「どういたしまして」は目上の人に使える?別の言い方はこれ!

※本サイトはプロモーションを含んでいます。

誰かにお礼やおわびを言われたとき、「そんなに気をつかわないでください」という意味で「どういたしまして」と返答するのが一般的です。

では、その「どういたしまして」とは、いったいどういう意味でしょうか?「どういたしまして」は、謙譲語に丁寧語を加えた敬語です。

にもかかわらず、相手によっては不快感を与えかねないため、使い方には注意が必要です。

ここでは「どういたしまして」を正しく使いこなせるように本来の意味や類似した表現、さらには英語での言い回しなどについて解説いたします。

「どういたしまして」の意味と語源


「どういたしまして」を品詞分解すると、以下のようになります。

どう(「何を・どのように」の意味の副詞)+いたす(動詞「する」の謙譲語)+ます(丁寧語の助動詞)+て(助詞)

このように文法的には非常に丁寧な敬語になります。

ただし、その意味には「私がどんな助力をしたというのか(していませんから、どうかお気になさらないでください)」という反語的なニュアンスがあり、そこから派生して相手の言葉をやんわりと否定する用法もあります

そのため、人によっては「どういたしまして」という返答に上から目線の印象を受けたり、それとなく謝絶されたように感じてしまうことがあるのです。

「どういたしまして」は目上の人に使えるか


ビジネスシーンでは「どういたしまして」という言葉を目上の人に返すのは失礼にあたる、という意見が主流です。

文法的にはとても丁寧な敬語なのですが、「私は何もしていませんから、そんなに気を使わなくていいですよ」というニュアンスも含まれるため、目上の人に高飛車な印象を与えてしまう可能性があるからです。

たしかに「どういたしまして」に含まれる反語的なニュアンスは、非常にやんわりとではありますが相手からの感謝を素直に受け入れようとしない雰囲気がないとはいえません。

かといって、ある程度親しい間柄の相手に使うとしたら、やや他人行儀で窮屈な感じもします。ビジネスシーンでは「どういたしまして」に代わる言葉を、TPOに応じて使い分けるのが良いでしょう。

「どういたしまして」の別の言い方


「どういたしまして」の意味を別の言葉で伝えたいときは、以下の例文をご参照ください。

  • とんでもないことでございます。
  • どうぞ、お気になさらないでください。
  • お役に立てて光栄です。
  • いつでもお申し付けください。
  • 恐れ入ります。
  • お力になれて幸いです。

いずれも「あなたの役に立つことができてうれしい」というニュアンスの表現です。目上の人に対しても安心して使うことができます。

ちなみに「とんでもない」はもともとひとつの単語ですので、「ない」を切り離して「ありません」と丁寧語に変換することはできません。
したがって「とんでもありません」は、厳密には誤った表現になります。

正しくは「とんでもないことです」か「とんでもないことでございます」になります。

また、「当然のことをしたまでです」という謙遜の気持ちを強調したいときは、「恐れ入ります」「恐縮です」といった表現が適切です。

一方、ビジネスの相手に、今後も良好な関係を維持したい気持ちを伝えるときは、「お力になれて幸いです」「よろしければ、またいつでもお申し付けください」「微力ながら尽力いたします」というのも良いでしょう。

友達に対しての「どういたしまして」の言い換え表現

「どういたしまして」は相手への敬意を含む謙譲表現ですので、友達とのやりとりで使う言葉ではありません。では友達に対して「どういたしまして」に相当する気持ちを伝えたいときにはどのような言葉に換えれば良いのでしょうか。

日常的に使えるフレーズとしては「お安いご用」「どうってことない」「チョロイもんさ」「気にすんなって」「お役に立てて良かった」などの表現があげられます。年配者同士なら「これぐらい余裕のよっちゃんさ」という昭和の流行語も使えるでしょう。

「どういたしまして」の言い換えを使ったメールの例文


メールで「どういたしまして」という気持ちを伝える場合の言い換え表現としては「お力になれて何よりです」「お役に立てて幸いです」「お役に立てたならうれしいです」「こちらこそ、わざわざありがとうございます」などのフレーズを使うと良いでしょう。

ビジネス上のメールで丁寧に返答したい場合は、「他にも何かお手伝いできることがあれば、いつでも遠慮なくお申し付けください」という意味の一文を加えるのがおすすめです。

実際のメールの例文

私のような者でもお役に立てたなら大変うれしく存じます。他にも何かお手伝いできることがございましたら、どうぞ遠慮なくお申し付けください。微力ながらいつでもお力添えをさせていただきます。何卒よろしくお願い申し上げます。

「どういたしまして」の英語表現と例文


「どういたしまして」の英語表現として、日本人に広く知られているフレーズとしては、“You’re welcome.”や “ Not at all. “があげられます。
ほかにはどんな表現があるのでしょうか。
ここでは”You’re welcome.” “Not at all. “以外の表現を、例文とともに4つ挙げます。

○ No problem. (お礼を言われるほどのことじゃないよ)
A:Thanks for fixing my computer.
(私のコンピュータを修理してくれてありがとう)
B: No problem.
(大したことじゃないよ)
○Don’t mention it.(そんなこと言わないで、気にする必要はないよ)
A:Thanks for helping me to carry it.
(運ぶのを手伝ってくれて感謝しているよ)
B:Don’t mention it.
(気にしないで)
○I’m happy to help.(お役に立てて嬉しいです)
A:Thank you for your help.
(手伝ってくれてありがとう)
B:I’m happy to help.
(お役に立てて嬉しいです。)
○My pleasure.(光栄です)
A:Thanks for your help with the presentation today.
(今日はプレゼンテーションを手伝ってくれてありがとう。)
B:My pleasure.
(喜んでもらえて光栄です。)

これらはビジネスシーンでも十分使える表現です。ぜひ覚えておきましょう。

どういたしましてのまとめ

「どういたしまして」は、相手の感謝や謝罪に対して、「気を使わなくていいですよ」という意味を示す言葉です。
「どういたしまして」には相手の感謝や謝罪をやんわり断るニュアンスもあるので、目上の人には使用しない方が無難です。
英語で「どういたしまして」を意味するフレーズには、”You’re welcome.”“Not at all.”“I’m happy to help.”などがあります。