初対面の人との会話、大勢の人を前にしてのプレゼンテーション、就活の面接など、大事な場面に限ってしていつも通りの力が発揮できなかった経験がある人は少なくないでしょう。

できればどんなときにも緊張しないでいたいですが、なかなか難しいのが現状です。
そこでこの記事では、緊張をしてしまう理由と緊張しないためのを解説します。
緊張のメカニズムを知って自分なりの回避方法を見つけておくことで、緊張と上手く付き合っていけるようになるでしょう。

人前で緊張してしまう理由


緊張をすると、「心臓がドキドキする」「体が震える」「大量の汗をかく」「上手く話せない」といった現象が起こります。
特に、なにかを初めて経験するシーンや人前で何かをするときには、緊張してしまうことが多いものです。

では、緊張をしてしまうのはどうしてなのか、まずは緊張してしまう理由を考えていきましょう。

他人の目や評価を気にしてしまう

人目を気にしたり、人からどう思われているのかが気になってしかたないという人は、人と関わるシチュエーションで緊張してしまうことが多くなります。
自分は人からどう評価されるかが気がかりで、よく思われたい、変なところを見せたくないと思うほどに緊張が増してしまいます。

完璧を求めている

完璧主義で「絶対に失敗してはいけない」という気持ちが強いと緊張感が高まります。
責任感が強く、自分は期待されているんだから完璧にこなさないとダメだと気負ってしまう人や、人にカッコ悪いところを見られたくないという気持ちが強いプライドの高い人は、人前でスピーチする場面などで緊張しがちです。

人間としての本能

緊張するというのは人間に備わっている本能ともいえます。
緊張を感じるのは、多くの人の前に立たされたり知らない人と初めて会うときが多いでしょう。未知のものに対するときに、恐怖を感じたり、襲われるかも知らないと身構えたりするのは、動物が本来持っている能力なのです。

精神的な病気の可能性も

どんな人でも、慣れないことをする場面では少しは緊張するものです。しかし、大量の汗をかいたり、話そうとしたことを忘れてしまったり、過剰にドキドキしたりを繰り返す場合は、ひょっとすると社交不安障害(SAD)の可能性があるかも知れません。

人前に多々させることに強い緊張と不安を感じ、日常生活に支障をきたすようであれば、一度専門医を受診してみてもよいかも知れません。

スピーチや面接で緊張しない5つの方法


いくら緊張するとはいっても、社会生活を送るうえでスピーチや面接を避けて通ることは難しいものです。
少しでも緊張を軽減できる方法を見つけておくことで、緊張する場面での助けになります。

身体の力を抜いて深呼吸する

緊張を鎮めるには、心を落ち着けてリラックスすることが大切です。まずは大きく深呼吸をしましょう。
腹式呼吸には副交感神経を優位にさせる効果があります。事前の準備も必要なく、立っていても座っていてもその場で一人でできる、最も手軽でおすすめのリラックス法です。

深呼吸をするときは腹式呼吸を意識します。
お腹を凹ませながらゆっくりと息を吐き切り、今度はお腹を膨らませながら鼻から息を吸い込みます。
ゆったりした気持ちでゆっくりと、これを何度か繰り返すのがポイントです。

また、緊張すると筋肉が硬くなります。顔の筋肉が硬直すると、表情が硬くなったり滑らかに話すことが難しくなったりしますから、意識的に口角を上げて笑顔を作ってみましょう。
笑顔には気持ちを前向きにする効果もありますので、一石二鳥です。

事前にリハーサルしておく

スピーチや面接の予定があれば、事前に何度もリハーサルをしておくことが大事です。
「失敗したらどうしよう」というのは緊張する原因の大きなものです。なので、失敗をしないという自信をつけておけばよいのです。

ポイントは、出来るだけ本番に近い環境でリハーサルすることです。
大きな会場でプレゼンを行うのであれば、大きな声で、前に何人もリスナーが座っていることをイメージしましょう。スーツを着るのもよいでしょう。
親しい友人や家族など頼める人がいれば、実際にリスナーや面接官の役で協力してもらえば、より本番に近い形で実践ができます。
想定される質問を考えて質疑応答までをシミュレーションしておくのがベストです。

人は初めてのことをするときは緊張しても、繰り返すうちにだんだんと慣れてくるものです。自分で「おっ、なんか慣れてきたな」と思うまで繰り返し何度も練習しておくと、余裕をもって本番に臨めるはずです。

自分だけのルーティンを作る

自分が落ち着ける方法を見つけてルーティンにするのも緊張をほぐす方法のひとつです。

アスリートを見ていると、ルーティンを持っている人が多いことに気づくでしょう。
代表的なのは元プロ野球選手のイチローで、バッターボックスに入る前、攻守交替のときなどにいつも決まった仕草をすることで有名でした。選手時代の昼食は毎日カレーライスしか食べなかったという逸話もあります。

