手助けや努力を表す「尽力」の使い方と例文 「精進」などとの違い

※本サイトはプロモーションを含んでいます。

ビジネスメールなど「尽力」という言葉を使う際に、努力・助力・力添えとの違いがわからず、悩むことがあるでしょう。ここでは「尽力」という言葉の正しい意味を解説し、さらに文例なども紹介していきます。

似た意味の言葉であっても、使う場面を間違えれば相手に失礼な印象を与えかねません。正しい言葉の使い方を知り、場面ごとによって適した使い分けのできるビジネスパーソンを目指しましょう。

「尽力」の意味は何か?

尽力の意味は、字のとおり「力を尽くすこと」です。「努力」と似ていますが、少しニュアンスが違います。大きな違いは、努力は自分のためにするもので尽力は他の人のためにするものです。

「私は英語が上達するために努力した」とはいいますが、「私は英語が上達するために尽力した」とはいいません。

以下の記事では「努力」や「精進」などの頑張りを表わす言葉の正しい使い方との解説と、実際に努力をする為に役立つ仕事のコツについて解説しています。「努力」に関する言葉を使いこなし、なおかつ自身も気持ちよく努力を続けられるビジネスパーソンを目指しましょう。

「お力添え」「ご尽力」ビジネスで助ける意味を持つ敬語の例文15選
ビジネス上での「お力になれず」の正しい意味と使い方、類語の解説
ビジネスにおいて努力を伝える「精進」の意味と使い方の解説
仕事が楽しいと感じる人の特徴や、仕事を楽しむためのコツを解説
ビジネスにおける向上心がある人とは 特徴と短所の改善方法を解説
自己PR完全ガイド マイナビエージェント

「尽力」はへりくだった意味で使う

これから尽力する場合、例えば「これから彼の会社の再建のために尽力する」という表現は問題ありません。

ただ、自分の行為「彼の会社の再建のために尽力した」と行ったことに対してはいいません。このような場合は、例えば「彼の会社の再建のために、微力ながらもお手伝いさせていただいた」と、へりくだった表現がビジネスシーンではふさわしいでしょう。

尽力を客観的な記述に使う場合

第三者の行為について努力を記述する場合、「彼はその会社の再建のために尽力した」となります。

記述者がその尽力を受けるなどして、相手の行為を立てたい場合は、「彼には我が社の再建のためにご尽力いただいた」のように、「尊敬」の「ご」をつけます。

尽力は他人に力を求める場合に使っていいか?

他人に対して「自分のために力を発揮してもらうことを求める」というのは、少々厚かましいことだといえそうです。そのため、この尽力を使って他人に頼みごとをする場合というのは、よほどの場合です。

尽力の類語

尽力の核となる意味から類語を考えると、以下のような表現に言い換えることができます。

自分以外の人やもののために、力を尽くすこと
献身、寄与、貢献、奉仕、サービス、手伝い、協力、助力、支援
身体的、精神的なエネルギーの使用
苦労、労力、骨折り、努力

「協力、助力、支援」には「ご」を、「手伝い」には「お」を接頭語としてつけると、丁寧な意味になり、目上の方へのお礼にも使うことができます。

「尽力」という言葉は少し堅苦しく聞こえるため、相手によっては丁寧すぎて嫌味にとられてしまうこともあります。立場や相手をみて、使い分けをしましょう。

お願いする際は尽力ではなく「ご助力」「お力添え」を使う

人にお願いする場合、「尽力」ではなくお力添え、ご助力という言葉を用いるのがよいでしょう。お力添えは、援助・協力・手助けという意味の謙譲語です。

これらは、「どうかお力添えをお願いいたします」「どうかご助力をお願いできませんでしょうか?」のように用います。「尽力」と違う点は、相手が自分のために使う(であろう)「力」の度合いです。相手が自分に差し出す力の度合いによって「お力添え」と「ご尽力」を使い分けます、例文は以下の通りです。

お力添え
自分が穴に落ちたとして、小さな穴から出ようとしているところに相手がちょっと手を添えてくれている状態。
ご助力
ちょっと深めの穴から少し引っ張って手伝ってくれる状態。
ご尽力
一人では到底出られないほど深い穴から、相手も脱出を果たすために真剣に協力してくれる状態。

このように、いずれにせよ、たとえほんの少しであったとしても自分のために他人の力を求める場合は、へりくだってお願いする必要があります。

尽力を使う際の注意点

自分が尽力する場合には「ご」はつけない

なお、自分を主体としてこの語を用いる場合は「謙譲」の「ご」はつけません。「ご報告させていただきます」「ご連絡させていただきます」とはいいますが、「ご尽力させていただきます」とはいわないため注意が必要です。

「誠心誠意尽力させていただく所存でございます」という風に使いましょう。

尽力は「重言」は避ける

また尽力を尽くすというのも、特に書き言葉では避けましょう。「被害を被る」「後から後悔する」などと同じように、これは「重言(じゅうげん)」といいます。

重言自体は一概に間違いとはいい切れない部分もありますが、少なくともビジネスメールにおいて推奨される言葉づかいではありません。

「尽力」「助力」「お力添え」を用いた例文

尽力
ご尽力を賜りたくお願い申し上げるしか、すべはございません。どうかよろしくお願い申し上げます
ご助力
A社についてよくご存じの〇〇様のご助力をどうか賜りたく、ご多忙は重々承知ながらお願い申し上げる次第でございます
お力添え
今後とも〇〇様のお力添えを賜ることができましたら幸いでございます

尽力の英語表現

尽力は「努力すること、特に他人に対して尽くすこと」なので、その意味から英語を考えてみると、以下のような表現ができます。

尽力
effort(s), services, helping, endeavor

尽力する
someone devotes himself to~(〜に身を捧げることを誓う)
someone is devoted.(〜は献身的だ。)

お力添え、助力
help, backup, assistance, support, cooperation

例文
・I appreciate your efforts/ your help
あなたのご尽力に感謝いたします。
・Thank you for your assistance.
((メールにて)ご尽力いただき、ありがとうございました。)

尽力を使う際のまとめ

  • 尽力は相手の努力を称える場合、自分の抱負を述べる場などに使用しましょう。
  • 間違っても相手に何かしらのお願いをする場合には使わないように注意しましょう。
  • お願いをする場合はご助力、お力添えといった、他の言葉に置き換えましょう。