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ビジネスマンにとって「敬語」は、お客様や取引先とのコミュニケーションに必要不可欠なものです。敬語を正しく使えないと評価が下がるだけでなく、仕事の成否にも関わってきます。しかし、日常正しいと思って使っている敬語の中で、実は間違って使っている敬語も少なくありません。この記事では、「お迎えにあがります」について解説いたします。
「お迎えにあがります」は間違った言い方
お客様に対して「9時にお迎えにあがります」と言った経験のある人はいるはずです。
一般的に使われている敬語のような気がしますが、厳密にいうと誤った敬語表現です。
尊敬語と謙譲語の違い
日本の敬語には、「尊敬語」と「謙譲語」があります。その違いは動作の主体となる人がどういう人かです。例えば、目上の人や取引先の人が「言う」時は、「言われる」「おっしゃる」という尊敬語を使います。一方、目上の人や取引先に「言う」場合は、「申し上げる」という謙譲語を使うのが正しい敬語です。
この他にも、「食べる」が、尊敬語では「召し上がる」謙譲語では「いただく」、「見る」が尊敬語では「ご覧になる」謙譲語では「拝見する」などがあります。尊敬語と謙譲語は動作に対するものだけでは、ありません。例えば、「会社」を表現する場合でも自分の会社以外は、尊敬語の「御社」や「貴社」を使い、自分の会社は謙譲語の「弊社」を使います。このように一般社会では、数多くの尊敬語と謙譲語が存在します。
特に謙譲語はなかなか使い慣れないものです。上司などに対して、「先日の資料見ましたか?」と謙譲語を忘れてしまうこともあるでしょう。
「迎えに行く」の謙譲語
「お迎えにあがります」は、「迎えに行く」の敬語表現として使われています。当然、目上の人や取引先の人に対しての謙譲語でなければなりません。つまり、「行きます」の主体はこちらのため、謙譲語を使う必要があります。
「行きます」の謙譲語は、「参ります」です。「迎えに行きます」の正しい謙譲語は、「お迎えに参ります」となります。
尊敬語で「迎えに行く」を使う場合
一般的に「迎えに行く」のは、部下か目下の人間ですから、尊敬語を使うことはありませんが、上司が「迎えに行く」こともあります。
この場合は、「○○さんが迎えにいらっしゃいます」と尊敬語に言い換えます。しかし、問題は迎えに行く相手、待っている相手ががどんな人かです。例えば待っている相手が取引先の社長、迎えに行く人が、こちらの上司だった場合は謙譲語を使います。尊敬語の扱い方は微妙な部分があるので、相手との関係を正しく把握することが大切です。
「お迎えに参ります」の英訳は
英語には日本語の謙譲表現はありません。ですから、英訳する場合は「迎えに行きます」を英語で訳すだけです。
I’ll pick you up at 9 a.m. Tomorrow.
I’ll go to meet you at the station.
このように使用するとよいでしょう。
お迎えにあがりますは間違いである
敬語が正しく使えれば、社会人としてのスキルアップにつながります。「お迎えにあがります」のように、普段何気なく使っている表現でも誤っている場合があるのです。
「お迎えにあがります」の正しい言い方は、「お迎えに参ります」です。
日本特有の「尊敬語」と「謙譲語」の意味をしっかりと理解して、正しい敬語をマスターしましょう。また、英訳する場合は尊敬語は関係ありませんが、車で迎え行くに行く場合は、「pick up」と表現します。