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この記事では「モデレーター」について解説しています。モデレーターは「司会者」や「仲裁者」を意味する英語ですが、テレワークやリモートワークの普及とともに「配信を管理する権限」という意味でも使われるようになりました。
そこでこの記事ではモデレーターの基本的な意味とともにIT分野を中心としたビジネス上での使い方や類義語、英語表現などを詳しく解説していきます。
「モデレーター」の意味とは
「モデレーター(moderator)」は、英語で司会者や仲裁者、会議などの進行役を意味をする言葉です。IT用語では、リモート会議の進行役やオンラインイベントでコメント対応を行う人、およびその権限の意味でも使われています。
WebサイトやSNSなどを利用してオンラインで開催されるイベントでは、視聴者のコメントにゲストが応えたり、コメント欄を盛り上げることで視聴者の参加者意識を高めることが必要になります。
そのためモデレーターによるコメントの選別や対応の善し悪しがイベントの成否を決めることも多く、YouTubeなどの大手投稿サイトでは不適切な投稿や悪意のあるコメントをふるいにかけて削除する業務もモデレーターの重要な役目です。
ビジネスでの「モデレーター」の役割
ビジネスにおけるモデレーターの役割は、会議やミーティングの参加者全員が公平かつ積極的に意見交換したり、情報を共有できるように尽力すること。日本のビジネス環境では一般的に社員や関係者が積極的に発言しにくい雰囲気があります。
そこで会議や討論の場で参加者から忌憚のない意見を引き出す一方で、話の方向が主題から逸脱しないように調整したり、事実に反する主張や一部の強引な意見に流されないように会議や討論のルール厳守を徹底することが重要です。
YouTubeやTikTokでの「モデレーター」の役割
またYouTubeやTikTokなどのライブ配信やSNSを利用したオンラインイベントでは、モデレーターが「お知らせ」などの機能で視聴者に配信情報を伝えたり、コメント投稿やチャット、発言などの内容をチェックしたりします。
情報共有サイトでは写真や動画、コメントなどの投稿をチェックして不適切なコンテンツを削除することをモデレーションといい、それを行う人を「モデレーター」と呼んでいます。
大手企業のLIVE配信のように視聴者が多いイベントでは、モデレーターがイベントの健全性を保つために不適切な投稿を削除したり、特定のユーザーの発言や投稿をブロックしたりすることも少なくありません。
この場合、「モデレーター」の役割は不適切なコンテンツのフィルタリングがメイン。会議の進行役のように投稿者同士のコミュニケーションや合意形成をサポートすることはありません。
「モデレーター」の語源
「モデレーター」の語源は英語の「moderator」。意味は「仲裁者」「(会議などの)司会者」「議長」などをあらわします。「moderator」の動詞または形容詞は「moderate」で「節度ある」「穏健な」などの意味をあらわします。
ちなみに「moderate」のイタリア語の「moderato」は音楽用語の「モデラート」の語源。楽譜に「moderato」と書かれていたら、作曲者が「控えめな・節度ある」あるいは「中くらいの速度で」演奏することを指示しています。
「モデレーター」と「ファシリテーター」の違い
「モデレーター」とよく似た言葉に「ファシリテーター(facilitator)」があります。日本語ではともに「司会・進行役」と訳されることも。厳密には「モデレーター」と「ファシリテーター」では微妙な意味の違いがあります。
まず「モデレーター」は司会者と同時に仲裁者としての役割を持つ仕事です。会議や討論の場では賛否を争う場合、「モデレーター」は中立的な立場で参加者双方の意見を聞き出し、知識や認識を共有することで全員が納得できる結論に導きます。
ライブ配信などのオンラインイベントでは、配信者が視聴者の中から「モデレーター」を選定。この場合、モデレーターは配信者に代わって視聴者のコメントや発言を監視する権限を持ちます。
一方、「ファシリテーター」は会議の「仲裁」よりも「進行」がメイン。議論や討論だけでなく、参加者からさまざまな情報を引き出すことで他の参加者や聴衆と知見を共有。互いに理解を深めながら意見交換することで合理的な結論に導きます。
「ファシリテーター」の役割は単に賛否を決するよりも、参加者の合意を形成することにあるといえるでしょう。意見の対立が起っても多数決で決定するのではなく、議論の要点を整理して円滑に合意を導き出せれば参加者の結束力が高まります。
ちなみにオンラインイベントなどでコメントを監視する権限を意味するのは「モデレーター」だけで、「ファシリテーター」にそのような意味はありません。
- モデレーター:中立的な立場での司会者。時には「仲裁」も
- ファシリテーター:「進行」がメインで個人的な意見は言わない
「モデレーター」のビジネス上での使い方・例文
一般的なビジネスシーンでは「モデレーター」は会議やイベントの司会進行役を意味します。一方、インターネットのライブ配信やオンラインイベントでは、モデレーターがコメント投稿などの管理や監視を行います。
- 「モデレーター」を使った例文
「モデレーター」の類義語と例文
「モデレーター」と同じ意味を持つ類義語としては、前出の「ファシリテーター」のほかに「MC」「コーディネーター」などをあげることができます。
「MC」は英語の「master of ceremony」の頭文字。日本ではおもにテレビ番組などの司会を「MC」と呼びます。
「コーディネーター」は複数の作業や情報を統括して管理する人のこと。ファッション業界では服装のコーディネートを決めるスタイリストのことを「ファッションコーディネーター」と呼びます。
一般のビジネスシーンでは、パネルディスカッションやシンポジウムなどで質疑応答や討議がスムーズに進むようにパネラーと主催者間の意見や目的を事前に調整したり、議論をまとめる人を「コーディネーター」と呼んでいます。
「モデレーター」もまた単なる司会・進行だけでなく、会議や討論が効率的に進行するように事前準備や調整を行う点で「コーディネーター」と近い業務といえるでしょう。
「モデレーター」の英語表現
「モデレーター」は英語の「moderator」をカタカナ表記にした言葉ですから、英語でも同じ意味で表現できます。
「moderator」の例文
Mr. Taro Tanaka, President of Tanaka Corporation, will be the moderator.
司会は田中商事代表取締役の田中太郎氏が務めます。
まとめ
- 「モデレーター」は司会者や仲裁者、会議などの進行役を意味をする言葉です。
- IT業界における「モデレーター」はリモート会議の進行役やオンラインイベントでコメント対応を行う人、およびその権限を意味します。
- 「モデレーター」の類義語には「ファシリテーター」「MC」「コーディネーター」などがあります。
- 「モデレーター」は英語の「moderator」が語源ですから、英語でも同じ意味で表現できます。