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この記事では「淡々と」について解説いたします。
日常会話やビジネスシーン、小説など幅広い場面で使われることがある言葉ですが、その意味や使い方についてはよく分からないという人もいるかもしれません。
そこで今回は「淡々と」の語源やビジネス上での使い方、「粛々と」や「坦々と」との違いなども含めて取り上げました。
この記事を通して「淡々と」に対する理解が深まれば幸いです。
「淡々と」の読み方・意味・使い方
「淡々と」は「たんたんと」と読み、「あっさりしている」や「感情の起伏が少ない」といった意味です。
「あっさりしている」というのは例えば色合いや味などを表現する際に使われます。
「単調である」や「面白みがない」といったニュアンスを含んでいることから、ネガティブな印象を与えることが多いです。
対して「感情の起伏が少ない」の意味は、人の態度や行動・言動について表したい時に用いられます。
ポジティブな意味合いなら「落ち着いている」や「冷静で無駄がない」、ネガティブなニュアンスだと「こだわりがない」や「冷淡」といった具合です。
上記のようにポジティブにもネガティブにも使われるので、文脈に応じてどちらの意味合いで使用されているのか都度判断しなければなりません。
また「淡々と」の使い方としては、例えば次のようなものが挙げられます。
仕事などで目の前のことに集中する日が続いていると、月日があっという間に過ぎ去ってしまうように感じられるものです。
新年を迎えたばかりだと思っていたら、いつの間にやら年末に至ろうとしているといった具合で、時間の流れの早さを痛感したことがあるという人も多いかもしれません。
この例では、仕事で多忙を極める日が続くと毎日が単調で面白みもなく過ぎていってしまうということを表しています。
新入社員は覚えることも多く、学生の頃とは勝手が変わって慌てふためく人も少なくないかもしれません。
そんな中で落ち着いて仕事をこなす新人がいれば、良くも悪くも先輩や上司の目に止まることでしょう。
今回の例だと、冷静に無駄なく仕事を進める新入社員の姿が他の新人とは異なって見えたということを表現しています。
「淡々と」の語源
「淡々と」は「淡」という字を二つ重ねたもので、「淡」を繰り返すことによってその意味を強調しています。
「淡」の音読みは「たん」、訓読みは「あわい」で、「色合いが薄い」や「こだわらない」、「さっぱりとしている」といった意味です。
「淡々と」以外にも「重々と」や「飄々と」のように、同じ字を重ねるとその意味を強めることができます。
その為「淡々と」には先述したような意味があるというわけです。
「淡々と」と「粛々と」の違い
「淡々と」と似た言葉として「粛々と」が挙げられます。
「粛々と」の読みは「しゅくしゅくと」で、意味は「ひっそりとしている」です。
どちらも同じような言葉だと思われるかもしれませんが、「粛々と」には「身を引き締める」や「真剣に取り組む」のような意味合いを持っている点で「淡々と」とは異なります。
また「粛々と」は場面や人の姿勢に対して使う言葉です。
例えば冠婚葬祭のように礼儀作法に従って、身を引き締めて執り行われる場面で使用されます。
粛々と淡々の違い 粛々の類語と例文
「淡々と」と「坦々と」の違い
「坦々と」は「たんたんと」と読むことから、漢字表記の際に「淡々と」と間違われることの多い表現です。
「坦々と」には「土地や道路が平らである様子」や「何の波乱もなく平凡である様子」といった意味があり、色や味について表現する「淡々と」とは意味合いが異なります。
つい誤って使いがちになるかもしれませんが、上記のように全くの別物なので注意が必要だといえるでしょう。
「淡々と」のビジネス上での使い方
「淡々と」はビジネス上でも使われることがある言葉です。
その使い方としては、例えば以下のようなものが考えられます。
営業部は明るくて賑やかな人が多いなど、同じ会社内であっても部署によってその雰囲気は大きく異なるという場合が多々あります。
この例では、落ち着いた雰囲気の部署の中でも彼女が一際冷静に仕事をしているということを表現していると読み取れるでしょう。
ボーナス支給日の前後など嬉しいことがあると、ついつい気分が弾んでしまうものです。
今回の例だと、そのように周りが盛り上がっている時でも単調な様子で、面白みがない人だということでしょう。
「淡々と」の類義語と例文
「淡々と」の類義語は、下記のようなものが該当します。
- 黙々と
- 無愛想に
その他には「泰然と」や「平然と」などが挙げられるでしょう。
また上記の類義語を使うと、以下のような例文を作ることができます。
「黙々と」は「もくもくと」と読み、「黙って何かをし続けるさま」という意味です。
この例では、黙って勉強を続けているといつの間にやら夕方になっていたということを表しています。
「無愛想」の読みは「ぶあいそう」で、意味は「人当たりがよくない」や「そっけない」です。
今回の例のように、そっけない態度の人が好かれることはあまりないでしょう。
「淡々と」の対義語と例文
「淡々と」の対義語は次のようなものが挙げられます。
- 華やか
- 情熱的
「華やか」は「盛んで人目をひくさま」や「派手に美しいさま」といった意味です。
今回は「単調で面白みがない」という意味の反対として使われています。
「情熱的」とは「感情を激しく燃え上がらせること」です。
この例では、彼が仕事に対して感情を激しく燃え上がらせているので、それに対して深く心に感じているということでしょう。
「淡々と」の英語表現
「淡々と」の英語表現は「a bland tone」などが考えられるでしょう。
「bland」は「さっぱりした」や「無感情」、「tone」は「傾向」や「色合い」といった意味です。
「a bland tone」を使った例文は、次のようなものが挙げられます。
「in a bland tone」は「淡々とした口調で」という意味です。
機嫌が悪かったり何か嫌なことがあった時などには、誰しも淡々とした口調になってしまうことがあるかもしれません。
まとめ この記事のおさらい
- 「淡々と」は「たんたんと」と読み、「あっさりしている」や「感情の起伏が少ない」といった意味がある
- 「粛々と」には「身を引き締める」や「真剣に取り組む」のような意味合いを持っている点で「淡々と」とは異なる
- 「坦々と」には「土地や道路が平らである様子」や「何の波乱もなく平凡である様子」といった意味があり、読みは「淡々と」と同じだが意味は異なる
- 「淡々と」の類義語としては「黙々と」や「無愛想に」などが挙げられる
- 「淡々と」の対義語は「華やか」や「情熱的」といったものが考えられる
- 「淡々と」の英語表現としては「a bland tone」があり、「in a bland tone」で「淡々とした口調で」という意味になる