「お手間を取らせる」「かけさせる」「手間」の類義語と正しい使い方

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相手に迷惑をかけてしまった時、スマートに謝罪と感謝表現したいものです。「お手間を取らせて申し訳ございません」と言っていますか?それとも「お手間をおかけして申し訳ございません」と言っていますか?ここでは、2つの違い、正しい表現について解説いたします。

「お手間」の意味

「お手間」とは、ある仕事に対して時間や労力を費やすことを表します。この時、作業自体の大変さは問題ではありません。

「お手間」の正しい敬語表現

自分が手間をかけた場合は「手間をかける」を使いますが、その仕事を相手がしてくれた場合は、手間を「かける」ではなく、手間を「とらせる」を用います。

自分が時間や労力を費やした場合→手間をかける
相手が時間や労力を費やした場合→手間を取らせる

「手間をとらせる」「手間をかける」どっちが正しい?

相手が時間や労力を費やした場合、正しくは「お手間を取らせて…」と使用します。ですが、「手間をおかけして…」という表現を聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。

「手間」に似た言葉として「手数」があります。手数とは、ある仕事をするための労力そのもののことで、特にその作業が困難だった場合や、面倒であった場合に使用します。手数は「とる」ではなく「かける」を用いて、「手数をかける」と表現します。
手数の場合は、自分が自分のために行った場合には使用せず、誰かのために作業する時に使用し、特に自分のために誰かが作業してくれた時に使うケースがほとんどです。
「手間をおかけして…」という表現は、「手間を取らせる」と「手数をかける」が混同してしまっている誤用です。正しくは手間の場合は「お手間を取らせて申し訳ございません」、手数の場合は「手数をおかけして申し訳ございません」と表現します。

相手が時間を割いてくれたことに対し謝罪と感謝をする→お手間を取らせて申し訳ございません
相手が面倒な作業を受けてくれたことに謝罪と感謝をする→手数をおかけして申し訳ございません

「かける」の正しい表現

手数をかけてしまったことを謝罪してお礼を言いたい時、「かける」の部分で敬語表現に迷う人も少なくありません。間違いやすい表現をチェックしてみましょう。

(○)手数をおかけします
二重敬語を避けたい場合は、全体を丁寧な印象にするためにも、後ろにくる言葉を丁寧に言い替える方がスマートです。
(×)手数をかけします
「かける」は普通、接頭語の「お」をつけて使用します。上記の例は「かける」の「る」の部分を丁寧に表現しようとしていますが、これでは日本語として意味が通じません。
(×)手数をかけさせます
相手に手数をかけてしまったことを表現していますが、敬語にしなければいけないと意識しすぎて、非常に回りくどい表現になってしまっています。
(△)お手数をおかけします
「手数」に接頭語の「お」が付いているので、おかけしますと一緒に使うと厳密には二重敬語になってしまい、表現としてはふさわしくありません。丁寧ですが少しくどい印象を与えます。但し、ビジネスシーンでも口語の場合は使用されることがあります。

類似の表現



「お手間を取らせる」と似たような意味で、相手に迷惑をかけたり苦労をかけてしまった時に使える表現をチェックしてみましょう。

「手数をおかけして申し訳ございません」
前述した通り、困難な作業や面倒な作業を依頼した場合に、謝罪と感謝を伝えるために使います。

「お手を煩わせて申し訳ございません」「迷惑をお掛けして…」「面倒をお掛けして…」「骨を折らせて…」
「お手間」のように時間や労力といった具体性はなく、相手に依頼したことで、面倒をかけてしまった時に使う表現です。特に「骨を折らせて」を使う場合は、その面倒や苦労の度合いが大きい場合に使用します。
「負担をお掛けして…」
同じように面倒や苦労を掛けた時に使い、ほかに金銭面での援助をお願いした際にも使用できます。
「ご足労をお掛けして…」
こちらも面倒や苦労を掛けた時に使いますが、中でもわざわざ来てもらった時に使う言葉です。

「お手間」と類語の例文集

具体的に「お手間」や類義語を用いたシーンを想定して、使い方をイメージしてみましょう。

少しの時間でも良いのでアポを取りたい時

「来週、そちら方面に伺う用事がありまして、お手間を取らせませんので小林様にも一度お目にかかれたらと存じます。ご都合はいかがでしょうか?」

状況説明の時間を割いてもらったことへ謝罪と感謝を伝える

「以上が私どもの説明になります。お忙しいところお手間を取らせてしまい申し訳ありませんでした。今度ともどうぞよろしくお願いいたします。」

書類の書き換えに伴い、再度サインをしてもらいたい時

「手数をおかけしますが、こちらの書類に再度、ご署名と捺印をいただけますでしょうか。」

商品カタログ等を渡し、その後連絡が欲しい旨をメモで残す時

「お手数おかけしますが、ご覧いただけましたら小林まで連絡くださいますようお願いいたします。」

口座番号の分かるものを見せてほしい時

「お手数ですが、口座番号の分かるものを何かお見せいただけないでしょうか。」

書類の間違いを指摘し、書き換えてもらいたい時

「お手を煩わせて恐縮ですが、マーカー部分を訂正いただき、正しい数字をお書き願います。」

迷惑をかけたことへの謝罪と作業の依頼を伝えたい時

「色々と迷惑をお掛けして申し訳ございません。何卒よろしくお願いいたします。」

時間がかかる調べ物をお願いする時

「面倒をお掛けして申し訳ありませんが、もう一度お調べいただけますでしょうか。」

遠くから来てもらった時に謝罪とお礼を述べたい時

「本日はご足労をお掛けして申し訳ございません。おかげで本当に楽しい時間を過ごさせていただきました。ありがとうございました。」

まとめ

相手に時間をかけてもらった時は「お手間を取らせ…」を使用し、相手に困難な作業をお願いしたり、面倒なことをお願いした場合は「(お)手数をおかけして…」を使用します。類似する表現も沢山あるので、その状況にちょうど合うものを選んで使うようにしましょう。

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