憚られる|読み方・意味・ビジネス上での使い方・類義語・英語表現を解説

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この記事では「憚られる」の読み方や意味について解説いたします。

読み方や意味が難しい言葉ではありますが、ビジネス上でも使われることがあるので理解しておいた方が良いかもしれません。

そこで今回は「憚られる」のビジネス上での使い方や類義語、英語表現などを取り上げました。

それでは一つずつ確認していきましょう。

「憚られる」の読み方・意味・使い方

「憚られる」は「はばかられる」と読み、「差し障りがあり、遠慮やためらいがあること」という意味です。

「憚られる」を品詞分解すると、「憚る」の未然形「憚ら」と助動詞の「れる」に分けられます。

助動詞の「れる」には「自発」や「尊敬」、「可能」や「受身」という4つの意味がありますが、この場合は「自発」です。

「自発」は「自然に起こること」を意味しているので、「憚られる」とは「自然に遠慮する」、つまり「遠慮して当然だ」というニュアンスを含んでいます。

また「憚られる」の使い方としては、次のようなものが挙げられるでしょう。

・先輩に向かって意見を言うのはどうにも憚られる。

上司や先輩など、目上の人に向かって意見するのは抵抗があると感じる人は多いかもしれません。

この例はそのように思っている人の心情を表したものでしょう。

「憎まれっ子世に憚る」の意味とは

「憎まれっ子世に憚る」という言葉があります。

これは「幅をきかせる」という意味の慣用句で、「遠慮」や「敬遠」という意味ではありません。

「幅をきかせる」とは「威張ること」や「思い通りにふるまう様子」を言い表しており、「憎まれっ子世に憚る」とは「憎まれているような人ほど思い通りに世を渡る」というような意味です。

「憎まれているような人の方が世渡り上手だ」や「憎まれるくらい図々しい方が世を渡っていくには丁度いい」というようなニュアンスで使われます。

「憚る」を「遠慮」や「敬遠」で解釈すると「憎まれっ子は遠慮する」という逆の意味になってしまうので、注意が必要です。

「憚られる」のビジネス上での使い方

「憚られる」はビジネス上でもよく使われる言葉です。

どのような使い方をされるのかについて、この項目では場面別で取り上げました。

目上の人に提案や反対意見を伝えるとき

目上の人に提案や反対意見を伝えるときには、失礼にならないように気を遣ってしまうものです。

特に年功序列の考えが浸透している会社であれば尚更でしょう。

そんな場合には「自分が提案や反対意見を伝えるのは恐れ多いのですが」というニュアンスを含んだ前置きをすることがあります。

例えば次のような言い回しが考えられるでしょう。

・「私が提案するというのも憚られるのですが、今回はこのプランで進めるのはいかがでしょうか。」

いきなり自分の提案を話すと、角が立ってしまう恐れがあります。

そのようなことがないように、上記のようなクッション言葉を使うことによって言い方を柔らかくしているのです。

・「このようなことを申し上げるのは憚られるのですが、別の方法を考えてみるのも一つの手かと存じます。」

上記は上司や先輩の意見に反対するときの言い回しです。

相手の意見を否定しているのではなく、遠回しに「別の方法もあるかもしれない」ということを言いたい場合にはこのように伝えることがあります。

自分の実力以上の仕事を引き受けるとき

自分の実力以上の仕事を引き受けるときにも、「憚られる」という表現を使うことがあります。

この場合の「憚られる」は、感謝の気持ちを伝える際の「恐縮」と同様の意味です。

「憚られる」という言葉を使用することによって「このように重大な仕事を私に任せてくださりありがとうございます」という気持ちを表現します。

また恐縮しながらも、「任せてくださりありがとうございます」という感謝の気持ちも合わせて伝えることができるのです。

この場合の例文としては、下記のようなものがあります。

・「重要な役目ではありますが、憚りながらお受けします。」

自分の実力以上の仕事を自信満々に引き受けると、不遜な人だと思われてしまう恐れがあります。

そうではなく上記のように謙虚な言葉をチョイスすることで、困ったときには上司や先輩が快く助けてくれることでしょう。

他人にお願い事をするとき

他人へのお願い事というのは、相手にも事情や都合があることを考えるとなかなかしにくいものです。

そんな時に「憚られる」を使うことによって、相手を配慮して申し訳なく思ったり恐縮したりしていることを伝えることができます。

ただお願い事をするよりも、相手に配慮した言葉遣いをした方がお願いされる側の心象も良いでしょう。

他人にお願い事をするときの言い方としては、例えば次のようなものが挙げられます。

・「お忙しいところ憚られるのですが、この資料の確認をお願いできないでしょうか。」

上司や先輩に、資料の確認をお願いする場面です。

なぜ確認が必要なのか、なぜその人に頼んでいるのかなどを付け加えた方がより良いかもしれません。

「憚られる」の類義語と例文

「憚られる」の類義語としては、以下のようなものがあります。

・恐縮ですが

・僭越ながら

その他には「恐れ多いですが」や「差し出がましいですが」といったものも類義語に相当するでしょう。

また上記の類義語を使うと、以下のような例文を作ることができます。

・「恐縮ですが、一点だけ修正いただきたい項目があります。」

提出された書類に不備があった場合には、このような言い回しをすることがあります。

相手に修正してもらうという作業が発生するので、謙虚な姿勢でいた方が快く修正してもらいやすいというわけです。

そもそも間違えていたのは相手なのですが、だからといってそれを咎めるような言い方は避けた方が良いでしょう。

・「僭越ながら今回のプロジェクトリーダーをお受けします。」

「僭越」は「せんえつ」と読み、「自分の身分や地位をこえて出過ぎたことをすること」や「でしゃばり」という意味です。

この例は、「自分の身分以上の役目ではありますが」という遠慮を見せながら、その役目を引き受ける場面なのでしょう。

「憚られる」の英語表現

「憚られる」の英語表現としては、「hesitate」が分かりやすいかもしれません。

例えば次のように使います。

・I hesitate to do such a thing.(そのようなことをするのは憚られます。)

何かを遠慮したり断ったりする際に使うことがある言い回しです。

もし具体的に伝える場合は「do」や「such a thing」を別の言葉で置き換えます。

・He hesitated about asking her.(彼は彼女に尋ねることに対して憚られた。)

彼女が忙しそうにしていたり、機嫌が悪そうにしていたりすると声をかけづらいものです。

上記もそのような場面だったのかもしれません。

まとめ この記事のおさらい

・「憚られる」は「はばかられる」と読み、「差し障りがあり、遠慮やためらいがあること」という意味がある

・「憎まれっ子世に憚る」は「幅をきかせる」ことを意味している

・「憚られる」をビジネス上で使うのは、目上の人に提案や反対意見を伝えるときや自分の実力以上の仕事を引き受けるときが考えられる

・「憚られる」の類義語には「恐縮ですが」や「僭越ながら」といったものが考えられる

・「憚られる」の英語表現は「hesitate」が最も分かりやすい