転職におけるつぶしがきく職業を徹底解説

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大学選びや会社選びの際、「この学部ならつぶしがきく」、「この仕事なら辞めてもつぶしがきく」といったような表現を耳にしたことがあるでしょう。

・つぶしがきく、の意味
・つぶしがきく職業
・つぶしがききにくい職業
・つぶしがきかない職業の場合の対策

このような点について解説いたします。

つぶしがきくとは

「つぶしがきく」とはある職業を辞めても他の職業に就く能力を備えていることを意味します。元々は金属製品はつぶしても再利用できることに由来しています。学校で学んだことが社会で十分に通用する、会社で身につけた能力が別の分野の職業でも生かしやすいときに、「つぶしがきく学部」「つぶしがきく職種」などと表現されます。

つぶしがきく職業

つぶしがきく職業とは、業界を変えても前職と同じように活躍できる、どこへいっても通用する職種という意味でとらえるとよいでしょう。

需要が高い営業職はつぶしがきく

どんな会社に行っても営業職がないところはほとんどありません。どの会社も営利目的であるため、営業が仕事を取ってこれなければ、会社が成り立たないからです。

しかし、営業は大変できつい、ノルマの負担が大きいなどのマイナスイメージが多く、また会社の中でもある程度の人数が必要な職種であることから、求人サイトを見ても、必ず営業職の募集は出ています。人手不足の職種ですが、営業職はつぶしがきく職業の代表といっても過言ではありません。

会社によって商品やサービスは違えど、最終着地点は「顧客と契約を結ぶこと」です。営業スキルを持っているとどの会社でも重宝されます。

スキル次第では事務職もつぶしがきく

意外とつぶしがきくのが、だれでもできそうな事務職です。営業職と同様、どの会社でも管理部門が存在します。また、本社でなく小さな支店でも、総務、経理などを担う部署は必ず存在します。営業職に比べると採用人数は多くないため、いつでも募集しているとは限りませんが、比較的募集が出やすい職種です。

事務職といって馬鹿にしてはいけません。パソコンのスキルや効率良く事務作業をさばく能力などは必要です。総務であれば、大きく分けて人事、庶務といった分野があります。人事は採用、退職だけではなく、福利厚生や保険関連、年末調整など仕事の幅も多岐にわたります。経験が必要な職種の一つでもあります。また、庶務は会社の備品の管理や郵便物の発送、会社全体の会議案内、商品の発注や受注、受付、広報のお手伝いなど細々とした仕事を少人数でこなさなければなりません。

経理については数字に強い、黙々と正確に素早い仕事ができるスキルが求められるため、資格はなくても経験が必要な職種です。

このように事務職は資格はなくてもできますが、経験があればつぶしがきく職種です。

専門職の中では医療系や看護師はつぶしがきく

専門職は一般的につぶしがきかない職種が多いとされています。専門的知識には長けていても、他の分野では通用しないことが多いからです。しかし、そんな専門職の中でも医療系や看護師はつぶしがきく職業だと言われています。

日本も高齢者が増え、医療系の職種(医者を始め、看護師、作業療法士など)は全国どこでも必要とされる時代です。医者や看護師は全国どこへいっても引く手あまたで、医師免許や看護師免許があれば、大抵の場合、採用されます。

看護師は夜勤のある総合病院だけではなく、クリニックや個人医院など様々な働き場所がありますので、結婚しても自分のペースで仕事を入れられるのが魅力の一つでもあります。

紙からwebへ、つぶしがきく編集業務

編集や記者などの仕事は「ものを書く」「自分の言葉でまとめる」という共通のスキルが必要です。最近は紙媒体が減って、圧倒的にwebの時代になりました。文章の体裁や種類は変わっても、根本のスキルである「書く力」はどの媒体でも生かせます。

紙媒体で活躍していた編集者がネット媒体でも活躍できる可能性が大いにあります。

つぶしがききにくい職業

銀行員や公務員など業界事情が特殊な職種

銀行員や公務員などはつぶしがききにくい職業の代表かもしれません。銀行は民間ではあるものの、提供しているサービスが一般向けで公共性があります。融資や保険など営業職が活躍する職種もありますが、銀行業界全体が保守的な傾向が強いため、他の企業との差を感じるかもしれません。

