日雇いってどんな契約なの?日雇いバイトの仕組みと日雇い派遣を解説

※本サイトはプロモーションを含んでいます。

転職の合間の仕事や副業として、日雇いで働きたいと考えることもあるでしょう。日雇いで働く場合は、しっかり仕組みを知っておく事が大切です。

ここでは、日雇いとはなにか?日雇いバイトの仕組み、日雇い派遣とはなにかなどを解説します。

そもそも日雇いってなに?

日雇いとは、一日限りの労働契約で働くことや、働いている人をさす言葉です。労働形態のひとつで、非正規の従業員に含まれます。

統計局が発表した2018年8月の労働力調査では、正規の職員・従業員が3,515万人なのに対し、非正規の職員・従業員は、2,108万人ほどです。

非正規の職員・従業員のうち、“その他”に含まれるのが日雇いで、総数は78万人ほどです。

参照:総務省統計局 労働力調査(基本集計) 平成30年

法律面では、いくつかの法律に日雇いについて書かれており、適用される法律と適用されない法律があるため注意が必要です。

労働基準法では、一般の労働者と日雇い労働者を明確に区別していません。しかし、「日々雇用される者」という表現があり、以下の特別な取り決めが設けられてあります。

労働基準法第12条7項
平均賃金の算定には、従事する事業や職業により、厚生労働大臣が定める平均賃金を用いる。

労働基準法第21条
第20条の解雇予告は日々雇用される者には適用されない。ただし、日々の雇い入れが1か月を超えて続いている場合には、この限りでない。

労働基準法第107条
日々雇い入れられる者については、労働者名簿の調製は不要である。

男女雇用機会均等法では、一般の労働者と日雇い労働者などの雇用形態に関係なく、男女雇用機会均等法が適用されることを取り決めています。

しかし、育児介護休業法では育児休業・介護休業に関しては、“日々雇用されるものを除く”と記されています。

パートタイム労働法では、1週間の所定労働時間をベースにパートタイムを定義しており、日雇いの場合、1週間の労働時間が比較的短い労働者は対象になりません。

1週間程度、または1週間以上の期間で日々繰り返し雇入れられ、労働時間がある程度ある場合は法律の対象です。

労働保険のうち、労働者災害補償保険は雇用形態に関係なくすべての労働者に適用されるため、日雇いにも適用されます。

雇用保険については、雇用保険法第42条で日々雇用される者、30日以内の期間を定めて雇用される者は除くと記されています。

所定の要件を満たせば日雇労働被保険者とみなされ、日雇労働求職者給付金、移転費・求職支援活動費・教育訓練給付金、常用就職支度手当などは受給できることもあるでしょう。

社会保険では、医療保険が所定の要件を満たせば「日雇特例被保険者」になることもあります。しかし、厚生年金には加入できません。

労働者派遣法では、労働者派遣法第35条の4で、日々又は30日以内の期間を定めて雇用する労働者を日雇労働者として記しています。

日雇労働者について労働者派遣を行ってはならないという、日雇い派遣禁止についても定めています。

日雇いアルバイトの魅力と注意点

日雇い労働は日雇いアルバイトともいわれ、自分の好きな日にちや時間などで働ける、多くの場合には当日のうちに賃金の支払いがある、難しい仕事はないなど、いろいろな業界や職種を経験できるなどのよいところがあります。

日雇いアルバイトは、インターネットの求人サイトや求人誌でも探すことができます。面接などを経て日雇いアルバイトをすることもあれば、面接などがない場合もあるでしょう。

先にも解説したように、日雇いアルバイトは雇用保険には加入できません。しかし、健康保険は適用をしている職場であれば、2ヶ月にわたり26日以上働いた場合、希望に応じて適用されることもあります。

賃金から健康保険の分が引かれるため、手取りが減る場合が一般的です。

日雇いアルバイトの注意点として、日雇いアルバイトで年間103万円以上の収入があった場合には、所得税の納税の義務が発生します。

一般的には、日雇いアルバイトで103万円を超える収入を得る人は少ないため、会社が手続きをしてくれることは少ないでしょう。複数の企業で日雇いアルバイトをする場合には、賃金は合算して計算されます。

103万円を超えた場合には、自分自身で確定申告をしましょう。

日雇いアルバイトは、ある企業の現場や、請負現場で働くアルバイトが一般的ですが、一部では派遣会社が持つ請負現場などで働く形態もあります。

日雇い派遣が禁止されている場合

2012(平成24)年10月の労働者派遣法改正法の改定によって、雇用形態の「派遣」は雇用期間が30日以内の期間を定めて雇用する日雇い派遣が禁止されています。

日雇い派遣は違法ですが、先に紹介したように、一定の条件を満たしている場合には、日雇い派遣も許される場合があります。

日雇い派遣が認められている業務は以下の通りです。

ソフトウェア開発機械設計・事務用機器操作・通訳、翻訳、速記・秘書・ファイリング・調査・財務処理・取引文書作成・デモンストレーション・添乗・案内、受付・研究開発・事業の実施体制の企画、立案・書籍等の製作、編集・広告デザイン・OAインストラクション・セールスエンジニアの営業、金融商品の営業

日雇い派遣は、日雇いアルバイトと違い、派遣元が派遣先との間で派遣契約を結びます。労働者は、現場である派遣先とではなく、派遣元になる企業と労働契約を結びます。

労働契約は派遣元としていますが、派遣された日雇い労働者が働く現場は派遣先で、指揮命令も派遣先の下にあります。

参照:厚生労働省 クローズアップ 知っておきたい改正労働者派遣法のポイント

日雇い派遣元のマージン率に注意する

日雇い労働者を派遣元は、派遣することで派遣先からマージン率という報酬を得ています。

しかし、日雇い派遣労働者にとっては、マージン率があまりにも高いと、手取りの賃金が派遣先の考えてる価値よりも少なくなることがあるでしょう。

マージン率によって、賃金と仕事内容に格差が出ることが問題になることがあります。

法の改定により、賃金と仕事内容の格差を減らすために、派遣会社はインターネットでの情報公開などでマージン率などについて公開するように取り決められています。

より適切な日雇い派遣の派遣会社を選ぶために、マージン率を調べて置くことも大切です。

日雇い派遣禁止の例外になる人

日雇い派遣禁止の例外になる人は以下の通りです。

・60歳以上の者
・雇用保険の適用を受けない学生(昼間に学生をしている者)
・副業として従事する者(生業収入が500万円以上の者に限る)
・主たる生計者以外の者(世帯収入が500万円以上の者に限る)

働き始めるときに、派遣会社での年齢確認、学生証の提示、収入を確認できる書類の提示などが求められます。

日雇いについてのまとめ

  • 日雇いとは、一日限りの労働契約で働くこと、または働いている人のことをさします。
  • 法律面では、一般の労働者と日雇い労働者を区別し、適用される法律と適用されない法律があります。
  • 日雇いは日雇いアルバイトともいわれ、一日だけで自分の好きな日にちや時間などで働ける、多くの場合にはその日のうちに賃金の支払いがある、難しい仕事はない、いろいろな業界や職種を経験できるなどがよいところでしょう。
  • 基本的には、日雇い派遣は2012(平成24)年10月の労働者派遣法改正法の改定によって禁止されていますが、日雇い派遣が認められている業務がいくつかあります。
  • 日雇い派遣の禁止から例外になる人もいるため、日雇い派遣で働くときには注意が必要です。