※本サイトはプロモーションを含んでいます。
ビジネスだけでなく日常生活でも、人はいつも交渉しています。交渉は、いつもスムーズには進むとは限りません。相手とのやりとりで有利にすすめるために必要なのは、「折衝力」です。
ここでは、折衝力とは何か、交渉力との違い、折衝力がある人の特徴、折衝力に大切なこと、鍛える方法をご紹介します。折衝力を身につければ、ビジネスパーソンとしてもワンランクアップできます。
折衝力とは?
「折衝力」という言葉自体は見聞きしたことがあっても、その読み方や意味は分からないという人もいるかもしれません。そこでこの項目では、「折衝力」の読み方と意味をそれぞれ解説します。
折衝力の読み方とは?
折衝力の読み方は「せっしょうりょく」です。名詞「折衝」(せっしょう)に接尾辞「力」(りょく)がついた言葉なので上記のような読み方をします。
折衝力の意味とは?
折衝力は「利害関係が一致していない間の話し合いを上手く進める進める力」という意味があります。なお「折衝」には「有利に事が運ぶように相手と駆け引きすること」を意味しています。
つまり折衝とは利害関係が一致していないもの同士が話し合いをすることであり、その能力のことを折衝力と表現するということです。
折衝力と交渉力との違い
折衝力と似た言葉としてよく取り上げられるのが「交渉力」です。「交渉」とは「相手との合意に到達することを目指して討議すること」で、「交渉力」とはその能力を指します。
一見すると折衝力と交渉力は同じように感じられるかもしれませんが、交渉力は折衝力と違って利害関係を問いません。それに対して折衝力は先述のように、利害が一致していない間に対して使われます。
つまり交渉力は折衝力と異なり、利害関係が一致している場合でもしていない場合でも用いられることがあるということです。そのため一般的に、交渉力は折衝力ほどの駆け引きの上手さを伴いません。
上記のような違いがあるため、交渉はお互い妥協することなく合意に到ることがありますが、折衝はお互いの利害が関わるため妥協が伴います。
折衝力がある人の上手な折衝の特徴
うまく折衝するには、強硬な姿勢ばかりでは、余計に相手を身構えさせてしまいます。折衝は、時には妥協したりしながら、また相手に折り合いをつけてもらわなければいけないので、相手への思いやりの気持ちも大切です。
ゴリ押しでも、人情的な話し合いなどでは上手くいかなく、相手の顔色ばかりをうかがって、仲良くしたりしようとしても上手くいかないでしょう。
また、折衝では、こちらの要求に対して必ず納得してもらえるとは限りません。逆に、相手から要求され、こちらが納得できないこともあります。
相手との折り合いをつけられどのような場面でもうまく折衝をできる人には、特徴が3つあります。
説明上手な人は折衝力がある
折衝力には、相手を思いやりながらも、伝えたいことを明確にできる力が必要です。
利害関係が一致していないので、伝えたいことは、こちらの要求や折衝の目的になるでしょう。相手に理解してもらうのが、折衝を上手く進めていく上で欠かせません。ですから、折衝力がある人は説明上手でもあります。
説明が下手な原因や 説明力を上げる方法・役立つ習慣を詳しく解説
具体的な提案ができると有利に折衝できる
相手が知りたいことを具体的に伝えられることも、折衝には大切です。
利害関係が一致していない以上、金額や要求は言い出しにくい場合もあるでしょう。しかし、たとえ言い出しにくいことでも、真摯に相手を思いつつ、言わなければいけない局面もあります。そういう意味では、交渉力のある人は、ある程度の芯の太さもなければうまく進められないでしょう。
代替案を提示し、折衝力をいかす
否定的、あるいは断定的なダメ、無理という言葉を使わずに、上手く代替案を提示することも重要です。
相手の希望には沿っていない内容でも、それまでの交渉の進め方や代替案の伝え方で、受け入れてもらえるかどうかも左右されることもあります。
折衝力には聞き取る力が大切
相手の要求や意見を受け入れらないからこそ、折衝することになっています。相手のいいたいことや知りたいこと、要求などを正確に理解していなければ、適切な代替案や妥協案の提案までは至らないでしょう。
先の折衝力のある人の特徴は、基本は相手を理解することからはじまります。
折衝力を生かせる仕事・場面とは?
