「おる」「おられる」「いらっしゃる」正しい使い方と違い

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「〇〇はいますか?」という聞き方は学生時代は許された友人宅での訪ね方ですが、会社で電話を受けての在席確認や、取引先へ伺いの際にもこのように尋ねては失礼極まります。「おる」・「おられる」・「いらっしゃる」それぞれの使い方を覚え、正しい尋ね方で取引等をスムーズに行えるようになりましょう。

以下では上司や取引先に対して守るべきマナーを解説しています。気になる方は是非ご覧ください

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「おる」「おられる」「いらっしゃる」それぞれの違い

「居る(いる)」の謙譲語が「おる」、丁寧語が「おります」です。

この言葉は、自分や自分側の人間に対して使い、「居る」を尊敬語で使う場合は「いらっしゃる」が正しい表記です。

以下では「おる」「いらっしゃる」の表記に近い「来る」の尊敬語「いらっしゃる」について解説しています、この記事と合わせてご覧ください。

来るの尊敬語はいらっしゃるとお越しになる!正しい敬語表現の解説

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マイナビエージェント 言葉遣い・受け答えのマナー

 

「おられる」の解釈にはいろいろある

「おられる」は尊敬語の表現としては様々な解釈があります。理由としては、関西圏では方言で「いらっしゃる」の代わりに「おられます」が日常的に使われている事などがあげられます。

問題はありませんが、関東圏だと「おる(謙譲語)+られる(尊敬の助動詞)」のため、二重敬語で間違いと思う方がいるために解釈に違いが起きてしまう事があります。

辞書の大辞林では、「おられる」を尊敬語として扱えるという表記がありますが、文化庁の発表する敬語の指針では、謙譲語Ⅱ(丁重語)として分類されています。このことから、誤解を生まないためにも尊敬語として使うならば「いらっしゃる」を使用するのが一番といえます。

しかし「いらっしゃる」の変わりに補助動詞として「おられる」を使うことも、正しいとされています。補助動詞とは他の動詞とセットで使用し敬意だけ表すものです。例えば「いっている」という言葉の場合は「いって(動詞)+いる(補助動詞)」となります。

「部長が興味をもっていらっしゃる」という表現が堅苦しいと感じる場合は「部長が興味をもっておられる」と補助動詞として「おられる」を使用しましょう。

 

「おります」「いらっしゃる」「おられる」それぞれの文例

それぞれの言葉の文例やどのようなときに使えばよいかの例文をあげていきます。

「おります」の例文

「10時までは会社におります」「〇〇は12時までデスクにおります」

「居る」の丁寧ないい方で自分、もしくは自分をへりくだっていうときに使われます。いない場合は「ご不在にしております」と答えましょう。

「息子の□□はおりますか?」

相手への問いかけですが、自分の息子に対してのことをいっているので、正しい表現です。しかし「息子の□□はいらっしゃいますか?」と表現すると間違いになります。注意が必要です。

「いらっしゃる」の例文

「△△さんはいらっしゃいますか?」

目上の人、取引先などの相手に対し、「いらっしゃる」という言葉を使います。

「こちらの席へいらしてください」

目上の人にここにいてほしいとお願いする場面では「いらしてください」「いらっしゃってください」をつかいます。

「おられる」の例文

「社長が興味をもっておられる」
「部長が先程、急用とおっしゃっておられた」

「部長が先程、急用とおっしゃっていらっしゃった」も正しいですが、くどい印象があるため、ここでは「おられた」を使用します。

以下の記事では、上司がどこかに「行く」「行った」ということを尊敬語で表す正しい方法を解説しています、気になる方は合わせてご覧ください。

「行かれる」「行ってください」正しい敬語は?「行く」の正しい敬語表現と例文

「おる」「おられる」「いらっしゃる」の間違った使用例

正しい表現を先にあげましたが、よくある間違いの文例とそれに対する正しい答えをあげます。
取引先やお客様に対して以下のようにいったとします。

「間もなく、担当の〇〇がいらっしゃいます」

この場合、自分の身内が相手よりも上の立場になってしまうので誤用です。

正しくは、「間もなく、担当の〇〇が伺います」です。行くの謙譲語の「伺う(うかがう)」を使いましょう。

「〇〇はおられます」

自分の側のものについて答えていますが、このままだと〇〇さんを1番に敬った表現です。相手を敬った上での返答が必要なため、「〇〇はおります」「〇〇はいます」が正しい表現です。

「△△さんはおりますか?」

前述の「おられる」の解釈でもとりあげた通り、不快に感じる方もいるため「△△さんはいらっしゃいますか?」を使用するほうが滞りなくコミュニケーションがとれます。

「おる」「おられる」「いらっしゃる」についてのまとめ

覚え方として「おる・おります」は自分や、自分の側の者を表し。「いらっしゃる」は尊敬語のため、相手方に対していうものです。

「いらっしゃる」がくどいと感じる場合は、補助動詞として「おられる」を使うと認識していれば、失礼なく接することができるでしょう。