英気を養う|意味・類義語・対義語・英語表現と例文を解説

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この記事では英気を養うについて解説いたします。

この「えいきをやしなう」という言葉、漢字にすると

  •  英気を養う
  •  鋭気を養う

の2通りがあり、どちらも正しいものです。
しかし実はこの2つの言葉は意味が違い、使用するシチュエーションも異なるものなのです。

この記事を読んでいただければ、「英気を養う」という言葉の理解が深まり、挨拶や挨拶文で戸惑ったり、もやもやすることがなくなります。

「英気を養う」の語源と正しい意味

「英(えい・はなぶさ)」は、秀でている、優れているという意味です。
そのことから「英気」は優れた気性・才気という意味になりました。
「気性」とは性質のことで、「才気」とは頭の回転が良く情報処理能力に優れた様や、鋭い思考能力をさします。

そのため「英気を養う」とは「休養を取り、精神や頭脳を含めた心身のコンディションを整える」といった意味になります。

「鋭気を養う」との違い

一方「鋭(えい、するどい)」は、「先がとがっている」「するどい」の他に、「強い」「勢いがある」「素早い」「賢い」といった意味があります。

「鋭気」は鋭く強い気性・気勢という意味となり、「英気」よりも精神的・感情的な「情熱」や「パッション」といった側面が強くなっています。
そのため「鋭気を養う」とは「精神のコンディションを整えてやる気・モチベーションを上げる」という意味になります。

端的にいうと、「英気」と「鋭気」の違いは、身体とモチベーション、元気とやる気の違いです。

例えば旅行へ行って温泉に入り、おいしい料理を堪能すると「英気を養う」ことはできますが、「鋭気を養う」ことができるわけではありません。
「鋭気を養う」ためには、精神を鍛える行動が必要となります。

リラックスすることによって養われる「英気」と、緊張感を高めることによって養われる「鋭気」の違いといってもよいかもしれません。

英気を養うの類義語

リフレッシュする
「リフレッシュ」には気分転換という意味の他に、気分を変えて元気を回復するといった意味があります。
リフレッシュ休暇という言葉がありますが、これはまさに「英気を養うための休暇」です。

静養する
静養とは、心身を静かに休めて健康や精神の回復をはかるという意味を持ちます。
「都心を離れ、ゆっくりと静養する」といった使われ方をしますが、これは「都心から離れた温泉宿でゆっくりと英気を養う」ことと同意です。

疲れをいやす
疲れをいやすとは、休息を取って心身の疲れを取り、元の元気な状態に戻すという意味です。
英気を養うとは心身を元気な状態にするという意味ですから、非常に近い表現となります。

精気を取り戻す
精気とは、生命の源である元気といった意味です。
それを取り戻すのですから、「英気を養う」よりも若干ポジティブなニュアンスはありますが、やはり非常に近い意味となります。

充電する
アーティストが休養するときに「音楽活動を休止し、しばらく充電します」といった使われ方をします。
しばらくゆっくりして心や身体の疲れを回復するという意味なので、「英気を養う」に近い意味ですが、創作意欲を取り戻すという意味もあるので、「鋭気を養う」に近い意味ともいえます。

「英気を養う」の対義語

「養う」の対義語は「奪う」「吸い取る」などがありますが、「英気」に対して奪うとか、吸い取るという使い方はあまりされません。
英気と近い意味合いの「精気」「元気」を使った、

  • 精気を奪う
  • 元気を奪う
  • 精気を吸い取る

というものが、「英気を養う」の対義語となります。
ちなみに「鋭気を養う」の対義語は、

  • やる気をそぐ
  • モチベーションを奪う

といったものが代表的です。
使い方としては、「ダメ出しばかりで後輩のやる気をそぐ」「給料が下がってモチベーションが奪われる」となります。

「英気を養う」の例文

「パーッと飲んで今年の嫌なことを忘れ、英気を養いましょう。」
「今年のゴールデンウィークは、お仕事のことはしばし忘れ、十分に英気を養われてください。」
「先週は温泉にいってらしたそうですね。久しぶりに英気を養われましたか。」
「暑気払いでもして英気を養いましょう。」

「英気を養う」には体力・スタミナを回復するといった意味もあるため、土用の丑の日に「うなぎでも食べて、英気を養いましょう」といった使われ方もします。

「英気を養う」の英語表現

restore one’s energy
エネルギーを回復するといった意味です。
他にもrestore one’s spirits(魂を回復する)、restore one’s batteries(バッテリーを回復する)といった表現もあります。

Restore(回復する)の他に、build up one’s energy(エネルギーを築き上げる、増進する)という動詞を使うこともあります。

更に、recreate oneself(自分自身を作り直す→休養する、気晴らしをする)、gather strength(strength=力をgather=集める→勢いづく、気運が高まる、力をつける)といった表現も「英気を養う」の英語表現です。

まとめ この記事のおさらい

  • 「英気を養う」は「えいきをやしなう」と読み、休養を取って精神や頭脳を含めた心身のコンディションを整えるという意味です。
  • 英気と鋭気の違いは、身体とモチベーション、元気とやる気の違いです。鋭気の方がより精神的なニュアンスになります。
  • 英気を養うの類義語には、リフレッシュする、精気を取り戻す、充電するなどがあります。
  • 英気を養うの対義語は、英気の類義語である精気や元気を用いた、精気を吸い取る、元気を奪うなどです。
  • 英気を養うは「ゆっくりと休んで英気を養いましょう」というように、休暇の前や後、飲み会の乾杯の挨拶などで使われます。ただしお葬式などで「しばらくお休みになって英気を養ってください」ということは失礼にあたるので、注意が必要です。
  • 英語では「restore one’s energy」「restore one’s batteries」などと表現します。