緊張をほぐすルーティンに決まったものはありません。自分が落ち着く方法でよいのです。
手のひらに「人」の文字を書いて飲み込むとか、大事な場面には決まったネクタイを締めていくとか、大切な人に貰ったペンを握って喋るとか、自分なりの方法を見つけておくと気持ちが楽になります。

自分ではなく「話す相手」に意識を向ける

緊張をしてしまうのは、「どうしたら上手く話せるだろうか」「どうすれば緊張せず堂々とふるまえるだろうか」というように、意識が自分の方に向いているからだともいえます。
この意識の方向を相手に向けることを意識すると、緊張がほぐれていくものです。

コツは肯定的に考えることです。
「相手は嫌な気持ちになっていないだろうか」ではなく、「どうすれば相手が楽しい気持ちになるだろうか」「相手を喜ばせるにはどうしたらよいだろうか」という具合に考えるのです。

意識の方向を自分ではなく「相手」に向ける
否定ではなく「肯定」で考える

この2つができれば、今まで苦手だったことも克服していけるかもしれません。

焦らずゆっくり話す

緊張するとたいていの人は早口になります。この場を早く終わらせたいという気持から早口になっているのかも知れません。

でも、早口で喋ることはおすすめできません。自分が余計に焦ってしまいますし、周りの人にも緊張している空気が伝わってしまいます。
緊張しそうだな、と思ったときほど、ゆっくり話すことを意識してみてください。

ゆっくり話すにはポイントがいくつかあります。
まずは口を大きく動かすこと。これは表情が豊かに見えるという副次効果もあります。
そして一呼吸置きながら話すこと。文章にした場合に「。」がつくところでいったん話を止め、1~2秒間を置きます。
いったん口を閉じて、心の中で「イチ、ニ」ちと数えて次を話し出すとちょうどよい間になります。

普段から早口な人は、自分ではゆっくり過ぎると感じるくらいのスピードが、実は相手からすれば聞きやすい早さです。
ゆっくり、落ち着いた声のトーンで話せば、相手に信頼してもらいやすくなるというメリットもあります。

「どうしても緊張してしまう…」そんなときに心を落ち着かせる考え方


やっぱりどうしても緊張してしまう…そんなときは、気持ちをコントロールしてみましょう。

成功する姿をシミュレーションしておく

自分が行うこと、例えばプレゼンなら皆の前で発表しているところをシミュレーションしましょう。必ず成功している姿を思い浮かべてください。
自分が成功しているシーンが頭に浮かんでくると、大丈夫、できる、と自信が出てくるでしょう。そうすれば緊張も自然と和らいでくるはずです。

もうひとつ、シミュレーションするときは肯定的な言葉で考えましょう。「~ない」ではなく「~したい」と考えたほうが前向きな気持ちになってものごとが上手くいくものです。
「失敗したくない」ではなく「成功したい」、「緊張したくない」ではなく「リラックスしよう」のように、肯定的に考える癖をつけるとよいでしょう。

緊張している自分の状態を認める

「緊張しないようにしなくちゃ」と思えば思うほど、余計に緊張が高まってしまった経験がある人も多いでしょう。
もちろん緊張しないに越したことはありませんが、どうしても緊張してしまうシーンはあります。そんなときに「緊張してない、大丈夫」と自分をごまかすよりも、緊張している自分を認めてしまった方が気持ちが楽になることもあります。
「緊張しているけど頑張ろう」「自分にできるベストを尽くそう」と前向きに取り組めればよいのです。

「失敗してもいい」と思い込む

「失敗したらどうしよう」と思う気持ちが、強い緊張に繋がってしまうことはよくあります。でも、失敗するのはそんなにいけないことでしょうか。
よくよく考えてみると、ちょっと失敗したところで大した影響がないことも多いものです。もし発表の場で言い間違えたら言い直して誤ればよいのです。
「ちょっとくらい失敗したってなんてことないや」と思えば、緊張がほぐれて案外失敗しないですむものです。

まとめ この記事のおさらい

  • 他人の目や評価を気にする人やものごとに完璧をもとめる人は、人前で緊張してしまいがちです。
  • 人が緊張するのは、人間としての本能が働いているからだともいえます。
  • スピーチや面接で緊張しないためには、事前に繰り返しリハーサルしておくこと、自分だけのルーティンを作ること、焦らずゆっくり話すことなどを実践しましょう。
  • 緊張が解けないときには気持ちの転換をしてみましょう。「失敗してもいい」と思い込んだり、自分が緊張していることを認めると気持ちが楽になります。
  • 日常生活に支障をきたすほど過剰に緊張する場合は精神的な病気の可能性もあります。専門医の受診をおすすめします。