この記事では、「ホワイト企業」の意味や特徴、見極め方、ホワイト企業4選などについて考察します。

就職するなら、働きやすい環境の会社に入りたいと誰でも思うはず。しかし、実際の職場では、残業やノルマなど厳しい現実に悩まされている人も少なくありません。

働く人が、生き生きと仕事ができる会社。ホワイト企業なら、明るい将来が期待できます。
この記事を通して、「ホワイト企業」に関する知識を深め、会社選びの参考にしてください。

ホワイト企業とは

「ホワイト企業」とは、「従業員にとって良好な職場環境が確保されている企業」の意味で、「ブラック企業」の対義語でもあります。

長時間残業や休日出勤、過剰なノルマ、パワハラやセクハラなどが常態化している会社がブラック企業です。

「過労死」が大きな社会問題化している現在、働き方改革により労働時間などの法的な規制ができましたが、まだまだブラックな企業は少なくありません。

このような中、「ブラック企業」の対義語として登場したのが、「ホワイト企業」です。
ここで注意したいのが、ホワイト企業=大企業ではないということです。
過労死で裁判になった大企業もあり、ホワイトどころかブラックのレッテルを張られている大企業も存在します。

「ホワイト企業」と呼ばれるにはいくつかの基準があります。では、次にホワイト企業の特徴を紹介します。

ホワイト企業の5つの特徴

「ホワイト企業」には、以下のような5つの特徴があります。

給料や福利厚生が充実している

労働の対価として給料をもらいますが、総額では普通でも基本給が低いような給与体系では不安があります。なにかと手当をつけて総額を増やしている会社は、簡単に手当て削ることができるのです。
個人の能力をきちんと基本給に反映している給与体系を実践している会社は、ホワイト企業の特徴です。当然、個人の評価も正当におこなわれています。

また、社会保険や雇用保険だけでなく、企業独自の福利厚生が充実しているのも大きな特徴です。社員食堂や住宅手当、子育て支援など、社員にやさしい福利厚生が充実しています。

有給休暇取得率が高い

働き方改革では、「休み方」も支援していますが、2017年度の厚生労働省の調査では、有給休暇の取得率は52.4%と報告されています。
政府は2020年までは、取得率70%を目指すと言っていますが、現実的は厳しいものがあります。
有給休暇が取得できない理由には、「仕事量が多い」「自分だけ取りづらい」などがあるようですが、有給休暇は法律でも定められたものです。
これまで、有給休暇は労働者からの申告制でしたが、2019年4月からは使用者が年次有給休暇のうち5日は取得させることが必要になりました。
しかし、有給取得率の平均は年間で約9日ですから、かなり少ない日数と言えるでしょう。

ホワイト企業では、有給休暇取得率も高く、90%以上の会社がほとんどです。

残業や休日出勤が少ない

ホワイト企業の大きな特徴と言えるのが、残業や休日出勤が少ないことです。
労働基準法では、残業時間の上限を原則月45時間とし、この上限を超えることはできません。
厚生労働省が発表した令和元年10月までのデータでは、平均の残業時間は約14.5時間と発表されていますが、民間の調査では約24.9時間となっています。
これは、調査対象が雇用主か労働者かの違いによるもので、約24.9時間の方が現実的と思われます。

ホワイト企業の場合、残業時間は月10時間以下が多く、残業ゼロを実践している会社も少なくありません。

女性の働きやすさにも力を入れている

スイスのシンクタンク、世界フォーラムが2019年に発表した「男女平等度」では、日本は121位と先進国の中でも最低の評価をされています。
賃金格差やセクハラ、マタハラなど、まだまだ女性差別の状況が残っているのが、日本の現状と言えるでしょう。

ホワイト企業では、男女の区別なく正当な評価を下し、さらに育児休暇や子育て支援など女性が働きやすい環境づくりがおこなわれています。

離職率が低い

職場環境が良ければ、社員の勤続年数も長くなります。当然、中途退社する社員は少ないでしょう。
離職率とは、一定の期間(1年もしくは3年)に何人が退職したかを示す割合です。
厚生労働省の2017年の調査では、大学を卒業した新入社員の離職率は11.5%となっています。一概に離職率だけで企業の良し悪しは判断できませんが、離職率が高いのはなにか問題があると言えるでしょう。

