ビジネスにおいて努力を伝える「精進」の意味と使い方の解説

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「精進」という言葉は、身近なところでは相撲力士が横綱に昇進したときの口上で耳にしたり、ビジネス場面では、昇進の挨拶で聞いたりします。そもそも「精進」とはなにか、場面によって変わる意味合いや、使い方を、例文を交えて解説していきます。

「精進」とはそもそもどういう意味か

精進は、「しょうじん」と読みます。意味は、「ひとつのことに精神を集中して励むこと。一生懸命に努力すること」です。「精」は「精製」や「精密」にあるように、「念入りに手を加える」ことなので、目的に向かって一生懸命努力し前進することが「精進」の意味です。

もともとは仏教用語で「 雑念を去り、仏道修行に専心すること」という意味が背景にあります。

「精進します」はどういう意味か

日常でよく耳にするのは「精進します」ですが、前段の意味から「ひとつのことに精神を集中して一生懸命努力します。」ということになり、誰かに対して自分の決心や決意を表明しています。

力士が横綱に昇進したときの口上だと、「横綱の名に恥じぬよう精進します。」というように、横綱として一生懸命頑張ることをファンに宣言します。

「精進」の使い方

多くは誰かへの決意表明なので、使用場面はあらたまった席や状況の中で、口頭挨拶であったり、文書類、メール文などで使われます。

具体的な「精進」の使い方を、意味合いや使用場面で整理すると以下になります。

 栄転や昇進時の挨拶、礼状、メールで「精進」を使う

ビジネス場面でよくありますが、栄転や昇進を祝う席で、お祝いをされた人が参加者に、今後の決意を語るときのことばの中で使います。お礼のことばが、お礼状やメールなどの文章になっても同様です。

また、人事異動であらたな職場に赴任したとき、部下や周囲の人に向けて挨拶するときも使います。

 お詫びとともに再発防止の決意で「精進」を使う

ビジネスの場面で、大事な顧客や取引先からのクレームに対してお詫びを入れた後、再発防止に向けて頑張る決意のことばとして使います。

自分自身が頑張るという使い方の他、「社員一同」と前置きし、代表者のことばとして使う場合もあります。

「精進」の類義語

精励
一生懸命努め励むこと。
主に仕事や勉強が対象で、精進のような精神的な修行の意味合いはありません。
精勤
熱心に職務に励むこと。休まずに出勤・出席すること。
「勤」は勤務のことで、主に仕事面の勤務についてのことをいいます。
専念
一つのことに心を集中すること。
精神的な努力部分より、物事に集中する事自体にスポットが当たっています。
邁進
どんどん進んで行くこと。
「邁」も「進」も進んで行く意味で、進展していく様にスポットが当たっています。

「精進」を使った例文

営業部長として、社業発展のため与えられた業務に精進してまいりますのでよろしくお願いいたします。」
(昇進時の挨拶で、周囲の人たちへのメッセージのことばとして)
「今後、このようなことのなきよう、サービスの向上を目指して社員一同精進する所存でございます。」
(クレームへのお詫びと、今後の改善を約束する決意表明として)
この度は大変お騒がせいたしました。心を入れ替え、真面目に精進いたしますので、今後ともよろしくお願いいたします。」
(自分を支持してくれた人を裏切った時の謝罪として)

「精進」についてのまとめ

「精進」とは、「ひとつのことに精神を集中して励むこと。一生懸命に努力すること」ですが、もともとは仏教用語の「雑念を去り、仏道修行に専心すること」が背景にあります。

使いかたは、改まった席などで、周囲の人に、今後も頑張る決意を表明するときに、「精進します」といった動詞の形で表現します。栄転したときの挨拶や、クレームなどの反省言葉など口頭で使ったり、お礼状・おわび状などの文章、メールなどで使います。

「精励」「精勤」「専念」など、同類の頑張ることばはいくつかありますが、精神的な集中や努力という意味や、周囲に表明するときに使うことで、「精進」のほうが決心の度合いが高い意味合いがあります。