この記事では臨床検査技師の年収について解説しています。臨床検査技師は法律で定められた国家資格で、病院などの医療機関や検査機関、民間の治験企業において患者の尿や血液などの検体をはじめ、MRI画像などさまざまな臨床検査を行う専門職です。

臨床検査はかつては医師が務めていましたが、医療の高度化と分業化の進展によって専門の検査技師が行うようになり、現代の医療現場に欠かせない存在となっています。この記事では臨床検査技師の年収に関連するデータとともに、年収を上げる方法についても解説いたします。

臨床検査技師の


厚生労働省が2022年に発表した令和3年賃金構造基本統計調査のデータベースによりますと、臨床検査技師の年収は全国平均で約496万円となっています。性別では男性が約505万円。女性は約442万円です。

出典:厚生労働省 令和3年賃金構造基本統計調査
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2021/index.html

地域別の平均年収

株式会社カカクコムが運営する求人ボックスに掲載された全国の求人情報と、厚生労働省の統計データをもとに算出された臨床検査技師の地域別平均年収は以下のとおりです。

出典:求人ボックスナビ 臨床検査技師のの年収・時給・給料(求人統計データ)
https://xn--pckua2a7gp15o89zb.com/%E8%87%A8%E5%BA%8A%E6%A4%9C%E6%9F%BB%E6%8A%80%E5%B8%AB%E3%81%AE%E5%B9%B4%E5%8F%8E%E3%83%BB%E6%99%82%E7%B5%A6

地域 平均年収 全国比
北海道・東北 324万円 -9%
甲信越・北陸 360万円 +1%
関東 359万円 +1%
東海 339万円 -5%
関西 338万円 -5%
中国 323万円 -9%
四国 330万円 -7%
九州・沖縄 311万円 -13%

勤務先の規模別の平均年収

前出した厚生労働省の令和3年賃金構造基本統計調査のデータをもとに臨床検査技師の平均年収を勤務先の規模別にまとめると以下のようになります。

従業員数 男女計 男性 女性
1,000人以上 約544万円 約581万円 約523万円
100~999人 約463万円 約519万円 約442万円
10~99人 約449万円 約525万円 約425万円

ちなみに臨床検査技師の勤務先は総合病院をはじめ外科や産婦人科、皮膚科などの専門病院やクリニック、保健所や臨床検査センターなどの医療機関や民間の治験企業がメイン。そのほか医療機器メーカーや製薬会社などでも多くの臨床検査技師が活躍しています。

臨床検査技師が最も多く勤務するのは病院などの医療機関です。具体的な例として東京都の慶應義塾大学病院の教職員数に関する統計データを参照すると、2021年度の教職員数は2,726名。そのうち臨床検査技師は152名となっています。

また東京大学医学部附属病院の従業員数は約4,000名。検査部は検査代1部門から第5部門まで計18の検査室で構成され、1級・2級の臨床検査士を含む臨床検査技師が各検査室に数名から最大70名ほど勤務しています。

総合病院の常勤従業員数は一般にはあまり公表されていませんが、上記のデータから大学病院クラスの病院では常勤従業員数が1,000人を超えるものと考えて良いでしょう。

出典:

慶應義塾大学病院 統計・実績データ
https://www.hosp.keio.ac.jp/about/data/

東京大学医学部附属病院 検査部 組織とメンバー紹介
http://lab-tky.umin.jp/member/kensa/index.html

東京大学医学部附属病院 検査部 学会などの認定技師などの人数(2022年6月1現在)
https://www.h.u-tokyo.ac.jp/patient/depts/kensa/jisseki/

男女別の平均年収

前出した厚生労働省の令和3年賃金構造基本統計調査のデータをもとに臨床検査技師の平均年収を男女の世代別にまとめると以下の表のようになります。

年齢 男性の平均年収 女性の平均年収
20~24歳 約337万円 約336万円
25~29歳 約403万円 約416万円
30~34歳 約459万円 約424万円
35~39歳 約519万円 約473万円
40~44歳 約576万円 約491万円
45~49歳 約721万円 約513万円
50~54歳 約740万円 約571万円
55~59歳 約707万円 約549万円
60~64歳 約462万円 約532万円

臨床検査技師は高度な経験値とスキルを要する専門職ですので、年齢とともに年収も順当に上がると見て良いでしょう。また60~64歳になると年収が逆にダウンするのは定年後再雇用制度によるものと考えられます。

臨床検査技師の将来性


2013年にオックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン博士の研究グループがロボットやコンピュータによって仕事が失われる可能性に関する調査レポートを発表しました。それによると臨床検査技師が将来不要になる確率は実に9割という結果となっています。

