書類の確認や、プレゼン中に手元の資料を見てほしい場合に「見てください」という意味で使う「ご覧ください」。使ったことがある人も多いのではないでしょうか。「ご覧ください」の正しい使い方やビジネスメールで使えるフレーズをご紹介します。

「ご覧ください」の意味と正しい使い方

立場が上である人に何かを見てほしい時、「見てください」というお願いをするのに使うフレーズが「ご覧ください」です。

「見る」の尊敬語が「ご覧になる」で、「ご覧ください」は目上の人にも使える敬語です。
対して、「見る」の謙譲語は「拝見する」です。「ご覧ください」と間違えて「拝見してください」といってしまうと、お願いをしたつもりが「(私がお願いしたものを)謹んで見てください」と相手に悪印象をあたえてしまうので、注意しましょう。謙譲語は自分の動作などに対して使う敬語です。

また「ご覧ください」はすでに敬語ですが、より柔らかい表現にしたい時には「ご覧くださいませ」と使うのもいいでしょう。クッション言葉「どうぞ」を文頭につけて、「どうぞご覧ください」もより丁寧な印象になります。「どうぞ」以外にも、「お忙しいとは存じますが…」「お手数をおかけしますが…」など他のクッション言葉を使うのもいいでしょう。
少々くどいいい方ですが、丁寧さを強調したい時には「ご覧くださいますようお願いいたします」というのも文法的には間違いではありません。

よく聞く表現ですが、気をつけたいのは「よろしければご覧ください」というフレーズでしょう。「よろしければ」をつけると、見るか見ないかは相手の判断にゆだねられることになります。かならず見てほしい時には、「よろしければ」は使わないようにしましょう。
「見る」の謙譲語・尊敬語・丁寧語のビジネスメールで使える例文7選

「ご覧になってください」という表現は正しいのか

上記でも触れましたが、「見る」の尊敬語は「ご覧になる」です。
「ご覧になってください」は「見る」の尊敬語である「ご覧になる」+お願いする「ください」が合わさった言葉です。決して間違いではないので、使用しても問題ありません。

しかし同時に、「ご覧」+「~になる」+「ください」が合わさった二重敬語のような印象を与えてしまいがちということもいえます。また少しくどい印象になる言い回しでもあるので、よりスマートに表現するには「ご覧ください」として伝えるとよいでしょう。

「ご覧になられる」という表現は正しいのか

「ご覧になる」は「ご覧」+「~になる」の2語ではなく、「ご覧になる」という1語です。したがって、「なる」の部分までも敬語に変えた「ご覧になられる」は二重敬語となり、敬語の間違った使い方になるので注意しましょう。

「ご覧になられる」を間違えて使ってしまうケースとして、疑問文になった「ご覧になられましたか?」というフレーズがあります。疑問文として使いたい場合は、「ご覧になりましたか?」と表現します。

昨日のニュースについて見たかどうか尋ねたい時
(×)昨日のニュースはご覧になられましたか?
(○)昨日のニュースはご覧になりましたか?

「ご覧いただく」の意味と正しい使い方

「ご覧になる」をより丁寧にした言葉が「ご覧いただく」です。
「ご覧になる」という「見る」の尊敬語と、さらに謙譲語である「いただく」を合わせることで、より自分の立場を低くし、相手を立てた表現です。私のためにどうか見てくださいという意味があり、面倒なことをお願いして申し訳ありませんがという隠れた気持ちを表現しています。

「ご覧いただき」と「ご覧くださり」の違い

「いただき」は「~してもらう」の謙譲語で、こちらが依頼したことへの感謝の気持ちを表現しています。

一方、「くださり」は「くれる」の尊敬語で、相手が(自発的に)行ってくれたことへの感謝を表しています。

どちらも日常的に使われていますが、相手がしてくれたことに対して使う場合に謙譲語を混ぜないという点では、尊敬語を使った「ご覧くださり」の方が、表現としてより自然になります。

「ご覧になる」のビジネスメールで使えるフレーズ・例文集

ビジネスシーンでは、様々な場面で見てもらうようお願いや、確認するシーンがあります。具体的なシーン別で「ご覧になる」を使ったフレーズを集めてみましたので、チェックしてみましょう。

相手に見てもらえるようお願いする時

・個人情報保護方針については、以下をご覧ください。
・お手元の資料をご覧ください。

相手に見てもらいたい気持ちをより一層伝えたい時

・お時間がある時にでもご覧いただけたらと存じます。
・企画書を添付いたしました。一度ご覧いただければ幸いです。
・この度は、当社のホームページをご覧くださり誠にありがとうございます。

相手に見たかどうか尋ねる時

・スカイツリーはもうご覧になりましたか?
・新しい図案をご覧になりましたか?
・先日お送りした講演会のお知らせはご覧くださいましたでしょうか。

「ご覧ください」の類語・類似表現

ご参照ください

「参照」とは、他のものと照らし合わせることを意味します。資料など見るだけでなく、参考にしてほしい時には「ご参照ください」が使えます。よく見て注意を払ってほしい時などシーンを選んで、「ご覧ください」と使い分けましょう。

ご参考にして(なさって)ください

「参考」は考えをまとめたり、物事を決めるのに、手がかりや助けとすることやもののことをさしています。参照と違い、必ず資料などのものがなくても使える言葉です。また、参考は見るだけでなく、取り入れることも意味しています。「ご覧ください」や「ご参照ください」よりも、一歩踏み込んだ意味合いになります。シーンに合わせて使うようにしましょう

ご賢覧/ご高覧ください

「賢覧」「高覧」は、相手を敬って「見る」ことを表現する言葉です。目上の人に対して、何かを見てほしい時、かつフォーマルなシーンなどに使える表現でしょう。

ご笑覧ください

「笑覧」とは、笑いながら見てくださいの意味合いから、他の人に見てもらうことをへりくだった表現です。見てもらうものが自分の仕事や作品であるときに使う言葉で、人の仕事や作品に「笑覧」を使うと失礼になるので気をつけましょう。

ご一読ください

「一読」は、軽く目を通すことを意味しています。読む者に対してのみ使う表現なのが、見るだけの「ご覧ください」との違いでしょう。見るものが文章であれば、意味合いとしては「ご覧ください」も「ご一読ください」も同じといえます。

「ご覧ください」の英語表現

「ご覧ください」は、”Please take(have) a look at…”と表現できます。
その他にも、”Please refer to…”や”Please direct attention to…”などともできます。

まとめ

「ご覧ください」は「見てください」とお願いをする時に使えるフレーズで、敬語として目上の人にも使えます。
より丁寧に言いたい場合には、「どうぞ」などのクッション言葉を文頭にはつけたり、「ご覧くださいますようお願いいたします」などともいえるでしょう。
「ご覧になってください」は文法的に間違いではありませんが、くどい言い回しでしょう。
「ご覧になられる」は二重敬語で間違った表現です。
「ご覧いただき」はこちらが依頼した場合に使う表現で、「ご覧くださり」は相手が自発的に見てくれた場合に使います。
「ご覧ください」の類語・類似表現には、「ご参照ください」「ご参考にして(なさって)ください」などがあります。
「ご覧ください」の英語表現は、”Please take(have) a look at…”とできるでしょう。