人の応対ができる英語スキルなど自分の強みを持っておくことが、好条件で働くことにつながるでしょう。

薬剤師がおもに勤める場所

薬剤師の勤務先としてスタンダードなのは、調剤薬局やドラッグストア、病院や診療所です。薬局やドラッグストアではパートやアルバイトとして働く薬剤師も多くいます。他には薬の知識を活かして製薬会社で研究職やMRの仕事に就く道もあります。

薬剤師についてのまとめ

  • 薬剤師は「薬剤」を取り扱う専門職です。
  • 薬剤師の主な勤務先は、調剤薬局、ドラッグストア、病院や診療所で、勤務場所によって仕事内容も違ってきます。
  • 薬剤師の資格を活かして、製薬会社で研究職やMRとして働く道もあります。
  • 薬剤師になるには、薬学部で6年制の過程を修了した後、国家資格に合格する必要があります。

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