折衝力の意味が分かっても、実際にはどのような仕事や場面で生かせるのかイメージが湧きにくいという人もいることでしょう。そこでこの項目では、折衝力を生かせる仕事・場面をそれぞれ2つずつピックアップしました。
営業職
営業職は折衝力が必要とされることが多いです。営業職ではお客様からの様々な要望を受けますが、それを全て受け入れていては自社の利益を得られなくなってしまいます。
そのため営業職はお客様の要望には丁寧に耳を傾けつつ、自社の利益のことも考えた上で話し合いを上手く進めていく力が求められているというわけです。
SE(システムエンジニア)
SEといえば人とコミュニケーションをすることがほとんどなく、黙々とパソコンに向かって作業をしているというイメージを持っている人が多いかもしれません。しかし実際には、SEは高いコミュニケーションスキルを求められることが少なからずあるのです。
例えばシステム開発の案件においてお客様に十分な知識がないと、予算や期間を考慮せずにお客様本位の要望をされることがあります。SEはそのような場合なるべく分かりやすい言葉を選びながら、現実的に可能な範囲で、なおかつお客様に納得いただける提案をすることが必要です。
社内における調整
社内においても所属する部署や立場が違えばお互いの求める要望も異なるというのは大いに考えられることです。そのような場面でも折衝力を生かすことができます。
例えば営業部では前年よりも予算を増やしてほしいと考えているのに対し、経理部では予算が厳しいため前年と同じ予算しか出せないとして断るケースはあり得ることです。
そんな時に折衝力があれば、双方の実情を共有した上でお互いの妥協点を見出すことができるでしょう。逆に折衝力がないと話し合いがいつまでも終わらず、部署間の対立にも発展しかねません。
したがって対外的にだけではなく、社内における調整においても折衝力は必要になることがあるというわけです。そのため就職活動などにおいても、折衝力は自己アピールする要素になるといえるでしょう。
近隣トラブル
折衝力はビジネスシーンだけではなくプライベートな場面でも求められることがあります。例えば騒音や共用施設の使い方などで近隣住民間でのトラブルが起こった場合です。
そんな時には相手と自分の状況を相互に話し合った上で、トラブルの解消を図る必要があります。そこで折衝力があれば相手の言い分を全て受け入れるのではなく、自分の希望もある程度許容してもらう方向で話を進められるというわけです。
折衝力を鍛える方法
折衝力を鍛えるには、理解力や説明力が必要です。以下の方法で、自分が必要なことから始めてみましょう。
ニュースのシャドーイングで説明力を養う
シャドーイングとは聞いた音声を即座に言葉にする技術です。
ニュースは、決められた時間にニュースの核心を伝えなければいけないので、視聴者が知りたい情報を整理して話しています。
つまり、ニュースを聞いた瞬間から言葉に出してなぞることで、自然と整然とした話の進め方が身につきます。
また、すぐに言葉にするので、聞き取りの力を養うこともできます。
ミーティングの発言を記録・説明することで聞き取る力をつける
ミーティングを片っ端から議事録にすることで、聞き取りの力を養うことができます。
また、書くことで記憶にとどまり、のちにミーティングの内容を伝えたい時に構成が組み立てやすくなります。
折衝力には、相手への伝え方も重要で、話の構成が上手なこともポイントになります。ですから、ミーティングの記録から重要な内容のみをピックアップして説明する練習をするのも、いい折衝力のトレーニングになります。
シュミレーションすることで相手の求めるものを予測する
実際に折衝を担当しなくても、自分の中で折衝をシュミレーションするのも鍛える方法のひとつです。
シュミレーションでは、相手の反応を何通りか考えてみたり、妥協案や提案などもいくつも考えてみるのがいいでしょう。
話の構成を考え折衝力に磨きをかける
折衝では、どう話を展開するかも重要なポイントになります。何も考えずに話し出す癖のある人もいますが、一呼吸おいて構成を考えるから話すと、論理的に進められます
ビジネスシーンでは、起承転結の順の構成ではなく、先に結果を話すのがいいとされています。
しかし、折衝では、結果は相手を強硬にしてしまう可能性が高いので、その後の話の展開こそが大切です。
折衝とはいえ、相手を思いやりながら話せる構成にしましょう。
折衝力の言い換え表現
折衝力の言い換え表現として一番近いのは、上述の「交渉力」が当てはまるでしょう。折衝の談判や渉外、話し合いといったものが考えられます。
談判は「だんぱん」と読み、「物事に決着をつけるために相手と話し合うこと」という意味です。渉外の読み方は「しょうがい」で、意味は「外部と交渉すること」です。
また「話し合い」は「何らかの問題に対して解決したり、一定の合意に達することができるように意見を述べ合うこと」という意味がある言葉です。
また上記の言い換え表現を使った例文としては、次のようなものが挙げられるでしょう
折衝力のポイントおさらい
- 「折衝力」は「せっしょうりょく」と読み、「利害関係が一致していない間の話し合いを上手く進める進める力」という意味がある
- 折衝力に似た言葉として交渉力が挙げられるが、交渉力は折衝力と違って利害関係を問わない
- 折衝力がある人の特徴としては説明上手なこと、具体的な提案ができることなどがある
- 折衝力が生かせる仕事は営業職やSEなどが考えられる
- 折衝力を鍛える方法としてはニュースのシャドーイングで説明力を養うことなどが挙げられる
- 折衝力の言い換え表現は交渉力や談判などがある