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この記事では建設業の働き方改革について解説いたします。
建設業は人手不足が叫ばれて久しい業界の一つですが、それは長時間労働や休みがなかなか取れないといった問題と無関係ではないでしょう。
そこで今回は建設業の働き方改革の内容や取組について取り上げました。
この記事の中で一つでも参考になるような内容があれば幸いです。
国土交通省策定の建設業働き方改革加速化プログラムとは
国土交通省は建設業における長時間労働の是正、給与・社会保険、生産性向上の3つの分野での新たな施策をまとめた「建設業働き方改革加速化プログラム」を策定しました。
このプログラムは建設業における週休2日の確保をはじめ働き方改革を一層加速させることを目的としています。
建設業働き方改革加速化プログラム策定の背景
建設業の担い手は約10年後に団塊世代の大量離職が見込まれており、その持続可能性が危ぶまれています。
建設業は全産業平均と比較し年間300時間以上の長時間労働となっており、他産業では一般的となっている週休2日も十分に確保されていないというのが実情です。
給与についても建設業界全体で上昇傾向にありますが、生産労働者については、製造業と比べて低い水準にあるといわれています。
災害対応やインフラ整備・メンテナンス等の役割を今後も果たし続けていく為にも、将来の担い手を確保することも含め建設業の働き方改革を一段と強化していく必要があるのです。
政府では2017年3月の「働き方改革実行計画」を踏まえ、建設業の働き方改革に向けた様々な取組を進めてきたところでした。
また建設業団体においても、働き方改革4点セット(週休2日実現行動計画等)の策定をはじめ業界を挙げた取組が進展しています。
この流れを止めることなくさらに加速させるべく、国土交通省は「建設業働き方改革加速化プログラム」を策定したというのが上記プログラム策定の背景です。
建設業働き方改革の内容
「建設業働き方改革加速化プログラム」は、先述の通り長時間労働の是正、給与・社会保険、生産性向上の3つの分野について新たな施策としてまとめたものです。
具体的にはどのような内容が定められているのか、それぞれ一つずつ確認していきましょう。
長時間労働に関する取り組み
まず建設業では長時間労働が慢性化しているという実態を踏まえ、それを是正する為に以下の2点を具体的な取組として挙げています。
[1]週休2日制の導入を後押しする
・公共工事における週休2日工事の大幅拡大に加え、週休2日の実施に伴う必要経費を的確に計上する為、労務費等の補正の導入や共通仮設費、現場管理費の補正率の見直しを実施
[2]各発注者の特性を踏まえた適正な工期設定を推進する
・長時間労働とならない適正な工期設定を推進する為に、各発注工事の実情を踏まえ「適正な工期設定等の為のガイドライン」を改訂
上記を要約すると、週休2日を実施するにあたり必要経費を適切に計上する為補正率を見直すこと、長時間労働にならない為のガイドラインを改訂することの2点がこの項目の主題です。
給与・社会保険に関する取組
給与や社会保険は働く上で非常に重要なポイントです。
その為これらに対して以下のように方針を定めています。
[1]技能や経験にふさわしい処遇(給与)を実現する
・技能者の資格や現場の就業履歴等を業界横断的に登録・蓄積する建設キャリアアップシステムの稼働と、約5年で全ての建設技能者(約330万人)の上記システムへの加入を推進
・技能・経験にふさわしい処遇(給与)が実現するよう、建設技能者の能力評価制度を策定
・能力評価制度の検討結果を踏まえ、高い技能・経験を有する建設技能者に対する公共工事での評価や当該技能者を雇用する専門工事企業の施工能力等の見える化を検討
[2]社会保険への加入を建設業を営む上でのミニマム・スタンダードにする
・社会保険に未加入の建設企業は、建設業の許可・更新を認めない仕組みを構築
[1]ではキャリアアップシステムに全建設技能者に加入させ、そのシステムを通して全技能者の能力評価制度を可視化させた上で適切な処遇を実現しようとしています。
[2]では社会保険に未加入の建設企業の営業を認めない仕組みを構築するということです。
生産性向上に関する取組
生産性向上に関する取組として、以下の3点があります。
[1]生産性の向上に取り組む建設企業を後押しする
・中小建設企業による積極的なICT活用を促す為、公共工事の積算基準等を改善
[2]仕事を効率化する
・工事書類の作成負担を軽減する為、公共工事に関係する基準類を改定すること、またIoTや新技術の導入等により、施工品質の向上と省力化を図る
[3]限られた人材・資機材の効率的な活用を促進する
・現場技術者の将来的な減少を見据え、技術者配置要件の合理化を検討
生産性が向上すればその分時間やお金を捻出でき、技能者の休暇の確保や待遇向上が期待できます。
