【1分簡単に】シンクタンクとは?コンサルとの違いや向いてる人|仕事内容・企業・年収を解説

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この記事では、「シンクタンク」の意味、コンサルタントとの違い、仕事内容、企業、年収、転職方法などについて考察します。

経済ニュースなどでよく耳にする「シンクタンク」。企業などを支える重要な集団のイメージがありますが、具体的な活動内容を問われると正確に答えられる人は、そう多くないでしょう。

ビジネス環境が大きく変わりつつある今、「シンクタンク」は企業にとって欠かせない存在です。この記事を通して、「シンクタンク」の仕事内容や資格などを理解し、職業選択の参考にしてください。

シンクタンクとは

「シンクタンク」は、政治・経済・科学などのさまざまな専門家を集め、国の政策や企業戦略などを研究分析しアドバイスを与える組織です。英語の「think tank」のカタカナ表記で、日本語では「頭脳集団」と訳されます。

シンクタンクの起源は、19世紀後半にイギリスで創設された「フェビアン協会」や20世紀初頭に設立されたアメリカの「ブルッキングス研究所」などがあげられています。

しかし、近代的なシンクタンクに影響を与えたのは、1948年に設立された「ランド研究所」です。日本空爆を指揮した男たちが作った軍事シンクタンクとして誕生して以来、さまざまな分野でアメリカをリードしてきました。

シンクタンクは政府系の非営利組織として活動していましたが、1960年代に入ると民間企業も登場し、急激に発展していきました。日本では、高度成長期の中で複雑化した問題に対応する必要性から、1970年代初頭から民間のシンクタンクが次々と誕生しました。

現在では、シンクタンクと言ってもその分野は多岐に渡っています。政府系の政策研究から、製造業や金融業などさまざまな業界で時々の状況に合わせた研究・分析がおこなわれています。

シンクタンクとコンサルタントの違い

シンクタンクと類似したものに「コンサルタント」があります。ともに依頼先の問題を解決するという点では同じですが、クライアントや仕事の関わり方などが異なります。ここでは、シンクタンクとコンサルタントの違いを3つ紹介しましょう。

依頼されるテーマが違う

シンクタンクの場合、主に社会や経済などにおける特定のテーマを依頼されることが多くなります。例えば、経済産業省が公開している報告書では、「令和4年度ヘルスケアサービス社会実装事業に関する報告書」のように具体的なテーマが掲げられています。

コンサルタントの場合は、「企業風土の刷新」や「新しいビジネスモデル」など抽象的なテーマが多く、クライアントと議論しながら戦略の方向性を見つけていきます。そのためクライアントとかかわる時間も多くなり、必然的にコストが高くなるのも大きな特徴です

求められるスキルが違う

特定のテーマに絞り込んだ調査が、シンクタンクに課せられた仕事ですから、その分野での専門性が求められます。高い専門性を駆使し、調査分析をおこない的確で説得力のある報告書を作成しなければなりません。

コンサルタントは、調査分析力やプレゼンテーション能力も必要ですが、クライアントとの接触機会が多くなるので、コミュニケーション能力がもっとも重要になります。企業のトップクラスと接するには、人間的な信頼関係を構築することも大切です。

働き方が違う

シンクタンクの場合、詳細な調査や分析が求められるので、高い専門性を持った数人でチームを組むことが多くなります。予算規模が大きくなれば人員も増えるため、より効率的なチームワークが求められます。

一方、コンサルタントの場合、比較的少人数で、プロジェクトのリーダーが主体となって行動するのが一般的です。リーダーは責任ある立場ですが、その分自分の判断で仕事を進められるので、自由度は高くなります。

シンクタンクの仕事内容

シンクタンクの仕事は官公庁をはじめとしてさまざまな業界に渡っています。その仕事内容は、大きく以下の3つに分けられます。

依頼されたテーマの調査研究

シンクタンクの仕事は研究員と呼ばれる専門家がおこないます。リーダーである主任研究員が案件を受託し、副主任研究員がプロジェクトを管理します。実際の調査研究は研究員の仕事です。

研究員は、依頼された特定のテーマの調査研究をおこないます。調査内容によっては国内外を問わず、現地に直接赴くことも少なくありません。

分析レポートの作成

シンクタンクが依頼されるテーマは経済や社会、先端技術などに関するものがメインです。そのため、シンクタンクが作成したレポートは、専門家の知見が得られるものとして、さまざまな業界や企業が注目しています。

分析レポートの作成は、まさに研究員の真価が問われるものと言えるでしょう。そのため、研究員をサポートする準研究員の役割も大切になります。

分析結果に基づく提言

シンクタンクの難しさは、官公庁から依頼された政策などに関する提言です。ケースによっては、その分野の権威と呼ばれる学者の意見を取りまとめるのが主な仕事であることも少なくありません。

しかし、日本経済の低迷、少子高齢化、労働力不足など問題は山積しています。このような中、的確な調査分析に基づいたシンクタンクによる提言は無視できません。主任研究員は、分析結果からの提言をクライアントにプレゼンテーションします。

