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試用期間とは、企業に採用された後、本採用されるまでの一定期間のことをさします。試用期間中の解雇が認められるケースはどのようなものか、試用期間中の解雇の手続きはどのように行うのかが疑問点としてあげられます。
試用期間中の解雇について理解するために、この記事では主に以下の3点を解説します。
・試用期間中の解雇が認められるケース
・試用期間中に解雇する場合の手続き
・試用期間を設ける場合の注意点
この記事を通して、最終的にはどのような場合に試用期間中の解雇が認められるのかを理解することが出来ます。
試用期間中の解雇が認められるケース
試用期間中は、雇用者と企業は「解約権留保付労働契約」を結びます。
労働契約は、企業側に契約の解約権が与えられるため、試用期間中に適格ではない人物だと判明した場合には、雇用者との契約を解約することが可能です。
しかし、試用期間中の解雇は客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当とされる場合でしか解雇することはできません。企業での仕事に適してないという理由だけでは解雇は認められません。
試用期間中の解雇が認められたケースには、経歴詐称や無断欠勤を繰り返す場合や、著しい能力不足などがあげられます。
労働者の状態だけが解雇するための条件として必要なのではなく、企業側が指導をした上で、解雇する他にどうすることもできないという状況の際に、労働契約を解約することができます。
試用期間中に解雇を成立させるためには、口頭のみでは十分な証拠にはなりません。
労働者が適格な人物ではないということを証明するための記録や、企業側が指導したことを証明するための資料が必要です。
試用期間中に解雇する場合の手続き
試用開始から14日を過ぎて解雇する場合の手続き
試用期間中に解雇する場合、使用開始から14日を過ぎてからの解雇であれば、通常の解雇と同様の手続きを行わなければなりません。
具体的な手続きは、労働者に対する30日前に解雇予告を行い、30日前に解雇予告を行わない場合には、解雇までの平均賃金を払う必要があります。
試用開始から14日以内に解雇する場合の手続き
試用期間中に解雇する場合、試用期間から14日以内の解雇であれば、通常の解雇の手続きに必要な労働者に対する解雇予告をする必要はありません。
しかし、試用期間から14日以内の解雇であっても、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当とされる場合でしか解雇することは出来ないため注意が必要です。
企業が労働者に対して適格ではない人物だと判断するには、使用開始から14日以内というのは期間が短いため、解雇が認められる場合は多くありません。
試用期間を設ける場合の注意点
試用期間を設ける場合には試用期間の長さに注意する
試用期間中の長さには特に決まりがありませんが、一般的には3ヵ月程度です。試用期間を長く設ける場合であっても、6ヵ月程度が妥当な期間です。
試用期間は、労働者が適格な人物であるのかを判断する期間であり、労働者にとっては身分が不安定な期間であるため、長期的な試用期間を設けることは、民法における公序良俗違反となってしまう場合があります。
その他の注意点として、無条件で試用期間を延長することはできません。試用期間を延長するためには、以下のような条件を満たす必要があります。
・就業規則や雇用契約書に、試用期間が延長する可能性があることについて定められていること。
・採用時に、試用期間が延長する可能性があることについて労働者との合意が成立していること。
試用期間の延長を繰り返すことも認められていないため注意が必要です。
試用期間中であっても最低賃金を下回らないようにする
試用期間中であっても、雇用者に対する給与は最低賃金を下回らないように注意しなければなりません。
必要に応じ雇用保険や社会保険などの加入手続きをするようにする
試用期間中であっても、必要に応じ雇用保険や社会保険などの加入手続きをしなければなりません。
雇用保険への加入が必要な労働条件は、1週間の所定労働時間が20時間以上であり、31日以上の雇用見込みがあることです。
社会保険への加入が必要な労働条件は以下の通りです。
・1週あたりの所定労働時間と1ヶ月あたりの所定労働日数が、一般社員の4分の3以上の従業員である
・所定労働時間が週20時間を超えている
・月給が8万8000円以上である
・1年以上継続して適用事務所に勤務する見込みがある
・学生でない
以上の労働条件に当てはまる場合には、試用期間中であっても加入手続きをしなければいけないということに注意が必要です。
試用期間中の解雇についてのまとめ
- 試用期間中の解雇は、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当とされる場合のみ可能です。
- 試用期間中の解雇が認められるケースは、経歴詐称や無断欠勤を繰り返す場合、著しい能力不足などです。
- 試用期間中に解雇を成立させるためには、労働者が適格な人物ではないということを証明するための記録や、企業側が指導したことを証明するための資料が必要です。
- 試用開始から14日を過ぎて解雇する場合、労働者に対する30日前に解雇予告を行い、30日前に解雇予告を行わない場合には、解雇までの平均賃金を払う必要があります。
- 試用開始から14日以内に解雇する場合、労働者に対する解雇予告をする必要はありません。
- 試用期間を設ける場合には、試用期間の長さに注意する必要があります。
- 試用期間中であっても、最低賃金を下回らないようにし、割増賃金を支払う必要があります。
- 試用期間中であっても、必要に応じ雇用保険や社会保険などの加入手続きをしなければなりません。