ご厚意とは?ビジネスでの例文と「好意」との違い

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どちらも「こうい」と読む「厚意」と「好意」は、ビジネスパーソンでも「どっち?」と、一瞬迷ってしまうこともある言葉です。2つの「こうい」は、会話では同音で使い分けは文脈から判断するしかありません。しかし、文章やメールでは使い分けできないと、かなり恥をかいてしまう言葉です。しっかりとふたつの「こうい」を区別できるように、ここで意味や使い方、例文などを振り返りましょう。

ご厚意とはどういう意味?

厚意」は、“思いやりのあつい気持ち。厚情。他人の行為に関していう。”(出典:三省堂 大辞林)とあります。
ご厚意」とは、“思いやりや気遣いなどを意味する「厚意」の丁寧な言い回し。”(出典:実用日本語表現辞典)になり、敬語の中の名詞に「ご」がついた丁寧語です。

ご厚意と好意の言葉の違い

好意」は、“①相手をこのましいと思う気持ち。また,慕わしい気持ち。好感。好感情。②親切な気持ち。”(出典:三省堂 大辞林)のことです。

「好意」は自分の気持ちを表現するのに対し、「厚意」は、相手の気持ちを表すのがわかります。その違いを頭に入れておきましょう。

ご厚意と好意の使い分け

好意」は、好きという自分の愛情(感情)に重きを置いているので、気持ちの発信元は自分です。「親しみ」や「恋心」に近いニュアンスがあります。
厚意」は、相手からの思いやりを指すので、自分の感情は関係ありません。気持ちの発信は相手です。「計らい」「便宜」などが近い意味になります。

ご厚意の類語はどのようなものがあるか

ご厚情」…「ご厚意」と同じ意味ですが、「ご厚情」のほうがより丁寧な印象を与えます。あらたまったビジネスレターの文頭の挨拶などでよく使われる言葉です。

ご温情」…「ご厚意」と同義ですが、特に目上の人からの親切や計らいに対しての表現です。丁寧ではありますが、感情に重きを置いた言葉なので、理性的であるべきあらたまったビジネスレターには向いていない言葉と考える人もいます。

ご恩情」…「ご厚意」と同じ意味でありながら、「ご温情」のニュアンスに近い感情をさし示す言葉と言えます。恩という文字が入っているので、師弟関係や主従関係などがある身近な目上の人に使うのがベターです。

ご厚意の使い方と例文

「ご厚意」は、感謝・お礼を述べる場合、断る場合、謝罪・お詫びをする場合、冒頭または結びの挨拶文に使えます。例文を参考にしてください。

「この度は、ご丁寧なお見舞いを頂き、誠にありがとうございます。皆様のご厚意に甘えて、今は治療に専念させて頂く所存です。」
「旧年中は、格別のご厚意を賜り、厚く御礼申し上げます。」
「皆様のご厚意を無にしないよう、目標に向かって精一杯の努力を怠らない覚悟です。」
「この度は、ご丁寧なお見舞いを頂き、誠にありがとうございます。皆様のご厚意に甘えて、今は治療に専念させて頂く所存です。」
「せっかくのご厚意にもかかわらず、お応えできず大変申し訳ございません。」
「お誘いいただきましたご厚意を無にしてしまい、大変申し訳ございません。」
「日頃のご厚意にお礼申し上げますとともに、貴社のますますのご隆盛と皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。」

ご厚意と好意の使い分けの例文

例えば、お世話になった恩師に手紙を書くとします。

「先生、在学中はいつも変わらぬご厚意をありがとうございました。」

相手からの親切に感謝している文章です。しかし、「こうい」を間違えて「好意」としてしてしまった場合には…

「先生、在学中はいつも変わらぬご好意をありがとうございました。」

これだと、相手の愛情に対して感謝している文章になり、相手に全くそのつもりがなかった場合には、かなり不自然です。受け取る相手には、手紙を書いている人がうぬぼれているように感じますよね。

ご厚意の類語での例文

「時下益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。また日頃格別のご厚情とご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。」
「先生には言葉で言い表せないほど深厚なるご恩情を頂戴し、衷心より御礼申し上げます。」

「ご厚意」の英語表現

「厚意」の英語表現では、”kindness”が一般的です。さらに”kindness”を使う文章自体を丁寧にすることにより、「ご厚意」という丁寧なニュアンスに近づけることができます。

たとえば、「ご厚意に感謝いたします」は”Thank you for your kindness.”とすることもできますが、”I appreciate for your kindness.”とするとより丁寧でしょう。

ご厚意のまとめ

ご厚意」は、他人からの思いやりや気遣いなどを意味する丁寧語で、ビジネスシーンでも使う機会が多い言葉です。「私の厚意で~」という使い方はしません。
これに対し、「好意」は、愛情にフォーカスした言葉で、感情の発信元は自分になり、ここがふたつの「こうい」の大きな違いです。
類語には、「ご厚情」「ご温情」「ご恩情」などがあり、それぞれ微妙にニュアンスが違うので、デキるビジネスパーソンとして、例文を参考に相手に応じて使い分けましょう。

厚意」は、本来は自分の身内にも使いません。「父の厚意をお受け取りください。」だと、受け取り手には強制的に聞こえる人もいます。「父の微意をお受け取りください。」とすると、よりスマートな響きになりますよ。

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