また、公務員も特殊な職種です。民間とは異なる大きな点は営利目的ではないことです。一部、広報や営業などもありますが、全体として、市民や国民の生活をより良くすることを目的としているため、特定の会社と繋がることはほとんどありません。

保守的で閉鎖された環境で仕事をするため、民間で必要とされる発想力や改革力、柔軟性などはあまり必要とされず、環境があまりにも異なるため、つぶしがききにくい職種だと言われています。

弁護士や税理士・理容師など専門性が高い職種

専門性が高いと同じ分野でもかなり重宝されます。しかし、専門性が高すぎると他の業界では全く通じないというデメリットもあります。その代表が弁護士、税理士、理容師、美容師、エステティシャンなど士業や●●師とつく専門的な仕事です。

その分野で資格を保有し、スキルを高められれば活躍でき、年収も他の職業に比べて飛躍的に高くなりますが、他の業界に転職したいと思ったときに役立つスキルが少ないため、汎用性は少ないでしょう。

つぶしがきかない職種に就いている場合の対策

検定などの一般的なスキルを磨いておく

つぶしがきかない職種の特徴は「専門性が高すぎること」「他の業界との環境が違いすぎること」にあります。しかし、仕事で実際に使っているスキル以外にも自分で磨いていけるスキルは世の中にたくさんあります。

学生の頃に様々な分野の資格を取得し、その中から仕事に生かせそうなものをピックアップして仕事にしている人もいます。これと同様、仕事をしながら他の業界の仕事に関係するスキルを自分で身につけることは可能です。

汎用性のあるスキルや資格には以下のようなものがあります。

・コミュニケーション
どの仕事をしても人と関わることがあるので、コミュニケーションスキルを磨いておくと他の分野の仕事でも強みとして生かすことができます。
・パソコン
今の時代、パソコンを一切使わない職業はほとんどありません。接客業などは、パソコンスキルがなくても慣れれば使えるくらいのスキルで問題ありませんが、事務職に転職する可能性を考えれば、基本的なパソコンスキルは身につけておきたいものです。
・自動車運転免許
自分の車を保有しているか否かに関わらず、自動車社会である昨今、免許を持っているのと持っていないのとでは仕事の幅に差が生じます。都会で自動車を運転する機会が少ないため必要ないという人もいるでしょう。しかし、営業職の場合は会社の車を運転しなければならない場合もあります。転職先が自動車に関連する業界の場合もありますし、転勤で生活に車が必要となるかもしれません。持っていて損はない資格の一つです。

・英語
日本の企業も日本だけで仕事をしている会社は随分と少なくなってきました。会社全体で考えれば、海外とのやり取りは必須です。海外への出張、海外支社との会議、海外からの部品輸入、海外の工場の管理など、様々な場面で英語を使う機会が増えました。

例えば、つぶしがききにくい士業に就いていたとしても海外の案件もあれば、英文の読み書きが必要なこともあります。どんな職業に就いていても、英語力は必須になってきています。日頃から磨いておくと良いスキルです。

転職の可能性を頭の中に入れておく

「自分は絶対にこの分野で成功するんだ」「骨を埋める覚悟で就職したんだ」と思っている人もいるかもしれません。しかしながら、最近、どんな大手企業もいつ倒産するか、海外に売却されるか分からない不安定な時代です。自分の意思とは関係なく、転職せざるを得ないこともあるでしょう。

長年勤めるつもりで就職することは良いことですが、定年までに転職することがないとも限りません。常に転職の可能性も視野に入れて動くことで、いざというとき路頭に迷うことなく、転職成功組に入ることができます。

つぶしがきくのまとめ

・つぶしがきくとは、ある職業を辞めても他の職業に就く能力を備えていることを表す
・つぶしがきく職業の代表は営業職、続いて事務職や医療系職種、編集業務など
・一方、つぶしがききにくい職業は銀行員や公務員、弁護士や税理士などの士業、理容師など
・つぶしがきかない職業に就いていても、コミュニケーションスキルやパソコン、英語など自身で磨けるスキルもある
・いつ転職しても困らないように、日頃から自分の能力やスキルを磨いておくといざというとき困らない