それを実現する為にも、新技術の積極的な導入や人材・資機材を適材適所で配置できるよう合理化を進めていくということです。
建設業の働き方改革 36協定の適用はいつからか
労働基準法では法定労働時間(1日8時間1週間40時間)が定められており、この時間を超過する残業や休日労働がある場合、企業と労働者の間で協定を結び労働基準監督署に届ける必要があります。
この届出なしに時間外労働や法定休日労働をさせた場合、労働基準法違反になってしまうのです。
このことは労働基準法第36条に定められているため、「36協定」と呼びます。
ではこの「36協定」はいつから適用されるのかというと、一般的な大企業は2019年4月から、中小企業は2020年4月からです。
建設業については5年間の猶予期間が設けられているので、2024年4月から企業規模を問わずに適用されることになっています。
2022年より罰則付き上限規制の一般則を適用
建設業における時間外労働規制を見直す為、働き方改革実現会議では以下の3点を決定しました。
・「36協定」による罰則付きの時間外労働の上限を設けるとともに、臨時的な特別の事情がある場合として労使が合意した場合でも上回ることのできない上限を設定
・これまで「36協定」の適用除外となっていた建設業についても、2022年より罰則付き上限規制の一般則を適用
・発注者を含めた関係者で構成する協議会の設置等、必要な環境整備を推進
なお時間外労働の上限とは原則月45時間かつ年360時間で、どうしてもこれを遵守することが難しい場合は以下の特別条項でも上回ることのできない年間労働時間を適用します。
① 年720時間(月平均60時間)
② 年720時間の範囲内で、一時的に事務量が増加する場合にも上回ることの出来ない上限を設定
a.2~6ヶ月の平均でいずれも80時間以内
b.単月100時間未満
c.原則(月45時間)を上回る月は年6回を上限
ただし災害からの復旧・復興についてはこの限りではありません。
建設業の働き方改革 週休2日は無理という声も多い
こうした建設業の働き方改革を進めようとしている中で、今のままではこれらを実現するのは極めて難しいという声が多いのも事実です。
実際複数のサイトでも同様のアンケートを設けており、その結果には「納期が間に合わない」という理由から「週休2日は欲しいが現実的に難しい」という声が多く見られます。
今後建設業の働き方改革がどうなっていくのか、予断を許さない状況がしばらく続くかもしれません。
発注側の理解と協力が必要不可欠
現実的に建設業における長時間労働の是正を実現する為には、発注者の理解と協力が不可欠であることは自明でしょう。
そうしたこともあり、発注者を含めた関係者で構成する協議会の設置等、必要な環境整備を推進しているというわけです。
これは建設業が一体となって取り組んでいくべき問題だといえるかもしれません。
建設業の働き方改革 取り組み事例を紹介
建設業ですでに働き方改革に取り組んでいる会社があります。今回は下記のURLを参考に、2つの取り組み事例をご紹介します。
・取り組み1:株式会社 丸西組
働き方改革の一環として、以下の3点を実施されています。
・情報システムの改善や福利厚生としてスポーツジムの積極活用等による健康増進
・女性の活躍できる場を積極的に設ける等、一人ひとりが持ち味を活かせる環境づくり
・次代の担い手を育成する機会を作る等、教育の場を積極的に活用
・取り組み2:みづほ工業 株式会社
「整理・収納・清掃」の略である「3S(サンエス)活動」を行うことにより、労働時間の短縮だけでなく経費の削減という効果が出ています。
具体的には、何がどこにあるのかを明確にする「定位置管理」や「3S活動の主体として若手を積極登用」といったことが取り上げられていました。
参考URL:https://www.pref.ishikawa.lg.jp/kanri/supportdesk/documents/4syou2018.pdf
まとめ 建設業の働き方改革のおさらい
- 国土交通省は建設業における長時間労働の是正、給与・社会保険、生産性向上の3つの分野での新たな施策をまとめた「建設業働き方改革加速化プログラム」を策定した。
- 上記のプログラムは建設業における週休2日の確保をはじめ働き方改革を一層加速させることを目的としている。
- 建設業は5年間の猶予期間が設けられている関係で、2024年4月から企業規模を問わずに「36協定」が適用されることになっている。
- 建設業では2022年より「36協定」における罰則付き上限規制の一般則が適用されることになっている。
- 建設業の働き方改革を進めようとしている中で、今のままでは「週休2日を実現するのは極めて難しい」という声も多い。
- 建設業における長時間労働の是正を実現する為には、発注者の理解と協力が不可欠。
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