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この記事では、「作成」と「作製」の意味の違いや使い方、類語、英語表現について解説します。
「作成」と「作製」のように、日本語には発音が同じで同じような意味の熟語がいくつかありますが、その違いを正しく言えるでしょうか?
「漢字が違うだけ」と思っていませんか?
ビジネスの場でも「作成」や「作製」はよく使われる熟語です。この記事を通して、その違いをきちんと理解して、社会人としての知識を身につけてください。
「作成」と「作製」の意味の違い
「作成」と「作製」は、「さくせい」と同じ発音をしますが、明確な意味の違いがあります。その意味を正しく理解して使うことが大切です。
「作成」の意味
「作成」は、「主に計画や書類、または文章などをつくること」の意味です。
「作成」の「作」は「人+乍」から成り立つ会意兼形声文字で、「人」は横から見た象形で、「乍」は、木の小枝を刃物で取り除く象形です。ここから、人が何かをつくるという意味の漢字が生まれました。
「作成」の「成」は、釘を頭から見た形と大きな斧の形からなる会意兼形声文字で、敵を討ちその地域を安らかにする意味でした。そこから「なる」「できあがる」という意味に派生しました。
一般的に「作成」は、手には触れられないものをつくり出す場合に使います。
「作製」の意味
「作製」は、「機械や道具を使って物品や図面をつくること」の意味です。「作製」の「製」は、「制」と「衣」からなる会意兼形声文字で、枝の重なる木と刀の象形と衣服の襟元の象形から成り立っています。衣服を裁ち切ってつくることから転じて物品をつくる意味になりました。
「作製」は、「作成」と異なり、道具や機械などで実体をつくる場合に使います。
「作成」と「作製」の使い分け
手には触れられないものを作り出す場合に使うのが「作成」で、機械や道具を使って物品や図面をつくるのが「作製」です。
では、実際に「作成」と「作製」の使い分け方を見てみましょう。
「作成」を使うのは、主に文章に関係することです。そこからデータやアイデアなど手に触れることのできないものをつくることにも使われます。
・彼はゲームのプログラムを作成するのが得意です。
・友人は今、卒業旅行の計画を作成しています。
・このメモは、妻が作成した料理のレシピです。
・徹夜でポスターのアイデアを作成しました。
「作製」は、機械や道具を使ってつくることなので、主に工業製品などの物品をつくる場合に使われます。また、図面などは「製図」と表現するように、「作製」を使うのが一般的です。
・当社では、大手百貨店のユニフォームを作製しています。
・大量のポスターの作製で残業の日々が続いています。
以上のように、「作成」と「作製」は使い分けられますが、場合によっては「作製」を使うものを「作成」で表現することもあります。
例えば、ポスターなどは、ポスターのアイデアを考えて原案をつくる場合は、「ポスターを作成する」という表現になり、例文のように納品用に印刷する場合は、「ポスターを作製する」と使います。また、チラシなども個人やグループで使うようなものは、「作成」を使うのが一般的です。
また、料理をつくるのは「作成」ですが、レシピ本をつくるのは「作製」になります。
「作成」と「作製」のビジネス上での使い方
ビジネスの現場でも、「作成」と「作製」は使われるので、正しい使い方を知ることは大切です。
「作成」の使い方と例文
ビジネスで「作成」ものは数多くあります。書類やデータ、レポート、グラフなどさまざまな業務に「作成」が使われています。
・アンケート結果に従って年代別のグラフを作成します。
・彼は、企画書の作成で忙しいようです。
「作製」の使い方と例文
ビジネスで「作製」を使う場合は、商品などの製造物をつくる時です。また、宣伝用の媒体などをつくる時にも「作製」を使用します。
・販促用のポスターは、迅速に作製してください。
・プレゼン用の模型の作製には1週間ぐらい時間が必要です。
このように、ビジネスにおいて「作成」と「作製」を使い分ける場合は、機械や道具を使うかどうかで区別するのがわかりやすいでしょう。
類義語の「制作」「製作」との違い
「作成」と「作製」の類語には、「制作」と「製作」があります。「作成」と「作製」のように使い方の違いがあるので、きちんと理解してください。
「制作」の意味と例文
「制作」は、映画や音楽、絵画などクリエイティブなものをつくる場合に使います。また、個人でつくる芸術品も「制作」を使います。
・会社のホームページを至急制作してください。
・フリーランスの彼は、主にイラストの制作を受注しています。
「製作」の意味と例文
「製作」は、主に機械や道具を使って物品などの実用品をつくる時に使います。
・新商品の感触も悪くないので、そろそろ製作段階に移行すべきだと考えます。
・父は、工作機械を使って机や椅子を製作しています。
「制作」と「製作」の熟語が混在して見られるのが、映画やテレビなどの業界です。エンドタイトルで、「〇〇制作会社」や「○○製作委員会」などの表現を見たことがあるはずです。
映画などの場合、「制作」は作品の創作活動をする場合に使います。つまり、「○○制作会社」は、映画やテレビ番組自体をつくるのが仕事ですから、「制作」を使うのです。
一方、「製作」は、作品の制作だけでなく商品として流通させることが目的の場合に使用します。つまり、映画会社や「○○製作委員会」は、映画を商品として流通させるのが仕事です。ですから、「制作」でなく「製作」を使います。
「作成」と「作製」の英語表現
「作成」と「作製」の英語表現としては、日本語の意味合いとしてもっとも近いのが、「create」と「produce」です。
彼は、私に新しい作品の制作を依頼しました。
・There are several companies that produce wine in Japan.
日本にはワインを作製する会社がいくつかあります。
また、「作成」や「作製」はシンプルに「make」も使います。
レポートを作成するのに2週間かかりました。
・This factory makes 10,000 products in a day.
この工場では、1日に1万個の製品を作製しています。
まとめ この記事のおさらい
・「作成」は、「主に計画や書類、または文章などをつくること」の意味で、「作製」は、「機械や道具を使って物品や図面をつくること」の意味。
・手には触れられないものを作り出す時に使うのが「作成」で、機械や道具を使って物品や図面をつくるのが「作製」。
・「作成」と「作製」の類語には、「制作」と「製作」があります。
・「制作」は、映画や音楽、絵画などクリエイティブなものをつくる場合に、「製作」は、主に機械や道具を使って物品などの実用品をつくる時に使います。
・「作成」と「作製」の英語表現としては、「create」と「produce」で、シンプルに「make」も使います。