現在でも生化学検査や免疫検査などの領域ではすでにロボットによる検査工程の自動化が進展しており、測定や検査の結果判定をAIに任せるシステムの開発も進んでいます。つまり検査領域によってはすでに業務の大半が自動化されているのが実情です。

もちろん臨床検査技師は現代の医療現場に不可欠な存在であり、全ての業務がロボット化されるまでには長い時間を要するのは間違いありません。また医療関係の検査業務は多岐にわたるため、職業としての臨床検査技師が消滅する可能性は現時点ではありえません。

特に心臓系や脳神経といった生理学系の検査業務は技術的にAI化が難しい領域とされており、臨床検査技師の高度な調整と結果の判定が不可欠です。さらに近年ではコロナ禍の影響により検査の専門家として臨床検査技師の活躍の場が広がりました。

ちなみにAIによって仕事が失われる可能性については全く逆の調査結果も。例えばアメリカのマッキンゼー・グローバル・インスティテュートのリポートでは、全職業のうちAIによって完全に自動化されるのは5パーセントにとどまる、という予測が提示されています。

臨床検査技師の将来性については、少なくとも現時点で消滅を恐れる必要は全くありません。もちろんAIやロボット技術の進化によって臨床検査技師の仕事が劇的に変わる可能性は大いにあります。しかながら、その点は他の職業でも同じことです。

近年では医療技術の高度化にともなう分業化の進展を背景に、より高いスキルを持つ専門スタッフのニーズはむしろ増加しているといえるでしょう。臨床検査業務の重要性についても、日本の人口構成や疾病の構造が急速に変化する中でますます高まるものと予想されます。

臨床検査技師の年収を上げる方法

千載一遇
臨床検査技師の収入については、昇給と昇進の幅がせまいという専門職にありがちな傾向があるといえるでしょう。そこで臨床検査技師の限られた職域の中で年収を上げる方法について解説いたします。

資格を取得する

臨床検査技師を対象とした認定資格を取得することで資格手当が加算される可能性があります。主な認定資格としては、一級臨床検査士、二級臨床検査士、緊急臨床検査士、細胞検査士、超音波検査士などがあります。

役職に就く

一般企業と同様に医療機関でも昇格して管理職などの役職に就くことで給与のベースアップが見込めます。臨床検査技師の役職としては、医療機関では検査部部長や技師長など。臨床試験機関などの一般企業では部門長、室長、チーフ、フェローなどがあげられます。

管理職などの役職に就くには勤務期間や業務上の実績だけでなく、経営者や上司から信頼を得ることが重要です。また前述した認定資格を取得することで技能の高さをアピールしたり、現場の組織やチームから厚い人望を得られるように努力することも大切になります。

当直や夜勤がある職場へする

入院患者を受け持つ病院や救急医療機関は24時間態勢で患者の命を守っています。臨床検査技師もまた早番や遅番、当直、夜勤などのシフト制で勤務します。労働基準法の規定では、雇用主が従業員に時間外労働をさせる場合は割増賃金を支払わなければなりません。

そこで現在の職場の勤務形態がシフト制であれば、当直や夜勤を選択して休日出勤や深夜業に従事することで年収を上げることができます。

ちなみに時間外労働の割増賃金は通常の賃金の25パーセント以上。さらに時間外労働と深夜業が重複した場合は合計で5割増の賃金が得られます。また休日労働に深夜業が重なると割増率は6割以上となります。

年収が高い職場へ就職する

前述した厚生労働省の賃金構造基本統計調査や求人ボックス給料ナビの統計データでわかるように、臨床検査技師の平均年収は勤務先の規模や所在地によって大きく変わる傾向があります。年収を上げるには賃金の高い大都市圏の大手医療機関や一流企業へのが効果的です。

また現在の職場に昇格の余地が少なかったり、勤務制度に当直や夜勤がない場合なども転職によって年収を上げられる可能性が高くなります。

まとめ

  • 臨床検査技師は病院などの医療機関や検査機関においてさまざまな臨床検査を行う専門職です。
  • 臨床検査技師の年収は全国平均で約496万円。男性が約505万円。女性は約442万円となっています。
  • 臨床検査技師の年収は勤務先の規模や地域によって異なります。
  • 臨床検査技師の業務領域は自動化が進んでいますが、人による検査や判定は欠かせません。
  • 臨床検査技師の年収を上げる方法としては資格取得や昇進、当直や夜勤に従事する、転職するなどの方法があります。

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