目上の人からの返答を待つとき、そしてお客様の来訪を心待ちにしていることを伝えるときなど、さまざまなビジネスシーンで使う「お待ちしております」

ふと考えると、一般的にモノに対して尊敬の念を込めてつける「お(御)」を自分がする動作に付けるのはおかしいと疑問に思う方も少なくありません。ここでは「お待ちしております」の使い方を例文を交えて解説いたします。

「お待ちしております」の意味とは?


「お待ちしております」とは、「待っています」の丁寧語で、「待っています」をより丁寧に表現している言葉です。

「お待ちしております」は、人や物が来ることを望んでいるという意味も含んでいます。

「お待ちしております」に似た言葉として「お待ちしています」が挙げられますが、「お待ちしています」よりも「お待ちしております」の方がより丁寧な表現だといえるでしょう。

かしこまった表現なので、丁寧な言葉遣いが求められる接客業などでよく用いられる表現です。

例えば飲食店で予約をしたい旨の電話があった場合、最後に「ご来店をお待ちしております」といった使い方をします。

幅広い場面で用いることができる表現なので、この際に覚えておくと良いかもしれません。

「お待ちしております」は正しい敬語?


「お~する」「ご~する」というのは、自分がへりくだっていう際に使う謙譲語の類に分類される日本語の使い方で、間接的に相手を敬うときに使用されます。

このことから「お待ちしております」は正しい敬語といえるでしょう。目上の方へ使用した時、不快感を与えたり、違和感を覚えるだろうという心配は不要です。
「お待ちしています」は「お待ちしております」よりも丁寧さに欠ける表現なので、社内など近しい人に使うのにとどめるのが無難でしょう。

また以下ではビジネスで正しい言葉を使うための情報を解説しています、言葉遣いやマナーに不安がある方はここで正しい知識を身に付けましょう。

 

「お待ち申し上げております」は強い謙譲語


「お待ちしております」と似たフレーズで、「お待ち申し上げております」があります。ほぼ意味は一緒でも丁寧な印象が強く、一般的により強い敬意を表現する形で使用されます。

謙譲語の形状「お~する」「ご~する」を踏まえると、「申し上げて」も謙譲語です。そのため二重敬語ではないのかという風に疑念を持つ方も多いかもしれません。

しかし、この表現もまた正しい使い方で、接頭語としての「お」と「申し上げる」とを組み合わせて使うことによって、相手への強い謙譲を表現できることが出来ます。

「お待ちしております」と「お待ち申し上げております」の違いは相手に対する敬意の度合いです。デパート等のアナウンスを含め、機械的に流れる放送などに、このフレーズが使われます。ビジネスシーンの一般的な会話でも使われますが、かたい印象が強いので、相手との関係性によっては丁寧すぎて冷たく感じる人もいるかもしれません。

お待ち申し上げております」は書き言葉で、「お待ちしております」は会話の言葉と使い分けるのもいいでしょう。

「心よりお待ちしております」はより丁寧な表現

囚人のジレンマ
「お待ちしております」は丁寧な言い回しですが、「心よりお待ちしております」はより丁寧な表現です。

「心より」というのは「心の底から」という意味で、つまり「心から深くそう思っている」ということを表しています。

したがって「お待ちしております」の前に「心より」をつけることによって、より丁寧な印象を与えることができるというわけです。

とりわけ接客業などでよく使用される表現なので、買い物をしたりホテルに宿泊したりした際などに耳にしたことがあるという人もいるかもしれません。

例えばホテルに宿泊してチェックアウトした際には、「またのご宿泊を心よりお待ちしております」などと言われたことがあるという人もいることでしょう。

上記の例から分かるように、とても丁寧で汎用性が高い表現だといえます。

「お待ちいたしております」は間違い


「お待ちしております」は、「お待ちする」+「いる」からなっています。

対して、「お待ちいたしております」になると、「お待ちする」+「いたす(致す)」+「いる」に分解され、「いたす」と「いる」がだぶった意味合いがあります。

使う人も少なくない表現ですが、間違いであるのを認識しておきましょう。

丁寧に言いたい気持ちがあっても、「お待ちしております」で丁寧さは十分伝わります。

ビジネスメールでの「お待ちしております」は曖昧?


「お待ちしております」の特徴として、押しつけがましくない表現ということがあります。接客などでは都合よく使える表現でしょう。
しかし、ビジネスメールにおいて「ご返信をお待ちしております」とすると、相手によっては返信するまでに猶予があるようにとる人もいます。

かならず返信がほしいならば、「ご返信くださいますようお願いいたします(申し上げます)」などの表現にするのが無難でしょう。

「お待ちしております」の例文集

「またのご来店、お待ちしております。」
「ご返信、お待ちしております。」
「お客様のご来店、心よりお待ちしております。」
「またのご利用、お待ち申し上げております。

「お待ちしております」の類語

cf.
「お待ちしております」の類語としては、次のようなものが挙げられます。

  • 「お越しください」
  • 「ご来臨賜りますようお願い申し上げます」

またそれらの表現を使った例文としては、以下のようなものが考えられるでしょう。

「近くまでいらっしゃった際には、ぜひ弊社にもお越しください」と取引先から声をかけてもらった。

「お越しください」は「おこしください」と読み、「来てください」を丁寧に表現しています。

ビジネスにおけるコミュニケーション手段としては電話やメールなどがありますが、最も効果的で関係が築きやすいのは直接顔を合わせることです。

この例では、より信頼関係を構築するために上記のように取引先から言われたのでしょう。

新人研修で「ご来臨賜りますようお願い申し上げます」という言い回しを習った。

「ご来臨賜りますようお願い申し上げます」は「ごらいりんたまわりますようようおねがいもうしあげます」と読み、「出席してください」をより丁寧にした表現です。

今回の例だと、接客業などでよく使われるので新人研修で上述の言い回しを習ったということでしょう。

かなり丁寧な表現なので普段あまり見聞きする表現ではないかもしれませんが、知っておくと知的な印象を与えることができるかもしれません。

「お待ちしております」の英語表現


「お待ちしております」の基本の英語表現は、”I am looking forward to ○○.”です。○○のところに何を待っているかを入れるといいでしょう。

メールの返信をお待ちしております
I am looking forward to reply.
またのご来店をお待ちしております
I am looking forward to your visit.
文末に”sincerely”をつけると、さらに丁寧な印象になります。
I am looking forward to your visit sincerely.

まとめ

  • 「お待ちしております」は「待っています」の丁寧語で、「待っています」をより丁寧に表現している言葉
  • 「お〜する」「ご〜する」は間接的に相手を敬うときに使用されるので、「お待ちしております」は正しい敬語といえる
  • 「お待ち申し上げております」は「お待ちしております」のより強い謙譲語
  • 「心よりお待ちしております」は「お待ちしております」のより丁寧な表現
  • 「いたす」と「いる」がだぶることから、「お待ちいたしております」は間違い
  • ビジネスメールでの「お待ちしております」は返信に猶予があるようにとる人がいるので、かならず返信がほしいならば「ご返信くださいますようお願いいたします(申し上げます)」などの表現にするのが無難
  • 「お待ちしております」の類語としては、「お越しください」や「ご来臨賜りますようお願い申し上げます」などが挙げられる
  • 「お待ちしております」の基本の英語表現は”I am looking forward to ○○.”