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この記事では「黙々と」の意味や使い方について解説いたします。日常会話やビジネスシーンなど幅広い場面で用いられることがある言葉だからこそ、ぜひ知っておきたい言葉です。
そこで今回は「黙々と」の使い方の例文や関連用語との違い、言い換え表現や英語表現なども交えてまとめました。この記事を最後まで読むことにより、「黙々と」をよく理解することができるようになることでしょう。
「黙々と」とは
「黙々と」は「もくもくと」と読みます。「黙々と」を十分に知る上では、その意味や使い方を確認するのが手っ取り早いでしょう。
そこでこの項目では、「黙々と」の意味と使い方をピックアップしました。使い方については例文の後に解説を載せることにより、理解しやすくするように構成しています。
「黙々と」の意味
「黙々と」とは「黙って作業を行うさま」のことで、多くの場合は集中して一つの作業に取り組むさまを形容する表現です。「黙」は「黙る」(だまる)という字があるように「喋らない」ことを意味します。
「々」は同じ漢字が続く際に第二字に代わって使われる言葉で、本来「黙黙と」となるところを「黙々と」と表現されているわけです。同じ意味の言葉が二字続くことにより意味が強まっているので、上記のような意味として使用されます。
このような使い方は他の熟語などでも散見され、例えば「延々と」や「段々と」、「飄々と」や「続々と」など枚挙に暇がありません。せっかくですから、この際に合わせて覚えておくと良いでしょう。
誰かと話しながら仕事をしたり、テレビを観ながら料理をしたりするなど、人は何かを並行して行うことがあります。その場合は意識が分散され、集中力に欠けてしまうものです。
それに対して「黙々と」何かをするということは「喋らないだけではなく、他のことも行わず一つのことに集中する」というニュアンスがあります。したがってどちらかというと、ネガティブな場面よりもポジティブなシーンで使われることが多い言葉だといえるかもしれません。
「黙々と」の使い方や例文
この項目では「黙々と」をより理解しやすくなるよう、その使い方を例文に解説を添えて取り上げました。実際にどのように使用されるのか、以下の2つの例文を確認していきましょう。
他の人が手を緩めている中で一人だけ作業に集中するのは容易なことではありません。なぜならつい自分もさぼりたくなったり、集中力が削がれたりするものだからです。
この例では、周囲が雑談で作業の手を止めている中で彼女だけが黙って作業に励んでいたということを表しています。つまり周囲の様子が気にならないほど集中していたということが読み取れるでしょう。
いついかなる時でも真面目に仕事に取り組んでいる人は、その人柄を評価されやすくなります。今回の例でも、どんな時でも黙って仕事に励んでいる彼の人柄が認められて同僚からも上司からも信頼されているということです。
関連用語との違いについて
「黙々と」には様々な関連用語が存在します。この項目では、「黙々と」と関連用語との違いをまとめることで、より分かりやすくなるよう構成しました。
今回は「淡々と」と「粛々と」の2つの関連用語を取り上げています。
「淡々と」との違い
「淡々と」は「たんたんと」と読み、「あっさりとしていて淡白な様子」という意味です。例えば「彼女はいつでも淡々と仕事をしている」とは「彼女はいつも落ち着いて感情を見せずに仕事をしている」といった様子を表現しています。
「淡々と」にはあまり感情を表に出さない、つまり感情の起伏がないというニュアンスが含まれているということです。例えば「あの先生は淡々と授業を進めていくことで有名だ」は「あの先生は感情の起伏がなく授業を進めていくことで有名だ」ということを表します。
「淡」は「淡い」と読み、「あっさりとしているさま」といった意味があるのでそれが二字続くことで上記のような意味として使用されるということです。
「黙々と」は「黙ること」も含まれているのに対し、「淡々と」は必ずしも黙っているわけではなく、多少の受け答えなどはすることがあるという違いがあります。また「黙々と」は感情が表に出ているシーンでも使用されることがあるので、そういった点でも「淡々と」とは異なるといえるでしょう。
「淡々と」の意味とは|類語や「粛々と」「坦々と」との違いを解説
「粛々と」との違い
「黙々と」には「淡々と」だけではなく「粛々と」という関連用語があります。「粛々と」の読みは「しゅくしゅくと」で、その意味は「ひっそりと静かに」や「厳かな様子で」、「気を引き締めた様子で」です。
「粛」という字には「慎む」や「厳か」、「気を引き締めて」などの意味があり、それが重なることで意味が強調され上述の意味になります。例えば「粛々と経営改革に乗り出す旨をあの社長はテレビで表明した」は「気を引き締めて経営改革を行うことをあの社長がテレビで表明した」ということです。
この例のような使い方の際に「粛々と」を「事務的に」というニュアンスで解釈する人がいますが、決してそんなことはありません。「事務的に」行うのではなく「気を引き締めて」行うということで、むしろポジティブな様子を表しています。
粛々と淡々の違い 粛々の類語と例文
「黙々と」の言い換え表現
「黙々と」には「黙って」という意味が込められているので、「黙々と」の言い換え表現としては「黙りながら」や「静かにしながら」といったものが考えられるでしょう。
例えば「あの先輩はいつも黙りながら事務作業を進めている」や「彼女は静かにしながら読書をするのが趣味だ」のように使用します。「黙々と」だけではなく、「黙りながら」や「静かにしながら」の後には何かしらの動作を伴うのも共通の特徴です。
「黙々と」の英語表現
「黙々と」の英語表現は「silently」が適切です。例えば「He is studying silently.」(彼は黙々と勉強している。)のように使います。
その他には「in silence」や「with saying anything」といったものが挙げられるでしょう。いずれも意味や使い方は「silently」とほとんど同じです。
その時の状況や他の語彙などの踏まえながら、どの表現を選択するかを決めると良いかもしれません。
まとめ この記事のおさらい
- 「黙々と」は「もくもくと」と読み、「黙って作業を行うさま」という意味がある
- 「黙々と」は多くの場合は集中して一つの作業に取り組むさまを形容する表現である
- 「々」は同じ漢字が続く際に第二字に代わって使われる言葉で、同じ意味の言葉が二字続くことにより意味を強める際に使われる
- 「黙々と」何かをするということは「喋らないだけではなく、他のことも行わず一つのことに集中する」というニュアンスがあり、ポジティブな場面で使われる
- 「淡々と」は「たんたんと」と読み、「あっさりとしていて淡白な様子」という意味がある
- 「粛々と」の読みは「しゅくしゅくと」で、「ひっそりと静かに」や「厳かな様子で」、「気を引き締めた様子で」といった意味がある
- 「粛々と」の英語表現は「silently」や「in silence」、「with saying anything」といったものが挙げられる