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この記事では「論理的」という言葉について、意味や使い方、類義語・対義語、論理的会話のコツなどを、例文を交えて解説します。
「論理的」という言葉はビジネスシーンで頻繁に登場します。はっきりと意味を理解しないままなんとなく話を合わせてしまうと、後々つじつまが合わなくなってしまいます。この記事で意味や使い方をしっかり理解することで、社会人としての自信を深めましょう。
「論理的」の読み方・意味・使い方
「論理的」の読み方
「論理的」は「ろんりてき」と読みます。「論理」に接尾辞の「的」がついた形容動詞です。
「論」は音読みで「ロン」、訓読みでは「あげつら(う)・と(く)」と読みます。訓読みはどちらも常用漢字表にはない読み方です。日常生活で使うことは少ないですが、「物事のよしあしについて論じ合う」という意味があります。「論」を使った他の単語には「論争(ろんそう)」「結論(けつろん)」「論文(ろんぶん)」などがあります。
「理」は音読みで「リ」、訓読みでは「ことわり・おさ(める)・すじ」と読みます。「理」を使った他の単語には「道理(どうり)」「理解(りかい)」「心理(しんり)」などがあります。
「論理的」の意味と使い方
「論理的」は「論理」に「的」がついて、論理にかなっているさまを表わしています。論理とは、与えられた条件から正しい結論が得られるための筋道のことです。論理的とは論理にかなった様子を表わしますから、「この結論に至ったのはこれこれこういう理由だ」と筋道立っていることです。
「論理的」はビジネスの場でたびたび登場する言葉です。「論理的な考え」「論理的な文章」「論理的な説明」のような言い回しで、打ち合わせ中や仕事の指示を受ける場面で使われることが多くなっています。
「論理的思考」とは
「論理的思考」とは、特にビジネスの場で問題解決に用いられる思考法です。「ロジカルシンキング」ともいわれ、関連する書籍やセミナーなども多く存在するビジネスパーソンにとって必須のスキルです。
今ではあたりまえのように使われる「論理的思考(ロジカルシンキング)」という言葉ですが、2001年に出版された「ロジカルシンキング」という書籍がベストセラーとなり、日本のビジネスシーンに定着するきっかけとなったといえます。
「論理的思考」とは、その名の通り論理的に物事を考えるということですが、具体的には「MECE」「ロジックツリー」「So What/Why So」「マトリックス」などの手法が用いられます。
ものごとを切り分けする際に「モレなく・ダブりなく」ということを行わなくてはならないという考え方です。
問題をツリー状に分解して整理し、原因や解決策を探る手法です。
「So What(結局どういうことなのか?)」「Why So(なぜそう言えるのか?)」を繰り返して思考を深堀する手法です。
「重要度/緊急度」のように2つの軸で問題を整理していく手法です。
「論理的」「理論的」「合理的」の違い
「論理的」と似た言葉に「理論的」「合理的」があります。どれもビジネスシーンで使われことが多い表現ですので、違いをおさえておきましょう。
論理的は、なぜそうなるのか、結論に至った理由を筋道立てて表わすことです。「電話はデスクの左側に配置すべきだ」という結論があったとします。これを論理的に説明すると次のようになります。
↓
すぐにメモを取れるようにペンを持つ右手はあけておくのがふさわしい
↓
右手をあけておくには受話器は左手で持つ必要がある
↓
左手でスムーズに受話器を持つためにはデスクの左側に電話を配置すべきだ
「理論的」は理論に基づいていることです。「理論」は英語ではセオリーとなります。「理論に基づくと・・」「セオリー通りなら・・・」という表現でしばしば使われます。
電話の例にあてはめると、「受話器は左手で持つものだ」という理論があり、「左手でスムーズに受話器を持つためにはデスクの左側に電話を配置すべきだ」となります。
「合理的」は道理や理屈にかなっているさま、無駄がなく能率的であるさまのことです。上の例にあてはめると「電話はデスクの左側に配置するのが合理的だ」となります。
論理的に話すコツと会話例
ビジネスでは論理的に話すことが重要視されます。論理的に話すには大きく2つのコツがあります。「結論を明確にすること」と「結論につながる理由を伝えること」です。
①話の「結論」を明確にする
論理的に話すとは、結論に至るまでを筋道立てて説明することです。あたりまえのことですが、話の「結論」がなにかを明確にするのが論理的に話をするにあたり最も重要です。
例として、ラーメン店の新規出店を企画していて、ラーメン1杯の価格はいくらが妥当かを検討して報告するように指示されていたとします。
「近隣の店はだいたい800円くらいなんですよね。」
「材料費は1杯あたり400円かかります。」
「利益は10%は取りたいですよね。」
これでは、「それであなたの結論はなに?」となってしまいます。
②結論につながる「理由」を伝える
論理的な話に一番大事なのは結論を明確にすることですが、結論だけを伝えるのでは話に説得力がありません。結論を導き出すに至った理由を明確にしてはじめて論理的な話といえるのです。
ラーメン店の話にあてはめると
「新規店舗のラーメンの価格は1杯800円がよいと思います。」
と結論だけ話したのでは、なぜその価格がよいと思ったのかがわからず、あてずっぽうに決めただけではないかと思われても仕方ありません。なぜその価格にたどりついたのかという根拠を必ず示す必要があります。
論理的な会話の例
論理的な会話のコツは結論とそれにつながる理由を伝えることです。先ほどのラーメン店の話にあてはめると次のようになります。
「席は20で1日10回転、200杯の販売を見込んでいます。」
「人件費と光熱費は1日6万円かかります。」
「材料費は1杯400円です。」
「このことから1杯の価格は800円が妥当と考えます。」
このように話せば、「1杯800円が妥当」という結論と、それに至る根拠が示されており論理的説明になります。
「論理的」のビジネス上での使い方
「論理的」はビジネスシーンでよく使われる言葉です。特にミーティングや仕事の指示を受ける場面で使われることが多い表現です。例をいくつか紹介します。
「売上目標を達成するには、どうしたら買ってもらうことができるかを論理的に考える必要があるのではないか。」
「論理的でわかりやすい資料ですね。」
「ビジネスでは論理的に考えるクセをつけることが大切だ。」
「論理的」の類義語と例文
「論理的」と似たような意味を持つ言葉には次のようなものがあります。
物事が道理にきちんとあてはまっているさま。話などの筋道が整っているさま。
例文:彼の話はいつも理路整然としていてわかりやすい。
道理にかなっていること。
例文:まずはじめに上司に相談するというのが筋の通った行動だろう。
論理的であること
例文:この問題を解決するにはロジカルな考え方が必要なのではないでしょうか。
「論理的」の対義語と例文
「論理的」の対義語として一番しっくりくるのは「非論理的」です。そのまま「論理的ではない」という意味になります。
論理的ではない
例文:そんな非論理的な説明ではクライアントを納得させることはできないだろう。
シチュエーションによっては次の他の言葉を対義語とすることもできるでしょう。
推理・考察などによるのでなく、感覚によって物事をとらえること。
例文:新しいアイディアを生み出すには、論理的な考え方だけでなくときには直感的に考えることも必要といえる。
理性を失って感情に片寄るさま
例文:感情的にならずにもう少し論理的に話してくれませんか?