嘆願書とはなにか 嘆願書の正しい書き方と嘆願書が必要になる場面

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正式に何かお願いする時、嘆願書という書類を使います。誰もが一度は目にしたことがある、というような書類ではありませんが、法律に基づくものや、役所を通すものなどは嘆願書が必要となります。

今回の記事では、嘆願書について以下のような点を中心に解説いたします。

・嘆願書の意味
・嘆願書の使い方
・嘆願書の書き方
・嘆願書と請願書の違い

嘆願書を書く際に失敗しないよう、この記事を参考にしてみてください。

嘆願書の読み方と意味

嘆願書は「たんがんしょ」と読みます。

嘆願とは、事情説明してある事柄の実現を願うことです。これを書類に書き記したものを嘆願書といいます。

嘆願書を使うシーン

嘆願書は法律に関係する時、役所に提出するものとして使われます。

嘆願書が必要になる場面には以下のような場合があります。

税務署への嘆願書

税務調査やその他の税務署からの指摘で、何らかの問題が発覚したときに、その事情を陳謝し、情状酌量を求めるものとして嘆願書を提出することがあります。

例えば、会社で会計帳簿などを紛失し、消費税の確定申告書に影響した場合などです。これは会社で7年間の帳簿保管義務があるためですね。

保育園への嘆願書

最近の保育園事情としてなかなか空きがなく入れないということがあります。その場合、市町村に対して保育園入園の嘆願書を提出することがあります。

どうしてそこの保育園に入りたいのか、どのような事情があるのかをしっかりと記入し、保育園入園をしたい意思を伝えます。実際には、この嘆願書がどの程度影響しているのかは定かではありませんが、口頭でダメな場合には嘆願書を出すという方法もあります。

行政の嘆願書

行政や司法に対して、住民の意見が無視され、どうにもならない時は行政に対して嘆願書を提出します。

例えば再開発における立ち退きや、利便性を優先した環境破壊などです。この場合の嘆願書は、住民の思いを1つにまとめたものなので、目的をはっきりとさせ、皆の署名を集めることが重要になってきます。

行政が決めたことを覆すのはなかなか難しいことですが、嘆願書と署名、デモ更新などによって、行政や司法を動かすこともできます。

交通事故における嘆願書

人身事故の被害者が、交通事故の加害者の処分を軽くしてもらえるよう裁判の前に検察や警察に嘆願書を提出することがあります。

交通事故で被害を受けた人が被害者ですから、本来は裁判で厳しい判決を望むものです。しかし、加害者が交通事故の損害賠償について真摯に対応し、早期に示談を成立させた場合、被害者側に誠意を見せることができます。

被害者が加害者の誠意に心を動かされた場合は嘆願書を書いてくれることがあります。

嘆願書の書き方

嘆願書自体には決まった形式はありません。しかし、正式な文書として提出するものですので、ある程度ポイントは押さえておく必要があります。

嘆願書に必要な事項は以下の通りとなります。

タイトルは簡潔に記す

何の嘆願書なのかを明確に簡潔に記す必要があります。

嘆願書を書いた日付は忘れずに書く

嘆願書の作成日は忘れずに書きましょう。

誰に向けて書いたものなのか宛先をはっきりさせる

嘆願書が誰に向けて書かれたものなのか、明確に記します。

検察官、裁判官、裁判所、総理大臣、会社の代表取締役、など嘆願書の内容によって、大きく異なるので、きちんと記載しましょう。

嘆願する内容とその理由

嘆願書の中でもっとも大切な部分です。

嘆願書ですから、嘆願する内容をきちんと明記し、その理由も書く必要があります。理由によっては嘆願内容が認められる場合があるためです。

寛大な処分を望む希望も忘れずに入れる

嘆願内容に対して、相手に何を求めるのかを書きます。

あまり大きな要求はせず、本当に困っていることやお願いしたいことの核となる部分を書くのが鉄則です。

自分の住所と氏名を入れて正式な文書になる

誰が嘆願書を書いたのかを明確にしなければ、誠実さが見えず、対応してもらえません。

住所、氏名をきちんと記載し、捺印もあると、より正式な文書になります。

会社内のパワハラに対する嘆願書の内容

普段、生活をしていると文書でもって何かをお願いするということはそれほど多くないかもしれません。

しかし、最近では職場でのトラブルが昔に比べて増えているため、会社内で嘆願書を提出することがあるかもしれません。その中でも特に多いのがパワハラに対する嘆願書ではないでしょうか。

パワハラは上司が原因なので、上司に相談することはできません。会社(代表取締役)に対して、嘆願書を提出するケースがあります。

ポイントは以下の通りです。

またパワハラについては以下の記事も参考にしてみてください。
パワハラの定義とは 4つの事例とパワハラを受けた際の対処法を紹介
パワハラとは何か、パワハラのパターンや対処法について詳しく解説

宛先は会社の社長宛てにする

パワハラなどのトラブルで嘆願書を書く場合、宛先はその会社の社長(代表取締役、代表取締役社長などと正式名所で書く)にしましょう。

パワハラをやめてほしい旨を嘆願書の内容に書く

いつ誰からどのようなパワハラにあったのか、そのことを直属の上司に報告したが改善されない旨などを記載します。

この時、パワハラを行っている人物の解雇や異動願いを書くのはやめましょう。その処分は会社(社長)の判断に任せるようにした方が無難です。

嘆願書は、あくまで、自分に対するパワハラをやめてほしいと言う旨だけを書くようにしましょう。どのようなパワハラを受けていたのかという詳細も日付とともに具体的に記載しましょう。

嘆願書と請願書の違い

嘆願書と請願書は似ていますが、厳密には異なります。

嘆願書はその言葉通り、嘆願する(切に願う)時に提出される書類です。一方、請願書は自分の権利を主張するときに利用する書類です。つまり、請願書の方が強気の姿勢で相手に権利を主張するものです。

請願書は憲法上の権利の主張ということなので、簡単に出せるものではありません。請願とは、国民が損害の救済や公務員の日面、法律等に関わる事項について、国会や地方公共団体に申し出る権利のことです。

例えば、税務署に対して何らかの指摘を受けた際に、自らの過失を陳謝し、許しをお願いするものが嘆願書だとすると、請願書は税務署の不当調査に真っ向から勝負するようなときに使われます。

似たものに「意見書」というものもありますが、こちらは「物事やある判断に対して、自分の意見を述べる文書」となり、法的な効果はほとんどないでしょう。

嘆願書に関するおさらい

嘆願書に関するおさらいは以下の通りとなります。

  • 嘆願書は、切なる願いを書面に託したものである
  • 住民から行政、税務署へ、会社でのパワハラなどの際に嘆願書が利用される
  • 嘆願書に決まった形式はないが、日付や内容、自分の住所や氏名などをきちんと記載しなければならない
  • 会社でのパワハラに対する嘆願書は、社長宛に出し、具体的な日付と被害状況を記載する
  • 嘆願書がお願いをする書類だとすると、請願書は主に権利を主張するときに行政に対して出すものである