この記事では「ずつ」と「づつ」の意味や漢字表現について解説いたします。

日常会話やビジネスシーンなどでよく使われる言葉ですが、その使い分けや違いなども意識している人は多くないかもしれません。

そこで今回は「ずつ」と「づつ」はどちらが正しいか、ビジネスシーンではどちらを使った方が良いのかなどを交えてピックアップしました。

この記事を通して「ずつ」と「づつ」に関する理解が深まれば幸いです。

「ずつ」と「づつ」の意味

KJ法
「ずつ」と「づつ」は意味の上での違いがなく、「ある数量を等分に割り当てる」あるいは「一定量に限って繰り返す」ことを表す言葉です。

例えば「研修用のテキストが一人につき二冊ずつ配られた」や「本を一ページずつめくる」のように使います。

品詞でいうと「ずつ」と「づつ」は「数量・割合を表す名詞・副詞、および一部の助詞につく副助詞」です。

また「ずつ」と「づつ」を使った例文としては、次のようなものが挙げられます。

明日の社内会議では、各部署から2人ずつ代表を選出して参加することになっている。

部署を横断するような決め事が行われる場合には各部署から代表者が出席して会議に参加し、会議で決まったことをそれぞれの代表が所属部署内で共有するという形を取ることがあります。

この例では営業部や経理部など全ての部署から二人が代表として選ばれ、社内会議に参加することになっているということです。

毎日二ページずつこのテキストを進めていけば、試験日までに終わらせることができる。

資格試験などの対策では、独学の場合専用のテキストを使う方法があります。

試験範囲を網羅したテキストを読み進めていくことで、実際に試験に出題される問題を解くことができるようになるというものです。

今回の例だと、毎日二ページのペースでテキストを進めていくことで試験日までに読み終えることができるということを表しています。

なお試験にもよりますが、内容を理解する為のテキストと練習問題をこなす為の問題集を併用するという勉強方法がほとんどです。

テキストを読み込んだだけでは試験で高得点を取るのは難しいかもしれません。

「ずつ」と「づつ」の漢字表現

「ずつ」と「づつ」の漢字表現は「宛」です。

しかしながら、漢字で使われるよりも平仮名で用いられることの方が圧倒的に多いのであまり馴染みがないという人も多いかもしれません。

その為日常シーンやビジネスの場で文書を作成する際には、漢字よりも平仮名で書いた方が分かりやすくて親切だといえるでしょう。

普段使いする言葉というよりは、漢字ではそのように書くという程度の知識に留めておいた方が無難だといえます。

「ずつ」と「づつ」はどっちが正しい?

疑問
様々な場面で「ずつ」と「づつ」が使われているのを見たことがあるという人も少なくないでしょう。

だからこそどちらの使い方が正しいのか紛らわしいと感じてしまうかもしれません。

そこでこの項目では「ずつ」と「づつ」の違いや、なぜ二つの表記方法があるのかについてまとめました。

基本的には「ずつ」を使う

文脈によらず、基本的には「づつ」ではなく「ずつ」を使います。

そのようになっている根拠の一つが、昭和61年(1986年)に出された以下の内閣訓令です。

「じ」「ず」を用いて書くことを本則とし(中略)「ぢ」「づ」を用いて書くこともできるものとする。

つまり「じ」や「ず」を用いて書くことをベースとするが、「ぢ」や「づ」を使って書くこともできるものとするということを意味しています。

はっきりとした指針が示されているわけではないので、今日でも「ずつ」と「づつ」が混在しているというわけです。

また「ずつ」とするのが正解だともされていないので、「づつ」という表記も間違いというわけではありません。

ただし公文書や新聞、雑誌や学校の教科書、各種試験の解答用紙などでは内閣訓令の本則である「ずつ」の使用が求められています。

それ以外にはNHKにおいても「ずつ」を正しい表記として統一しているので、大多数の人は「ずつ」が正しい表記で「づつ」は誤りと認識しているのでしょう。

その為日常生活の中で誰かから間違いを指摘される可能性は大いにあり得ます。

そのような自体を未然に防ぎたければ、「ずつ」を選んだ方が無難だといえるでしょう。

私的な文章などでは「づつ」を使っても問題ない

先述のように公的な場や文書においては「ずつ」が使われることがほとんどですが、友人や家族との私的な文章などでは「づつ」を使っても問題ありません。

具体的には家族へのメールや友人への手紙で「づつ」を使うといったケースが考えられます。

とはいえ先述のように間違いを指摘されてしまう可能性もあるので、その点については気に留めておいた方が良いかもしれません。

もともとは「づつ」が使われていた

「ずつ」と「づつ」が存在しているのは、歴史的な背景があります。

古典などで見られる「けふ」や「てふてふ」のような、終戦直後まで使われていた読み方を「歴史的仮名遣い」といいますが、「づつ」も「歴史的仮名遣い」の一種です。

それに対して「きょう」や「ちょうちょう」など現代でも使われている読み方を「現代仮名遣い」といいます。

そして「づつ」を「現代仮名遣い」にしたものが「ずつ」というわけです。

ほとんどの「歴史的仮名遣い」は時代の変遷とともに見かけることはなくなりましたが、「づつ」は現代でも見かけることがあります。

戦後間もない頃は「ずつ」で統一されていましたが、内閣訓令を境に「ずつ」と「づつ」がどちらも使われるようになりました。

したがって戦前の資料などを見ると、「づつ」と表記されているものを目にすることがあるかもしれません。

ビジネスシーンでは「ずつ」と「づつ」のどっちを使う?

敬称
ビジネスシーンでは、職種や業種によらずなるべく幅広い人が理解できる言葉遣いをするというのが原則的なマナーです。

それは単にマナーというだけではなく、取引先や新規顧客などと円滑なコミュニケーションを図る上での必須条件といっても過言ではありません。

したがってビジネスシーンでは「づつ」よりも「ずつ」を使う方が好ましいといえるでしょう。

実際にはどちらを使っても良いとはいっても、「づつ」が間違いでないことを知っている人はそう多くありません。

そんな中で「づつ」を使ってしまうと、指摘を受けたり正しい日本語を使えない相手だと思われたりする恐れがあります。

無用な誤解や認識違いを回避する為にも、「ずつ」に限らず多数派の言葉遣いを身につけておくのが無難です。

その為「づつ」のような言葉は身内や仲が良い間柄に対してのみ使うのが望ましいといえます。

まとめ この記事のおさらい

・「ずつ」と「づつ」は意味の上での違いがなく、「ある数量を等分に割り当てる」あるいは「一定量に限って繰り返す」ことを表す言葉

・「ずつ」と「づつ」の漢字表現は「宛」だが、あまり使われることがないので漢字よりも平仮名で書いた方が分かりやすくて親切だといえる

・文脈によらず、基本的には「づつ」ではなく「ずつ」を使う

・家族へのメールや友人への手紙など、私的な文章などでは「づつ」を使っても問題ない

・もともとは「づつ」が使われていたが戦後から「ずつ」が用いられるようになり、昭和61年(1986年)に出された内閣訓令以降は「ずつ」と「づつ」が混在するようになった

・ビジネスシーンでは「づつ」よりも「ずつ」を使う方が好ましいといえる