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仕事に集中しようとしても他のことが気になって、なかなか手に付かない。そんな経験は誰にでもあります。
「注意力散漫」と上司に叱られた人もいるでしょう。ビジネスにおいて注意力はとても大切な要素です。今回は、注意力について解説していきます。
注意力散漫な人の特徴
注意力は基本的には生まれつきの性格です。普段からボーッとして物事をあまり深く考えないタイプの人です。注意力が散漫な人には様々な特徴があります。
仕事の効率が悪いタイプの人に多いのが、「予定が立てられない」ことです。ひとつの仕事に集中できずに次の仕事が気になって、なかなか仕事が進まない人です。
デスク周りや資料などの整理整頓が苦手な人は、頭の中の整理も上手くできない人が多いです。環境と同じように頭の中もゴチャゴチャになっています。
音楽を聴きながら仕事をしている人は少なくありません。音楽を聴きながら仕事をするのは決して悪くはありませんが、音楽がないと仕事が手につかないのは明らかに問題です。ながら仕事は注意力があるように思われますが逆です。注意力をある特定のものに使うことで、その他のものに対する注意が欠如してしまいます。
注意力と集中力とは違う
注意力と同じように頻繁に使われるのが「集中力」です。注意力と集中力は同じような意味で使われることがありますが、この2つには大きな違いがあります。
集中力は、ひとつの物事に意識を継続的に向ける力です。例えば、周りが騒がしい中でも本を読める人や仕事に没頭して食事をする時間も忘れてしまう人は、集中力の高い人です。ただし、集中力が高いとそのことだけに没頭するので、周りに対する注意力は欠如してしまいます。
注意力は、ひとつの事物に集中しながらも周りに意識が払える力です。例えば、車を運転しながら歩行者や周りの状況に意識を払うのが注意力です。つまり、注意力がないと事故をおこしやすくなります。
スポーツの世界でも注意力は不可欠です。特にサッカーやバスケットボールなどの球技では、ゴールだけでなく周りの選手の動きを判断しなければなりません。
注意力には3つの種類がある
ひとことで注意力といっても、大きく3つの種類があります。
一つ目は、持続的注意です。集中力と同じで注意力も継続しなければ役に立ちません。持続的に注意を払えることが重要です。
二つ目は、選択的注意です。周りを注意するということは、まわりの全てを意識することではありません。無目的に周りに注意を払っていると本来集中すべきことに意識が向けられなくなってしまいます。つまり、何に対して優先的に注意を払うべきかを選択する必要があります。
三つ目は、分割的注意です。音楽を聴きながら料理をしたり、運転しながら会話したりなど、同時に2つのことをおこなう場合に必要な注意力です。
この場合、注意力をバランスよく使うことが重要です。この分割的注意が上手く働かないと包丁で手を切ったり、事故を起こしたりします。
注意力が上手く働くためには、この3つの注意がバランスよく作用していることが不可欠です。
注意力が散漫になる病気もある
「注意力が足りない」ぐらいなら、誰でも一度はいわれた経験はあるでしょう。しかし、注意力がないことで生活に支障をもたらしてしまう病気もあります。
注意力が欠如する病気で有名なのが、発達障害です。基本的には子供の頃に発症して一生付き合わなければならない病気です。
発達障害の中で最近注目されているのが、注意欠陥・多動性障害(ADHD)です。年齢に合った注意力がなく、じっとしていられないなどの症状が見られます。女性よりも男性の発症率が高く、日本の全人口の3%はADHDと文部科学省の調査で報告されています。
子供の頃にADHDと診断された人は、大人になると子供の頃のような多動性は見られなくなります。
しかし、注意力を維持するのが難しい人も多く、この場合は注意欠陥障害(ADD)と診断されます。ADHDやADDの治療は薬物治療と同時に心理社会的療法が必要です。自分の病気の特性を理解して付き合う自信を持つことが、何よりの治療です。
また、うつ病も注意散漫の原因です。うつ病になるとイライラや不安感が増大して注意力が働かなくなります。現代はストレス社会ともいわれています。過労や人間関係などストレスが積み重なり、うつ病を発症してしまう人が少なくありません。日頃からストレスを発散する努力が必要です。
仕事中の注意力をアップさせる方法
注意力が散漫しては仕事もはかどりません。注意力を高めるための工夫が必要です。
仕事を始める前に、まず仕事の優先順位をつけましょう。取り組む順番を明確にすれば頭も整理され、落ち着いて仕事にかかれるので注意力も維持されます。
仕事する場所がゴチャゴチャしていては、落ち着いて仕事もできません。デスク周りは常にキレイにして、書類などもきちんと整理しておきましょう。
休憩時間や昼休みなどに仕事をしたり、仕事のことを考えるのは厳禁です。心と体をリラックスさせるためにもしっかりと休憩することが大切です。
脳内の神経伝達物質であるドーパミンやアドレナリンが不足すると注意力が低下します。これを防ぐためにウォーキングなどの軽い運動を心がけましょう。運動することで脳が活性化され注意力も高まります。また、アロマオイルなども注意力を高めるには効果的です。ハンカチやティッシュなどにつけて常備しておくのもよいでしょう。
注意力散漫の英語訳と例文
注意力散漫の英語表現は以下の通りです。
「注意力散漫」を表す例文は以下の通りです。
注意力散漫についてのまとめ
- 注意力が散漫な人は、「予定が立てられない」「整理が苦手」「ながら仕事でないと落ち着かない」などの特徴があります。
- また、集中力と注意力が混同されやすいですが、集中力はひとつの物事に意識を継続的に向ける力で、注意力はひとつの事物に集中しながらも周りに意識が払える力です。仕事をする上では共に大切な力ですが、複数仕事をおこなう上では注意力が重要です。
- 注意力が散漫になる原因としては、注意欠陥・多動性障害(ADHD)などやうつ病なども考えられます。この場合はきちんとした治療が重要です。
- また、注意力をアップさせるためには、仕事の優先順位をつけ、デスク周りや資料を整理することが大切です。さらに休憩などのメリハリをつけて、軽い運動や気持を落ち着かせるアロマオイルなども効果的です。
- 現在注意力散漫なのは仕事のストレスかもしれません。