ホワイト企業の特徴は、離職率が低いことです。新入社員の転職傾向が強い時代に、転職率が低いのには企業に魅力があるからです。

ホワイト企業を見極める4つの方法

企業理念や賃金体系だけでは、企業がホワイトなのか判断することは難しいでしょう。
ホワイト企業を見極めるには、以下の4つの方法があります。

求人情報を見る

手軽にチェックできるのが、求人情報です。
求人情報の募集要項には、給与や休日などが記載されていますが、その内容からホワイト企業なのかを判断することが可能です。
まずは、きちんと基本給が記載されているかです。ブラック企業は基本給を低くして、さまざまな手当を含めたトータル金額だけを記載しています。
ホワイト企業は、金銭面でも基本給や各種手当を明確にしています。
また、休日に関しても「週休二日制」という表現はしません。「週休二日制」とは一か月の間に1回は週2日休みがあるという意味で、毎週必ず2日休みがある「完全週休二日制」とは異なります。
ホワイト企業なら、曖昧な表現をせずに「完全週休二日制」と記載しているはずです。

また、求人を常にしている企業は、ホワイト企業とは思えません。人が定着しないので募集していることが多いからです。
逆に、ホワイト企業は募集が少ない傾向にあります。

3年離職率を確認する

企業の離職率もホワイト企業かどうかを見極める重要なポイントです。会社四季報には、3年離職率や平均勤続年数が公表されています。
平均勤続年数が長く、離職率が低い会社は、社員にとって居心地の良い職場と判断できるでしょう。

国税庁が公表している平成29年の「民間給与実態統計調査」では、全体の平均勤続年数は、12.1年になっています。
厚生労働省が発表した離職率の平均が11.5%ですから、少なくともホワイト企業なら、離職率は数%で、平均勤続年数も15年以上は欲しいですね。

また、3年離職率や平均勤続年数が「N/A(No Answer)」になっている会社は注意が必要です。会社のホームページなどでチェックする必要があります。

企業の決算書をチェックする

ホワイト企業なら、ホームページなどで決算書を公開しています。また、上場企業であれば、金融庁が運営しているサイト(EDINET)で検索できます。

決算書には、事業の伸び率や収益性、自己資本率などが記載され、企業の将来性や財務状況等の判断材料になります。
一般的に、自己資本比率が40%以上であれば優良企業で、70%以上なら超ホワイト企業と言えるでしょう。

中小企業で会社のホームページから決算書がわからない場合は、チェックが難しくなります。信用調査会社などのサイトでは、1社数百円から調べられますが、より詳しい情報は数万円の費用がかかります。

実際の職場を体験する

働きやすい環境であることもホワイト企業の大切な要素です。

そのためには、インターンシップや試用期間を利用しましょう。
職場の雰囲気がどんよりしていたり、上下関係がギクシャクしているような会社は、ホワイト企業とは思えません。ホワイト企業なら、社員は生き生きとして働いているはずです。

もっと知りたい場合は、休み時間に直接社員から話を聞くことも良いでしょう。

新卒の「3年後定着率」が高いホワイト企業4選

今や新入社員の3人に1人が3年以内に離職すると言われています。
そのため、「3年後定着率」は、ホワイト企業であるかを判断する重要な基準にもなっています。

東京経済者の「CRS企業総覧(雇用・人材活用編)2019版」では、2年以上連続で3年後定着率100%を実現している企業のランキングが発表されました。

ここでは、超ホワイト企業とも言える、新卒の3年後定着率5年連続100%のベスト4社を紹介します。

戸上電機製作所
戸上電機製作所は、大正14年(1925年)に創設された、配電事業に関する製品やシステムを手掛けるメーカーです。
東証2部上場の高圧開閉器において国内トップシェアを誇る優良企業。九州・佐賀を拠点に、国内各所に工場や営業所を設置しています。

技術面だけでなく人間的に成長するリーダー教育に取り組み、近くに目標とする人がいるという環境づくりで、企業の総合力を高めています。その結果、3年後定着率100%を5年連続で達成しました。

ヒラノテクシード
フィルム・金属箔・紙・布などをコーティングするマシンを製造する東証2部に上場している奈良県の機械メーカーが、ヒラノテクシードです。
粘着テープや液晶パネルのディスプレイ、リチウム電池などに加え、マスクや紙オムツ、飛行機の部品など幅広い分野で使われています。

「働きがい・生きがいを大切にする経営」をモットーに、働きやすい環境づくりを実践しています。

WOWOW
WOWOWは、1991年に日本初の民間衛星放送局として開局し、ドラマやスポーツ、音楽など世界中の番組を有料で提供している会社です。
テレビ局の視聴率が低迷している中、WOWOWは年々加入件数を伸ばし280万件を超えています。
給与基準も高く、忙しい部署もありますが、時短勤務や残業なしなど働く女性にやさしい環境が整っています。
日清製粉グループ本社
明治41年に小麦粉の製造・販売を主な事業に誕生したのが、「日清製粉株式会社」です。
以来、加工食品、配合飼料、ペットフード、医薬品、エンジニアリングなど事業の多角化をはかり、平成13年には「製粉」「食品」「配合飼料」「ペットフード」「医療」の各事業を分社化しました。
これら会社の株式を100%保有するのが、株式会社日清製粉グループ本社です。

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