五臓六腑に染み渡るの意味とは

「五臓六腑に染み渡る」の「五臓六腑」は、中国の漢方医学で定義される人体の重要な器官や場所をさし、あわせて「食べた物や飲んだものが身体の隅々に深く行き渡る」という意味のことわざになります。

五臓は「心臓・肺・脾臓・腎臓・肝臓」の5つ、六腑は「胃・小腸・大腸・膀胱・胆嚢・三焦」の6つによって構成されますが、このうち「三焦(さんしょう)」は臓器ではなく、「体内で熱を発生させる3つの場所」という概念的なものです。

一般的には、旨い物をいただいたり飢えた状態で食事をしたときなど、摂ったものをゆっくりと味わいながら楽しみたい場面で使います。
とくに日本酒などのお酒を飲んだ時、その味に感動したことの表現として発せられるケースが多く、いささか時代がかった言い回しが日本酒の風情にマッチするのかも知れません。

また、応用として「言葉や親切などの好意が身に染みてありがたい」という使い方もあります。

本来の意味としては体内で吸収される飲食物や、綺麗な空気などを摂り入れる場合に用いるべきですが、言葉遊びの妙を楽しむためには、こうした意図的な誤用も時には乙なものとなり得ます。

五臓六腑に染み渡るの使い方と例文

「ハードな勤務が終わった後に飲むビールが、五臓六腑に染み渡った。」
相手のいない、一人言としての一般的な用法です。
「今回のプロジェクトに多大なるご助力をいただき、我々一同、ご親切が五臓六腑に染み渡る思いです。」
これは相手への感謝を示す用法ですが、言葉の正確な使い方を気にするような一家言ある相手には、うっかり使わないほうが良いでしょう。