ビジネスメールでの「ご担当者様」「各位」の使い方と4つの宛名例

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ビジネスメールを送付するとき、相手の担当者名がわからないことがあります。
そのような場合は、宛名を「ご担当者様」とするのが一般的ですが、この用法はマナーに則しているのでしょうか。
文法的には「ご担当者様」は「担当者」に「御(ご)」という敬語の接頭辞と、接尾辞の「様」をつけた呼称になります。
語法としては決してまちがいではありませんが、意見が分かれる呼称でもあり、使い方で悩むことも少なくありません。
そこで、ここでは「ご担当者様」という宛名の表記を中心に、ビジネスでよく使われる敬称について解説いたします。

「ご担当者様」とは

メールや書状を送付する際、相手の担当者名がわからない場合に「ご担当者様」と記載することが、マナーのひとつになっています。
たとえば、ハローワークが発行する「応募書類の作り方」というガイドブックには、以下のような記載があります。

宛先の担当者名がわからない場合は、「採用担当者の所属部署」の右に「御中」と記載したり、「応募先企業名」や「採用担当者の所属部署」の下の段に「採用ご担当者様」と記載しても差し支えありません。

この記述でもわかるように、現在のビジネスシーンでは「ご担当者様」という宛名が正しい使い方として一般化しています
またメールや文書だけでなく、電話で担当者と話したいときも「ご担当者様をお願いします」と言うことができます。

「ご担当者様」「ご担当様」「担当様」では、どれがよいのか

「ご担当者様」と同じような呼称に「ご担当様」「担当様」があります。
いずれも業務担当の個人を示す意味で使用できる言葉です。
「ご担当者様」は、文法的には「担当者」の敬語表現とみることができます。
意味は「担当しておられる者様」となり、ややちぐはぐな印象があります。
日本語としては「人事担当様」「総務担当様」のような書き方でも良いのですが、昨今のビジネスシーンでは敬語を意識しすぎるあまり、「社長様がおっしゃられたように」といった過剰敬語が当たり前になっているのが実情です。
「ご担当者様」の場合も、「担当様」「ご担当様」よりていねいに感じられる呼び方として、ビジネスの現場に広まっています。
また「担当様」「ご担当様」というと、業務を擬人化したような印象がある、という意見もあります。
そのため、ハローワークのガイドブックでもわかるように、現在のビジネスシーンでは「ご担当者様」が正しい使い方として一般化しています
宛名に迷った場合は「ご担当者様」とするのが無難です。

「ご担当者様」と表記するのは失礼なのか

現在のビジネスシーンで、「ご担当者様」という表記や呼び方が失礼にあたることはありません。
ただ、メールや書状をやりとりする相手の名前を知らないこと自体がそもそも失礼にあたるのでは?という意見もあります。
ビジネスの交渉を円滑に進めるためにも、担当者に関する情報収集は不可欠です。
宛名に「ご担当者様」と書く前に、相手の名前と肩書きぐらいはしっかり確認するようにつとめてください。

宛名に「ご担当者様」を使うケース

文書やメールを送る相手の部署と名前がわかったら、「総務部 小林様」「総務部 小林課長」のように、担当者の名前を宛先にするのが一番わかりやすく、間違いもありません。
名前は分からないけれど、その業務を担当する人がいる場合には、「ご担当者様」と記載しましょう
また、相手とは電話のやりとりが中心で、名前は分かるけれども漢字の表記に自信がない、という場合にも「ご担当者様」は使えます。
ただし名前を知りながら「ご担当者様」と書くのは、漢字をまちがうよりも失礼だと思われる可能性もあります。
漢字の表記が分からない場合は、すなおに相手に確かめましょう。

【使用例】
・株式会社○○ 人事部 採用ご担当者 様
・株式会社○○ 人事部 採用課 ご担当者 様
・株式会社○○ 営業部 受注ご担当者 様

「ご担当者様」の正しい使い方と気をつけたい間違った使い方

「ご担当者様」を宛名する際、文法的に間違いやすいポイントがいくつかあります。
そこで具体例を見ながらチェックしてみましょう。

【部署名も同時に書く場合】

(×)株式会社○○ 営業部 受注ご担当者 御中
(×)株式会社○○ 営業部 御中 受注ご担当者 様
(○)株式会社○○ 営業部 受注ご担当者 様

「様」は個人名に付加する敬称です。
それに対して「御中」は会社名や部署名に付加する敬称です。
「様」や「御中」は宛名の最後に1度だけ使用します
「営業部御中 受注ご担当者様」のように同じ宛先に併記しないように気をつけましょう。
宛名の最後が個人名であれば「様」、社名や部署名であれば「御中」と覚えておけば間違いありません。

【【様と宛、行の使い分け】】

(×)株式会社○○ 営業部 受注ご担当者 宛
(×)株式会社○○ 営業部 受注ご担当者 行
(○)株式会社○○ 営業部 受注ご担当者 様

「宛」や「行」という言葉は、あらかじめ返信用封筒を同封する際など「自分に差し出す時」に使用します。
相手に使うものではありません。
「宛」や「行」を相手に使うと大変失礼になります。
決して間違わないように注意しましょう。

【担当が複数人いる場合】

「ご担当者様」を使用する時に気をつけたい点は、「ご担当者様」と表記する際は送りたい相手が1人だということです。
複数人いるような場合は、その部署宛てに送るか、「各位」を使用します。

(×)株式会社○○ 営業部 受注ご担当者 様各位
(×)株式会社○○ 営業部 受注ご担当 各位様
(○)株式会社○○ 営業部 受注ご担当者 各位
(○)株式会社○○ 営業部 受注ご担当 各位

「各位」は、送りたい相手が2人以上の複数人の場合に使用します
また、「各位」には「様」と同様に敬称の意味がすでに込められているので、「様」と同時に使うことはありません。
目上の人や立場が上の人に「各位」を使っても失礼には当たりません。
「各位」の使い方でよく問題になるのが「お客様各位」や「お得意様各位」という表現です。
「様」と「各位」を併用すると敬称が2重になり、文法的には間違いになります
ちなみに「各位」は「様」とちがって、単独でも使用することができます。
表記に迷った場合は「各位」とだけ記しても、マナー違反や間違いにはなりません。

「ご担当者様」についてのまとめ

ビジネスメールで宛先の担当者名がわからないときは、「ご担当者様」とするのが無難です。
敬称の「様」は個人に、「各位」は複数の方に、「御中」は部署や社名に使用するものです。
「各位」は「様」と同じく敬称ですので、「各位様」のようにならべて使うことはありません。
「各位」は単独でも使うことができます。

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