シンクタンクは、もともとは非営利団体の政府系シンクタンクがメインでしたが、最近では企業系のシンクタンクも多くなり、より積極的な提言をおこなっています。

コンサルタントの仕事内容

シンクタンクと異なりコンサルタントの仕事は、特定なテーマに限られたものではなく、企業や団体の課題を発見し、解決に導くサポートをおこなうものです。そのため、仕事内容も多岐に及びます。

具体的には、「クライアントの現状把握」「課題の分析」「解決策の提案および実践」などの仕事があります。課題解決のためには直接現場に赴いて働くことも少なくありません。この分は、シンクタンクの仕事とは大きく異なると言えるでしょう。

代表的なシンクタンクの企業例

シンクタンクには、政府系シンクタンクと民間系シンクタンクの2つがあります。ここでは、主な政府系シンクタンクと民間の5大シンクタンクと呼ばれている企業を紹介します。

政府系シンクタンク

  • 経済社会総合研究所(内閣府のシンクタンク、理論や政策の橋渡しを担当)
  • 経済産業研究所(経済産業省が所管する独立行政法人)
  • 日本国際問題研究所(中長期的な外交問題の研究を行う公益財団法人)
  • 防衛研究所(防衛省内の研究機関)

民間シンクタンク

  • 株式会社野村総合研究所(1965年に誕生した日本初の本格的な民間総合シンクタンク)
  • 株式会社三菱総合研究所(約760名の多様な研究員を擁する総合シンクタンク)
  • 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(多岐に渡る分野の調査・研究を実践)
  • 株式会社日本総合研究所(三井住友フィナンシャルグループの子会社)
  • みずほリサーチ&テクノロジーズ(金融を中心とした戦略をサポート)

シンクタンクの平均年収

シンクタンクの平均年収は、政府系と民間系とは大きく異なります。

政府系シンクタンクの平均年収

政府系シンクタンクの場合は、公務員ですから年収も公務員の給与規定に準じます。

人事院の「令和4年 国家公務員給与等実態調査の結果概要」では、平均給与額が41万3,064 円(平均年齢42.5歳)と報告されています。

公務員の場合、ボーナスが年間4.45ヵ月分支給されるので、平均年収は約679万円。シンクタンクの仕事は当然残業も多くなります。法的上限の月45時間残業したとして、1か月で約11万円、月132万円が加算され、平均年収は約811万円になります。

民間のシンクタンクの平均年収

民間の場合、当然企業によって年収の違いはあります。以下の表は有価証券報告書および口コミサイトからピックアップして5大シンクタンクの平均年収を比較したものです。あくまでも目安としてお考えください。

  • 株式会社野村総合研究所 1,242万円(40.6歳)
  • 株式会社三菱総合研究所 1,025万円(42.3歳)
  • 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 818万円(37.6歳)
  • 株式会社日本総合研究所 937万円(40.5歳)
  • 株式会社日本総合研究所 849万円(38.4歳)

シンクタンクへ転職するには?

シンクタンクへ転職は、一般的にコンサルティング経験者が有利であることは言うまでもありません。しかし、未経験であっても採用されるケースもあります。この場合、20代後半から30代前半の有名大学出身者が多いようです。

また、30代前半以上の未経験者でも能力やスキルによっては採用される可能性は十分にあります。最近は未経験者でも積極的に採用している企業も増えているようです。

求められる能力、スキル

コンサルタント業務の経験がなくても、経営企画部やマーケティング部など企業戦略や調査分析の経験があれば、より採用されやすくなります。なぜなら、コンサルタントには論理的な思考力やプレゼンテーションスキル、調査分析スキルなどが求められるからです。

さらにクライアントの良好な関係を築くためにもコミュニケーション力は重要です。このような能力やスキルに自信があれば、シンクタンクへの転職は夢ではありません。

まとめ この記事のおさらい

  • 「シンクタンク」は、政治・経済・科学などのさまざまな専門家を集め、国の政策や企業戦略などを研究分析しアドバイスを与える組織。
  • シンクタンクとコンサルタントでは、テーマやスキル、働き方などに違いがあります。
  • シンクタンクの仕事内容は、主に「依頼されたテーマの調査研究」「分析レポートの作成
  • 」「分析結果に基づく提言」があります。
  • コンサルタントの仕事内容は、「クライアントの現状把握」「課題の分析」「解決策の提案および実践」など
  • 政府系シンクタンクは、「経済社会総合研究所」「経済産業研究所」「日本国際問題研究所」「防衛研究所」など。
  • 民間の5大シンクタンクは、「株式会社野村総合研究所」「株式会社三菱総合研究所」「三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社」「株式会社日本総合研究所」「みずほリサーチ&テクノロジーズ」。
  • シンクタンクの年収は、政府系で約811万円、民間で818万円から1,242万円が目安。
  • シンクタンクへの転職には、論理的な思考力やプレゼンテーションスキル、調査分析スキル、コミュニケーション力が求められます。